Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

【チャイナショック2.0】過剰生産される中国太陽光パネルと日本のエネルギー計画

 温室効果ガスを世界で最も排出している中国、温室効果ガス排出を正味ゼロにする目標を2060年に設定しています。他の多くの国が2050年を目標とし、それに比し遅いとの批判がありますが、今その中国が急速に再生可能エネルギーを拡大させているそうです。

中国、再生可能エネルギー利用が急拡大 2050年には88%に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 現在の中国の発電総量における再生可能エネルギー電力の割合は30%で、それが2035年までに55%となり、2050年には88%に達するといいます。地球温暖化のペースを考えると、決して早いということはないのかもしれませんが、単に遅いと批判できるものでないような気もします。実績ベースで、2022年に世界で設置された太陽光と風力の発電施設の約40%が中国のものだったといいます。

 

 

 世界の太陽光パネルの9割は中国製といわれています。中国には年産100GWかそれに近い規模で量産するメーカが10社近くあるそうです。これらが激しいシェアを争い、それもあって、太陽光パネルの価格は右肩下がりで下落しているといいます。こうした低価格に供給する能力があって中国の再エネ計画が成立しているのかもしれません。

 一方で、欧米はこれを過剰生産能力と指摘、中国政府による補助金によるものだと批判し、「チャイナショック2.0」と呼んでいるようです。

 欧州の業界団体代表は、「政治が手を打たなければ、数カ月で大半の企業がつぶれる」と対応を求めているといいます。

脱炭素「中国抜き」でやれるのか 太陽光パネルで欧州ジレンマ、産業界は悲鳴 - 産経ニュース

 一方で、太陽光パネルにおいては中国リスクは薄いと指摘する欧州シンクタンクの研究員もいるといいます。補助金EU企業を支えても競争力はつかず、脱炭素化を遅らせるだけだとして、「欧州は一定量の在庫を確保しながら、光吸収効率の向上など技術開発に重点を置くべき」と訴えているといいます。

 ドイツの風力発電などを手が欠ける再エネ大手シーメンスエナジーのCEOも中国とのつながりを断つことは不可能に近く、そうした動きは再エネへの移行を危うくするとの見方を示しているといいます。

「中国抜きのエネルギー転換はありえない」独再エネ大手トップの見解 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

中国からの供給なしで風力タービンを作るのは不可能に近い。中国抜きのエネルギー転換はうまくいかない。(出所:Forbes)

さらに、「対等な国際貿易のための解決策は、米国で台頭しつつある激しい保護貿易主義と自由市場の間で妥協点を見出すことだろう」とCEOは指摘しています。

 

 

 日本では、エネルギー基本計画の議論が始まったようです。足元では電気料金が再び高騰をはじめ、また再エネ賦課金もアップされることになるといいます。

太陽光発電が国内最安の電源に、供給価格が4円/kWh台まで低下 | 日経クロステック(xTECH)

「チャイナショック2.0」といって、中国の過剰生産能力が問題視し、それを政治問題化することはかえってリスクとなり、エネルギー計画を歪めることにならないか心配になります。中国製太陽光パネルなどをどう扱い、次のペロブスカイト太陽電池を活用策を明確にし、どう移行していくのかがはっきりさせる必要がありそうです。太陽光パネルと同じ失敗を繰り返すことは許されないはずです。拡大するばかりの中国との差を埋めていかなければならないのでしょうから。そのためにずる賢く中国製を時に上手に利用することを必要ではないでしょうか。

 

 

 エネルギー計画の基本的な考えは『S+3E』といいます。「S」は安全性、「E」は安定供給、経済性、環境の3つだといいます。これらを政治問題化させては国民生活がますます脅かされることになってしまいます。

 

チャイナショック2.0、かつての日本のように米国に締め付けられる中国

ジャパン・アズ・ナンバーワン」、1979年に刊行され、一世を風靡したといいます。米国の社会学者が「黄金期」の日本を分析した本で、副題は「アメリカへの教訓」だったといいます。現在においても、日本経済の黄金期~1980年代の安定成長期、ハイテク景気〜バブル景気を象徴的に表すことばとして「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が用いられています。それほどに当時は日本はまるでナンバーワンになるかのような勢いがあったということなのでしょうか。

 

 

 それほどに勢いがあり、あたかも力を得たかのようになると、羨望の的になり、邪魔だてする者が現れるのが世の常なのでしょうか。1985年にもなると、当時のレーガン米大統領が為替政策の円切り上げを求めたり、その後は対日貿易措置が取られ、自動車や半導体が標的となったといいます。

