Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

【数字と根拠】GW期間中ステイホームに協力した人は65%だったという事実

 

 ゴールデンウィーク期間中、多くの都民が「ステイホーム」に協力していたという。

 朝日新聞によれば、東京都が開いたモニタリング会議で、自宅から5キロ圏内で生活した都民の割合が、5日までの1週間平均でみると65%という調査結果を公表したそうだ。この数字は真実なのだろうか。

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(資料:「2021年5月6日 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議 資料」)

 この調査を実施した西田社会健康医学研究センター長は会議で、「GW期間中、大多数の都民がステイホームに協力してくれた」と評価したという。また、変異株の影響を考慮し、実効再生産数や新規感染者数が、減少するのかを慎重に見極め、感染再拡大を予防していく必要があると指摘したという。

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(資料:「2021年5月6日 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議 資料」)

www.asahi.com

 数字を見て、少しほっとする。流れるニュースを見ては、ため息をついた。ニュース性があることを伝えるばかりが報道ではないだろう。こんなご時世だ、良識ある行動もまたニュースになってもいいのではなかろうか。ステイホームに協力する人たちも安堵できるというものだ。

「無理が通れば、道理が引っ込む」という。その逆もあるのだろう。道理に外れた行為、非常識な行為が自然となくなることにならないだろうか。

 

 

 

 このコロナ渦で飲食食が大きな影響を受けていると聞く一方で、営業時間の短縮要請にもこたえつつ、業績を伸ばす会社もある。回転寿司大手のスシローが中間決算で、売上高、純利益とも上半期としては過去最高を更新したという。

www.jiji.com

 JIJI.COMによれば、国内外での積極的な新規出店が奏功、持ち帰りの販売も好調だったという。顧客の支持を得た結果なのだろう。他力本願にならず、自助努力できたことが強みになったのだろうか。

 

 

 一方で、3月の基本給や残業代を合わせた現金給与総額(名目賃金)は前年同月比0.2%増の28万2164円だったという。見かけ上は13カ月ぶりの増加だが、新型コロナの影響でパート労働者数の割合が減少、給与総額の平均値を押し下げることになったという。

this.kiji.is

 正社員もパートの給与も減少、その上パート労働者数も減少。ただ平均値にすると、増加となったという。このコロナ渦を現す現象に思えてしまう。

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 色々な数字が報道される。数字は嘘をつかないが、その数字の使い方次第で事実はいかようにも作ることはできたりする。

 十人十色、考えや好み、性質などは人それぞれによって異なる。時々刻々と変化している毎日の中で、政治家も報道する人も含めて、国民の数だけ事実がある。それが統計的手法で数字化されれば、そこからまた事実が生まれる。それはあるときに個々人が抱いた事実とは異なっているのかもしれない。

 人は得てして、自分が気にかけることに注目し、それ以外を見落とすケースがあったりする。このコロナ渦、数字の見方に注意しなければならないのだろうし、恣意的に伝える報道機関の数字はなおさら注意が必要なのかもしれない。通信社と報道機関の違いも理解しておく必要があるかもしれない。

 

【コロナと不条理】インドの医療用酸素危機と大阪の病床使用率の恐ろしさ

 

 インドが医療用酸素が不足し、危機状況にあるという。現地在住の日本人女性が亡くなり、現地邦人の感染者も約160人となっているという。医療態勢は崩壊しつつあり、通常の医療を受けられない危険性が高まっているという。政府は邦人に対して一時帰国の検討を求めたそうだ。

www.bbc.com

 NHKによれば、インド政府が4日、新たに35万7229人の感染者数を発表し、新たに3449人が亡くなったことを確認したという。「他山の石」にすべきなのだろうか。

 

 

 大阪で重症患者用の病床使用率が99.7%になったそうだ。数字の多寡はあるかもしれないが、医療崩壊ということであれば、インドと大きな違いはないように思える。

 その一方で、自粛続きで「我慢できない」がいるという。「連休後半、観光地に人出も」と共同通信が報じる。

this.kiji.is

 外出する人たちは「人出の多さに驚く」と取材に応える。そんな報道ばかりを目にする。人それぞれであろうが、何故か不思議に同じような行動になる。その背後には「不信感」みたいなものが渦巻いているのだろうか。

 インドでの悲惨な状況も所詮対岸の火事なのかもしれない。日本は大丈夫と思っているのだろうか。少しばかり矛盾も感じるが、根拠なき自信の表れなのだろう。

 感染者の累計は60万人を超え、1万人もの人々が亡くなっている。事実としての数字も所詮他人事ということなのだろう。

 

