トヨタ自動車が、2035年、欧州で販売するすべての新車をEV 電気自動車など、ZEV「ゼロエミッション車」にすると発表したそうだ。
トヨタ、欧州での販売をゼロエミッション車に限定へ-35年までに - Bloomberg
ブルームバーグによると、トヨタの方針はEUが7月に提案した気候変動対策と整合するという。トヨタは35年までの目標達成について、EUがバッテリー充電と水素補給のための十分なインフラを整備することを前提としていると説明したそうだ。
ハイブリッド車で大きく成功しているトヨタも、欧州の一部消費者はまだ完全なEV車に移る準備ができていないと主張するのは難しい状況となりつつある。
欧州で今年1-9月に登録された完全なEV車は80万台余りと、前年同期から90%超の増加となった。(出所:ブルームバーグ)
これまでのトヨタの主張を鑑みれば、今回のトヨタの欧州における方針は少々意外だった。
アングル:内燃機関で脱炭素、トヨタが挑む水素エンジンの現実味 | ロイター
しかし、マーケットに真摯に向き合っているともいえるのだろう。
政府施策があっても、最終の選択は消費者に委ねられる。消費者がそれを望むなら、まずはそれに従うしかない。
COP26の議長国で、脱炭素を強力に推進する英国が、天然ガス不足などを背景に電気代などが高騰し混乱した。これから向かう脱炭素社会の課題が浮き彫りになったようで、少し先行きに不安を感じた。欧州に暮らす人々はどう感じたのだろうか。たとえば、自動車を英国政府が示したようにすべて「ゼロエミッション車」に変えていくことに不安を感じたりはしないのだろうか。
アップルカー
米アップルがEV 電気自動車の開発を加速させ、完全自律運転機能をあらためて開発プロジェクトの中心に据えていると、ブルームバーグが報じる。それによれば、アップルは自動運転車を4年後に発売することを社内目標としているそうだ。
アップルが自動車開発を加速、完全自律運転モデル目指す-関係者 - Bloomberg
アップルはさらに、インフォテインメントのシステムを車の中心に据えるデザインも検討してきた。大型「iPad(アイバッド)」のようなタッチスクリーンになるもようだ。またアップルの自動運転車は、同社の既存のサービスとデバイスとかなり一体化されたものになる。(出所:ブルームバーグ)
アップルが理想とする自動車は、リムジンのように乗客が向かい合って座り、ハンドルやペダルがなく、運転に手を出す必要がない車内設計とブルームバーグはいう。
アップルが作るであろうEVが、これからのモビリティのカタチのような気もする。4年後、ほんとうにアップルカーが登場すれば、自動車のカタチを変えていくきっかけになったりはしないだろうか。都会の渋滞でもうイライラすることはなくなるのかもしれない。ただクルマを走らせる楽しみはなくなってしまうが。
2035年、多くの国が規制を強化し、電動車やゼロエミッション車のみの販売となる。
アップルカーが登場することで、この規制自体が見直されることになったりはしないのだろうか。もしかしたら、クルマという概念が変わり、クルマ社会にも変化があるのかもしれないのだから。