 その当時と同じような環境に米国が陥っているようだといいます。ただし今回の標的は日本でなく、中国に向けられているといいます。

人民元安に助けられた中国が安価な輸出品を世界に溢(あふ)れさせるのをうろたえながら見ている。米国の貿易赤字は、昨年の大半まで縮小していたが、再び拡大している。(出所:ダイヤモンド・オンライン)

 同じようなことを繰り返すのが米国らしさというところでしょうか。イエレン財務長官が繰り返し中国を訪問しては警告を繰り返しているようです。

安価な中国製品による新産業の破壊、米国は認めず=財務長官 | ロイター

「中国製品の大量流入で米製造業で約200万の雇用が失われた2000年代初頭の「中国ショック」の再来をバイデン大統領は許さない」とイエレン財務長官が4月初旬の訪中時に述べていました。4日間にわたる中国当局者と会談し、EV電気自動車、バッテリー、太陽光産業などへの「大規模な政府支援」に支えられた過剰投資、過剰生産に懸念を表明したそうです。

 

 

 しかし、中国は当時の日本ほど純朴ではないようです。これまでの成長で中国は自信を深め、おいそれとは米国のいいなりになることはなそうです。

中国EVメーカー、外資企業に技術を提供する時代に | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

中国のEV開発力は十分にあり、これまでとは逆に外資企業に技術を提供し市場を拡大することができるという確固たる自信がついた。そして実際には当記事で挙げたようにさまざまな提携形態を通して、中国企業が技術を輸出する側にまわったのである。(出所: 36Kr Japan )

 外資を引き入れてはそこから学びを得て、自国の技術力を高める、あって当然のことなのですが、それが中国ではありとあらゆる産業で、世界中の国が集まって大規模に行われたのですから手が付けられない事態になったのではないのかなと思います。世界の工場とまくしたて、そこから利益をむさぼってきたのですから、何を今さらと中国はいいのもわからないことでもありません。

 記事は日本の商用EVを手がけるスタートアップが、中国企業OEMしている事例を紹介しています。

 もしかしたらかつての米国のように、日本は中国の成功事例をつぶさに分析・研究して、学びを得る必要があるのかもしれません。何しろハイテク分野は全敗に近い状態に追い込まれているのですから。

 

 

 それに加え、激しく対立する米中に不用意に近づき、それに巻き込まれるのは避けた方がよさそうな気もします。百害あって一利なし、それよりはもっとしたたかに漁夫の利をひそかに狙うべきなのではないでしょうか。そのためにも、米中が競い合う「GDPレース」からあえて離脱してみるのがいいのかもしれません。何か違った景色がみえそうな気がします。

 

 

「参考文書」

チャイナ・ショック2.0の背後に「元安とデフレ」~人民元の実質ベースの弱さが、他の輸出国を犠牲にする形で中国の輸出を加速させている(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 米経済はナンバーワン、それが問題だ | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライン

苦しむ日本へ 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」著者息子からの教訓:朝日新聞デジタル

 

台頭する中国のテクノロジー、懸念深める米国防総省、置いてけぼりの日本

 米中対立が激しさを増すばかりです。米国は保護主義色を強め、「デカップリング」、経済の切り離しに発展、国内回帰を進めているよう。

 そんな中、半導体受託生産大手のTSMC 台湾積体電路製造が中国に掌握されるようなことになれば、米経済にとって「間違いなく壊滅的な」ものになると、レモンド米商務長官が米下院公聴会で述べたそうです。

中国のTSMC掌握、米経済に「間違いなく壊滅的」=商務長官 | ロイター

 中国による台湾侵攻、起こるかどうかわからない事態を想定しての議論のようです。米国は現在、最先端半導体の92%をTSMCに頼っているそうです。

 

 

 米国防総省も中国の様々な脅威を感じているようです。防衛産業基盤評価では、米国経済の「着実な産業空洞化」により、軍事関連で使用される重要な鉱物や部品の国内生産を強化することに国防総省が関与せざるを得なくなっていると指摘したそうです。

「中国テック企業の台頭」が米国防総省の懸念となる理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

あまりに多くの企業が製造拠点を国外に移したため、軍需サプライチェーンの大部分において、生産に不可欠なものの国内供給源は1つしか残っていない。(出所:Forbes)

 そればかりでなく、米国防総省は、軍事的ライバル国より一世代先行し続けることを可能にするイノベーションを求めているが、米国の製造業がそうした優位性を提供できる可能性は低いとみているようです。