 

 石川県能登町に「巨大なイカのモニュメント」が登場したという。能登町はモニュメント建設に、新型コロナウイルス感染症対策の国の地方創生臨時交付金8億円のうち2500万円をつぎ込んだそうだ。

 BBCによれば、一部から批判の声が上がり、ある地元住民は「長い目では誘客効果があるかもしれないが、医療従事者や介護施設などコロナ禍で差し迫った支援が必要なところに手厚く使う道もあったのでは」と語ったという。

www.bbc.com

 コロナが地域が広がっていないからといって、こんなとき、こんなことをする必要はあるのだろうか。

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 コロナパンデミックの収束を願わない人はいないだろう。それなのに、ちぐはぐなことばかりが目に付く。優先度合いの違いなのだろうか。

 医療崩壊を危惧する人がいる。街に人が増えても、医療従事者たちは日々増える患者と向き合い、黙々と治療を続けている。何か不条理のようなものを強く感じる。

 感染が全国に広がり始めているようだ。1波、2波、3波の繰り返すたびに山が大きくなる。4波は緊急事態宣言の効果で山を抑えることはできるのだろうか。感染者数はどうしたら、抑えることができるのだろうか。今何かを批判したところで、何かが急に変わることはないのだろう。無駄なことに労力を費やすより、やるべきことをやるだけのことなのだろう。

 

【ファッションとESG投資】ファッションにおける「サスティナビリティ」とは何か

 

 ファッションとESG投資。大量消費、大量廃棄が問題になり、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)から遠いところにいるのがファッション業界なのだろうか。

 一方、ファーストリテイリング良品計画などグローバルに事業を展開する企業はESG投資に早くから対応し、評価される。

 良いことはひけらかさず美しく、あえて言わず、控えめの方がよい、「隠すことが美徳」、それがこれまでの日本の企業文化だったのだろうか。

 ファッション業界はそうした古い習慣を残しているのだろうか。

 

 

「良いことで儲けている」ことを開示する文化がないと指摘するのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経営企画部副部長の吉高まり氏、WWD Japanが氏にインタビューし、ESG投資からみたファッション業界の可能性と課題を深掘りする。

www.wwdjapan.com

「アパレル業界に対する投資家の目線は厳しくなっています。それは、自然資源の使い捨てのビジネスモデルだからです」と吉高氏はいう。

欧州地域では、これまで大きな自然災害がなかったので、甚大化した自然災害が起こることに対して、危機を感じるようになりました。これは、聖書にある「ノアの箱舟」を連想するからなのかもしれません。(出所:WWD Japan)

 2003年に欧州を襲った熱波がその背景にあったりするのだろうか。1540年以来の記録的な暑さとなり、特にフランスで被害が大きかったという。南ヨーロッパの一部地域では干ばつの影響もあり農作物不足となり、この熱波による死者は7万人を超えるという推定もあるという。これだけの被害にあえば、「ノアの箱舟」を連想することもわかるような気もする。

 

 

 その欧州では、サーキュラーエコノミーへの関心が高く、H&Mアディダスなどは積極的に情報発信する。 

ESG投資家の視点から、ファッションやコスメの存在意義を、ESG投資と関連させてストーリーを考える必要があると思います。そして、大事なのは、それをきちんと発信すること。ファッションやビューティの価値を、経済市場の中でしっかり認識させることが必要です。 (出所:WWD Japan)

dsupplying.hatenablog.com

 国内のファッション業界の中にあって、ファーストリテイリング無印良品を除くと、サスティナビリティを積極的に発信する企業はどこかというとすぐに思い浮かばない。

 そんな状況があるだろうからか、環境省が「サステナブル・ファッション」を推奨し、情報発信する。そればかりか、ファッション業界と意見交換までする。4月21日にも、そうした会がオンラインで開催されたという。