 日本も同様なのかもしれません。そんな中、ロケットから防衛装備品、火力発電のタービンまで手がける三菱重工がひとり気を吐いているのでしょうか。

ベンチャーしのぐ短期決戦、三菱重工が進める「ピボット開発」 | 日経クロステック(xTECH)

 三菱重工は事業部ごとにあった研究部を集約して「総合研究所」を2015年に創設したそうです。約700の技術と500以上もの製品を抱えているといいます。700分野の専門家を有し、何千人も人員を抱えているといいます。効率的な研究・開発体制が求められ立ち上がった研究所といいます。

 国の力強い支援で優遇されていそうですが。もしそうであるのなら、常に結果が求められるべきなのでしょうが、必ずしもそれが伴っていないようです。

 日本よりはるか先を行く国が存在し、先行する分野が数少なくなるばかりに見えます。

 

 

 米国防総省はAIソフトウェアのような最先端のイノベーションにも危機感を抱いているようです。

 中国が台頭してくる一方で、これまでイノベーションを支えてきた巨大テクノロジー企業に規制をかけようとする動きが強まり、これが国の安全保障に破壊的な影響をもたらす可能性があるとみているといいます。

 こうした現実を突きつけられると、日本のありさまがあまりにも貧粗ではないでしょうか。ハードウエアもだめ、ソフトウェアもだめ、日本の安全保障はますます厳しくなり、湯水のようにおカネが消費されていきそうです。

エヌビディア

 GPU画像処理半導体などを手がける米半導体大手のエヌビディアが、AI人工知能向け半導体を含むいくつかのカテゴリーにおいて、中国通信機器大手のファーウェイ 華為技術を最大の競合企業として認定したそうです。

米エヌビディア、中国ファーウェイを最大の競合企業と認定 | ロイター

エヌビディアによると、ファーウェイは画像処理半導体GPU)、中央演算処理装置(CPU)、ネットワーキング半導体などAI向け半導体の供給で競合している。ファーウェイはAIコンピューティングを向上させるために独自のハードウエアとソフトウエアを設計しているクラウドサービス企業とした。(出所:ロイター)

 かつて技術立国といわれたことが懐かしく思い出されます。あの頃の創造性はどこに行ったのでしょうか。政府も企業も大切なものを失っていないでしょうか。

 何か違う道を探してみてもいいのかもしれません。もう同じ土俵で戦うことすらできないのですから。

 

 

「参考文書」

インテルとクアルコム、ファーウェイ向け半導体輸出ライセンス取り消し | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 

定着しそうな「安いニッポン」、ドル円150円が新たな日常か

 米雇用統計の発表を受け、円が対ドルで上昇、一時151円台を付けましたが、その後はまた153円台で推移しているようです。

円が対ドルで一時151円台に上昇、米雇用統計後-介入警戒感和らぐ - Bloomberg

 雇用統計が市場予想を下回り、年内の利下げ観測が高まったことに反応したといいます。「日本の財務省と円安を阻止する彼らの闘いにとっては朗報だ」との市場関係者の声があるようです。

 

 

GDP1%規模の為替介入、焼け石に水

 GW期間中、 政府日銀は何とか円安を阻止しようと市場介入に動いたのではないかといわれます。GDPの1%にもなる為替介入を行っても円安の流れが止まりませんでした。切り返されては繰り返し介入したようです。

アングル:ドル売り浴びせ、早朝の奇襲に介入観測再び 最大効果狙う | ロイター

 神田財務官が焦燥感をもって孤軍奮闘しているだけのようにも見えます。

米国の政策金利は5%超。対する日本はゼロで、日銀は動く構えすら見せない。資本逃避的な円売りが発生しているにもかかわらず、焼け石に水と分かっている介入しかないのか。(出所:ロイター)

 円安が進むのは、為替トレーダーに需要があるからなのであって、投資から利益が見込まれるなら企業も行動を起こします。為替トレーダーも企業もやっていることと本質的は変わらないような気もします。

円の弱体化

為替介入をしたとしても円の継続的な弱体化を防ぐことはできない。円安は、日本経済が弱く、輸出企業の競争力がますます低下している結果だからだ。(出所:東洋経済オンライン)

円急落よりマズい「円弱体化」が進む日本の末路 多くの国民の生活水準が腐食しかねない | 政策 | 東洋経済オンライン

 円は暴落しているわけではないといいます。問題は、円が大暴落するようなリスクではなく、円安が日本の国際競争力と多くの国民の生活水準が腐食し続けることにあるといいます。円安が今の水準より進むことになれば、輸入物価は上昇し、今年の実質賃金の上昇分を帳消しにするほど全体のインフレ率が上昇する可能性があります。すでに実質賃金は23カ月連続で前年同月を下回り、消費者の購買力が下がり続けています。こんな状態が長引いて、経済が健全に成長するわけがないといいます。

 

 

日銀の次の利上げ

 GW明け日銀は何か対応をみせるのか、気になります。GW前の植田総裁の記者会見内容を手がかりにして、専門家たちが様々な予測をはじめています。

日銀の利上げペース、市場想定より速まる可能性も-物価予想通りなら - Bloomberg

 日銀による次の利上げは9月との予測がもっぱらのようですが、市場が想定するペースより速まる可能性があるといいます。日銀が現状をどう分析するか次第でもあり、その動向に注目が集まるといいます。

 米国FRBが予想通りに利下げをはじめ、また日銀が早期に利上げを実施すれば、金利差の縮小が意識され、短期的にはトレンドに変化があるのかもしれません。一体適正な円の水準は何円くらいなのでしょうか。

 今の水準が維持されるとの予測がある一方で、165円まで、1986年以来の円安水準まで下落するリスクがあるとみる市場関係者もいるようです。

円は1986年以来の低水準に落ち込む可能性、1ドル=165円も-RBC - Bloomberg

 当局が介入し、円を買い支えても弱気心理を完全に鎮めることができないといいます。

財務省がすべてを「投機筋」のせいにすることで、根本的な原因を見失ってしまうことだ。(出所:東洋経済オンライン)

 やはり日本経済が活況となり、力強さを回復しない限り、円安トレンドを脱することは出来ないということでしょうか。

 

 

かつて世界を席巻した日本の産業の多くは、輸出価格を大幅に下げない限り競争力を失いつつある。(出所:東洋経済オンライン)

 政府は株式市場が史上最高値を更新し、日本経済は30年ぶりに明るい兆しを見せていいます。そんな呑気なことで、国民生活を守ることはできるのでしょうか。生活水準を犠牲にすることはあってはならないし、許されることでは絶対にないのだから。

 このまま安いニッポンが定着することになるのでしょうか。

 

 

「参考文書」

【コラム】日本は介入で慎重にショット選択を、バズーカ砲不要-モス - Bloomberg

「時間稼ぎ」の円買い介入、それでも通貨安定に役立つ-ゴールドマン - Bloomberg

 

中国テックの台頭、米国防総省の懸念、傍観するだけの日本

「LiDAR(ライダー)」、レーザー光を照射して周囲の物体までの距離を高精度に測定する自動運転の目となる部品です。この部品において、中国企業の存在感が強まっているそうです。特許出願数で日米企業を大きく上回り、市場シェアも過半を握るようになったといいます。

自動運転の「目」、中国が特許首位 ボッシュは開発中止 - 日本経済新聞

中国では電気自動車(EV)の開発競争が激しく、差異化のためにライダーを使った運転支援の高度化が進む。日米欧企業の動きは遅く、独ボッシュなどが開発から撤退し始めた。(出所:日本経済新聞

 理由はともあれ、ありとあらゆる分野で、中国企業の躍進が続いているということなのでしょうか。

 

 

AI研究

 欧米諸国が世界をリードしているはずの生成AIの開発においても、トップ研究者のほぼ半数が、中国出身であることが報告されたといいます。

世界のトップAI研究者の約50%が中国出身であることが判明 - GIGAZINE

 米国のポールソン研究所のシンクタンク MacroPoloが、AI・機械学習分野の国際会議「Neural Information Processing Systems」が受理した論文を調査した結果、判明したそうです。中国でAI人材の国内プールが急速に拡大すると共に、自国のAI産業の需要も増大していることを示しているといいます。

日刊紙のニューヨーク・タイムズは、「中国がこれほど多くのAI人材を育成できたのは、AI教育に多額の投資をしたことも一因です」と指摘しています。(出所:GIGAZINE

 人材が育たなければ、研究も開発も進まず、ましてそれがビジネスに昇華することもないのですから。

国防総省が抱く懸念

 米国防総省が「中国テック企業の台頭」に懸念を示しているそうです。

「中国テック企業の台頭」が米国防総省の懸念となる理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

米国内の一部の製造業者は新しい技術に多額の投資を行っているが、中国との競争に敗れつつあることを示す根拠がある。中国企業は往々にして米企業より先にドローン(無人機)のような新しい市販品の市場投入を行ったり、米企業が張り合えないような価格で商品を販売したりしている。(出所:Forbes)