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(画像:環境省

 そのファッション業界が企業連合を設立、環境省も協力し、循環利用による衣服の廃棄ゼロや、2050年までのCO2排出ゼロを目指す取り組みを進めるという。JIJI.COMによれば、夏頃にも「ファッションと環境に関する企業コンソーシアム(仮称)」を設立、再使用やリサイクルを進めるため共同で古着を回収する仕組みをつくるそうだ。この他にも、衣服の生産、販売の過程で出されるCO2を「見える化」する統一的な手法を検討し、国への政策提言も行うという。

newspicks.com

 ユナイテッドアローズのDirectorがこの記事について、NEWSPICKSでコメントを寄せる。

個人的には環境に負荷のかかる事は見直しを必ず図られるべきだと思う一方(特に供給過多) 捨てられない為の付加価値も同時に考えるべきだと思う。
また、労働市場の改善も課題としてあると思っていて、消費者が喜ぶ安くて良いものを作る裏側で行われてる事にもしっかり目を向けるべきだと思っている。 (出所:NEWSPICKS)

 その通りなのだろう。そう思うのであれば、情報発信をしっかりやるべきではなかろうか。マーケティング、広報・広告戦略が今まで通りでいいのだろうか。

 

 

「WWDJAPAN」の編集統括兼サステナビリティ・ディレクターに就任した向 千鶴氏は、「ファッションやビューティのビジネスが人に夢や生きる力を伝え続けられるのか、その逆か。私たちが地球を救うヒーローの一人になるのか、その逆か。時間はもう本当にわずかしかない」と言い、サステナビリティとは、「ファッションとビューティのビジネスが提供する“豊かさ”の根幹となるもの」だと主張する。

www.wwdjapan.com

付加価値やガイドラインましてやルールではなく、ビジネスの根幹であり大前提と考える。

豊かさ」を他の言葉に置き換えると、美しさ、自由、個性、ウェルネス、楽しい暮らし、受け継ぐ伝統、夢を叶えるなど事業の数だけ見つかる

その全ての根底にこれからは「サステナビリティ」の考えがあってほしいし、あるべきだと考える。 (出所:WWD Japan)


 気づきは大切だ。何事も遅いということはないのだろう。ただ先行く人たちがいる。遅れがあるなら早急に挽回すべきなのだろう。

 これまで育んできた企業文化を変えることへの挑戦が始まるということでもあるような気がする。

 

  

【見え始めるポストコロナ】ANAの業績は今期黒字に転換するか

 

 ANAがコロナ禍を乗り越え、今期黒字転換の見通しと発表したという。市場予想の936億円の赤字(ブルームバーグ)に対し、280億円の営業利益の黒字を見込むという。

 ブルームバーグによれば、航空需要の回復を見込み、航空事業が前期比でほぼ倍となる1兆2040億円に回復する前提となっているという。

www.bloomberg.co.jp

「最悪の状況を乗り切ったという風には思っていない」と、片野坂社長は会見で語ったという。

社員に対しても、まだコロナ禍のトンネルは抜けておらず「一段と高い危機感を持とう」と呼びかけている。 (出所:ブルームバーグ

 足元ではキャッシュの流出が続くが、緊急事態宣言が予定通りに解除されれば需要が回復して7月ごろにプラスに転換することを見込んでいるそうだ。明るい兆しと見ていいのだろうか。

 

 

 一方、旅行代理店大手のJTB日本政策投資銀行に資本支援を要請する方向で検討していると、共同通信が報じた。旅行需要の激減で悪化した財務基盤を厚くするためだという。

www.bloomberg.co.jp

 ANAとは逆の判断ということであろうか。まだコロナが長引くとの読みがあるのだろうか。

  

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 英HSBCやノルデア銀が「行員(バンカー)が出張する時代は終わりへ」と予想しているという。

 ブルームバーグによれば、HSBCホールディングスCFOが、出張予算を以前より半減する考えを表明し、動画技術に依存度を高めるとともに出張に行く回数を減らし、実際に行く場合は期間が長めになると述べたという。

www.bloomberg.co.jp

 HSBCホールディングスは柔軟な勤務体制に移行し、長く続いてきた業務慣行が変化させているという。長期的にオフィススペースを40%縮小する方針を既に表明し、年内にその目標の半分を達成する見込みだとブルームバーグが伝える。

 国内企業はどうなのだろうか。ANAが見込む、旅行需要回復の見込みに影響があったりすのだろうか。

 

 

 グーグルも在宅勤務が続き、従業員の出張が減少しているという。ブルームバーグによれば、出張・接待費用の削減は3億7100万ドルにも及ぶという。巨大企業とはいえ、その額の多さに驚く。こうした出張・接待費用が減少しても業績に影響することが無く、逆に改善しているといえば、削減できた費用をすぐさまに復活させることはあるのだろうか。

www.bloomberg.co.jp

 前に勤めていた会社は新機種の立ち上げになると民族移動するかの如く、大勢の技術者が海外拠点に出張していた。現地スタッフがいるのに何とムダなことかと感じたりしていたが、このコロナ渦がそうしたムダがあることを教えてくれたのかもしれない。