 そればかりでなく、ソフト、AI分野においても中国企業が挑み始めていることに懸念をもっているようです。米ビッグテック、超巨大テクノロジー企業もうかうかしれいれば、ハードウェアの二の舞になりかねないというところでしょうか。

 

 

中国から流入するIT人材

 日本で働く中国人のIT技術者が10年間でほぼ倍増しているそうです。IT技術者の国外脱出を後押している中国側の事情もあるようですが、IT技術者の不足という問題を抱える日本側の事情があるといいます。 

日本企業は選ばれたのか?中国人IT技術者が10年で倍増 給料が下がっても国を出る人たちの思惑:東京新聞 TOKYO Web

先の40代男性も「求められる技術レベルは高くない」と話し、技術面で日本から学ぶことが少ないと示唆する。男性の給与は以前より3割近く下がった。中国メディアの記者は「技術者にとって日本で働くことは賃金面での魅力は薄く、日本語の壁は高い」と語る。(出所:東京新聞

 一方で、技術の流出を懸念する人たちもいるようです。日本が優位性を保っている領域もあるのでしょうけれど、大いに学ぶべきこともありそうな気がしてなりません。批判もあるのかもしれませんが、上手に利用すべで、そうでないと太刀打ちできないほどの差が開くなりそうな気もします。 

「多様な背景の人材から、さまざまな発想を学ぶべきだ。むしろ日本企業が選んでもらえるかということが問題」と、専門家も指摘しているといいます。

 

急減速の米テスラ人員削減へ、EVシフトの再加速はあるのか

 米テスラの業績がさえず、EVシフト熱が急速に冷え込んだかのようです。日産自動車とホンダがEV 電気自動車で提携する検討を始めると発表し、出遅れる日本EVが巻き返しを図る号砲かと思いましたが、空砲で終わることになるのでしょうか。

日産自動車とホンダ、EVや車載ソフトでの提携検討を発表 - 日本経済新聞

 ここでブレーキを踏まずに前に進めれば、遅れの挽回となり、日本の自動車産業の構造転換を促し、競争力を一段高めることができるのでしょうか。

 

 

 テスラの失速原因を分析できれば、EVシフトを再加速させることもできそうな気がします。

【最速解説】なぜ、EV王者テスラが「急失速」しているのか

失速の主な理由は、非従来的なデザインと現在のターゲット層とのミスマッチ。著名批評サイトのコンシューマー・レポートでは、新型モデル3について「運転しながらダッシュボード画面でほとんどの設定をするのは、非常に気が散る」とレビューしています。(出所:NEWSPICKS)

 オンライン販売のため、ショールームが少なく、アフターサービスに対する苦情も目立つといいます。一理あるのででしょうが、これがすべてではないような気もします。

構造改革

 テスラは、足元の需要急減を理由に世界の従業員の10%以上を削減するそうです。

テスラ、世界の従業員の10%以上を削減へ-EV需要が減速 - Bloomberg

「次の成長段階に向けて準備するに当たり、コスト削減と生産性向上のために会社のあらゆる面を見直すことは非常に重要だ。この取り組みの一環として組織の徹底的な見直しを行い、全世界で10%以上の人員削減という難しい決断を下した。これほど嫌なことはないが、やらなければならない」と、イーロン・マスクCEOは説明したそうです。

 最新モデル「サイバートラック」の生産は遅れ、3万ドル以下の価格となる低価格モデルの投入までは、困難が続くとみられ、いいタイミングでの人員整理なのかもしれません。

 テスラの次の成長エンジンは何になるのでしょうか。低価格モデルそのものなのか、それとも、この低価格EVプラットフォームを活用した自動運転タクシーなのでしょうか。

テスラ、自動運転タクシーについて8月8日に発表-マスクCEO - Bloomberg

 FSD(Full Self Drive)自動運転ソフトについて、このタイミングで何かアップデート情報等があるのでしょうか。

 

 

 テスラとシェア争いを続ける中国 BYD(比亜迪)も足下でEVの販売台数を減少させています。価格面で優位性があるにもかかわらずです。なかなかスムーズにEVシフトは進まないのかもしれません。乗り越えるべき壁がまだ多々ありそうです。それともテスラの自動運転が刺激となって、それをテスラが牽引することでEVシフトに火がつくことになるのでしょうか。

 

 気になるのは国家間の対立です。それがこれからのEVシフトの足枷になるかもしれません。その壁を乗り越えるにはまだまだ解決すべき問題がありそうな気がします。

 

 

「参考文書」

マスク氏、テスラが低価格車の計画取りやめとの一部報道を否定 - Bloomberg

テスラ、低価格EVから撤退か 中国勢との競争激化で - 日本経済新聞

テスラはFSD12で将来の完全自動運転の実現を確信した模様

 

空飛ぶクルマ、実用化に近づく中国、開くばかりの実力差

 eVTOL 電動垂直離着陸機「空飛ぶクルマ」、大阪・関西万博やパリオリンピックで試験的な運航が始まり、今後モビリティの革命を起こすと期待されているといいます。2030年代には本格的な社会実装が想定されているそうです。

「空飛ぶクルマ」が旅を変える 好きな時に好きな場所へ - 日本経済新聞

 旅がストレスになることもあります。移動が集中するお盆や年末年始は、自動車は大渋滞に巻き込まれ、飛行機や新幹線は混雑し、希望する時間に予約が取れなかったり座席が窮屈だったりします。移動の選択肢が増え、そんなストレスが解放されるのであれば、「空飛ぶクルマ」はいいのかもしれません。

 

 

 デベロッパー大手の三菱地所が「空飛ぶクルマの社会実装に向けた都心でのヘリコプター運航実証」を実施したそうです。

東京駅とお台場を結ぶ空飛ぶクルマ適正値段、「丸ビル」屋上で考えた | 日経クロステック(xTECH)

 実証実験は、ゆりかもめ青海駅南側特設会場や東京ヘリポート新丸ビル屋上にあるヘリコプターの緊急離着陸場を結ぶ航路をヘリコプターを使って行われたそうです。日本の都市部で実証に使える「空飛ぶクルマ」の機体がまだないことが理由といいます。今回、価格は1人1万7600円、約70席が満席になったそうです。

 青海駅特設会場から新丸ビルまでの飛行時間は10分ほど、通常青海駅から東京駅へは、ゆりかもめなどの鉄道を使って30分以上はかかるので時短効果はかなりあるのではないかといいます。ただ安全面から、高層ビルの屋上を活用した都心部の運航実現には時間がかかりそうで、まずは空港とリゾート施設などを結ぶ路線や、アウトレット施設など観光地での遊覧飛行から市場が立ち上がっていくのではなかろうかといいます。

 

 

 一歩先行く中国では、「低空経済」という政策で、空飛ぶクルマやドローンを積極活用していくようです。地上から1kmないし3km以内の低空域を有効に活用し、経済成長につなげる狙いがあるといいます。

空飛ぶクルマ、26年の産業規模2千億円へ - NNA ASIA・中国・運輸

「空飛ぶクルマ」の開発する中国企業オートフライト(峰飛航空科技)は、5人乗りの機体を使った都市間輸送のデモンストレーション飛行を成功させたそうです。広東省深圳市の蛇口港から対岸にある珠海市の九州港までの往復100キロメートル超を飛び、自動車なら約3時間の所要時間を約20分に短縮できることを実証したといいます。

 今年2024年に空飛ぶクルマ産業の商用化が爆発的に進み、規模が大幅に拡大するそうです。 空飛ぶクルマの運航に必要な型式証明の取得も進んでいるといいます。また地元深圳市政府は、補助金支給などを含めて手厚いサポートを準備し、企業誘致と産業育成に強い意欲を見せているそうで、補助額は最大2000万元(約4億1786万円)になるといいます。

(出所:三菱地所

 欧米から批判の多い中国の補助制度ですが、それはそれとして、新たなテクノロジー開発、具現化、社会実装するスピードが突出しているとも感じます。力の差が開いていそうです。日本の空を飛ぶ「空飛ぶクルマ」が中国製ばかりになってしまうことはないのでしょうか。

 

「参考文書」

中国の空飛ぶクルマ「100km超のデモ飛行」に成功 オートフライト、商用運航の実現へ一歩前進 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン

中国がリードする「空飛ぶクルマ」実用化競争 国家レベルで「低空経済」発展を後押し、開発で先行していた日米欧が後れを取る可能性も | マネーポストWEB

 

~空飛ぶモビリティで、まちに、人に、次の豊かさを~ 空飛ぶクルマの社会実装に向け、都心でのヘリコプター運航実証を開始(三菱地所)