 都市封鎖ロックダウンや制限措置を1年も続けてきたニューヨーク。 ロイターによれば、7月1日からの経済活動を「全面再開」する計画だという。 

トンネルの終わりにようやく明かりが見えてきた

jp.reuters.com

 ポストコロナの形がおぼろげに見え始めてきているのだろうか。コロナ渦の出口も近づいているのかもしれない。

 苦しい状況が続けば、不平不満も募る。長く続く忍耐は辛いものだ。終わりがないと勘違いすれば、よくないとは知りつつも反発する。今そんな負の連鎖が起きていないだろうか。無駄にエネルギーを悪い方向に浪費していないだろうか。悪循環の渦中にあると、気づきも少なくなる。もしかしたらANAの黒字見込みは正しい判断なのかもしれない。現実化できるだろうか。

 

「参考文書」

www.anahd.co.jp

【デジタル化】日本は最悪なのか、それともまだ成長の余地があるのだろうか

 

 ベイン・キャピタル、ここ最近またその名を聞くようになった。日立金属に対してTOB公開買い付けを実施し、成長が期待されるEV市場を中心に更に競争力を高め、グローバルで Only 1を実現するための経営サポートを行っていくという。

 その1週間ほど前には、東芝の非公開化を目的にした買収案を検討していると、ロイターが報じた。

jp.reuters.com

 ベイン・キャピタル、米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置く、世界的なプライベート・エクイティ(未公開株)・ファンドだという。

www.baincapital.co.jp

 そのベインが、日本に特化した1100億円のファンドを設立したという。ブルームバーグによれば、ファンドは4月初めに設立され、中堅・中小企業への投資に特化するそうだ。

新型コロナウイルスの影響による不確実性は拭えないものの、日本が投資先として並外れて魅力的だという考えに変わりはない

と、ベインの日本担当マネージング・ディレクターのデイビッド・グロスロー氏がブルームバーグの取材でそう話したという。

www.bloomberg.co.jp

「意外」と言っていいのか、それとも「そうだよね」と言ったらいいのか。

 国内ニュースを見ていれば、そんなに魅力的にみえるとは考えにくくなるが、悪過ぎるから、成長余地、その伸びしろが大きいと読むのだろうか。

 

 

 一方、世界的な経営コンサルタント マッキンゼー アンド カンパニーは「2030年に向けた日本のデジタル改革」を提言する。

 「日本はデジタル面の競争力が比較的低く、意外なことに日本経済の強さとは対照的である」と指摘する。

2020年時点ではデジタルの競争力が世界27位、デジタル人材の充実度が同22位となっており、電子商取引、モバイルバンキング、デジタル行政サービスといった分野の普及率は一桁台に留まっている(図表1)。

世界に500社以上存在するユニコーン企業 (設立10年以内で企業価値10億ドル以上の企業) のうち、日本企業はわずか5社に過ぎず、日本の総体的な国力からするとあまりに少ない。 (出所:マッキンゼー アンド カンパニー)

www.mckinsey.com

 数字を並べて説明されれば、納得するしかない。はっきり言ってくれれば、「最悪」ということであろうか。

 デジタル行政アプリの使用率が7.5%で、首位のエストニアは99%という。IMDのスマートシティランキングでは、1位がシンガポールで、東京は79位に沈む。

 過去の政府成長戦略がSociety5.0と叫んだいたことも理には適っていたのかもしれないが、それにしてはお粗末な結果なのだろう。

 

  

マッキンゼーはこんな分析をする。

デジタル化の道の行く手にはこの国が自ら作り出した制約が複数立ちはだかっている

リスクを避けようとする先例重視の文化、短期的な生産性改善よりも長期的な継続を重視する経営陣、一部業界における国際競争の欠如、政府の支援待ちでデジタル化を進めない民間企業と、民間企業の施策推進を待ち続ける政府との間に生まれる行き詰まり状態

そして何より、国家政策を推進するソフトウエアアプリケーションの開発に不可欠なソフトウエア関連エンジニアの圧倒的不足といった課題である。 (出所:マッキンゼー アンド カンパニー)

 何年も続けた成長戦略であっても一向に改善されなかったのだから、あながち間違った分析ではないのだろう。 

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 国の成長戦略が変わった。カーボンニュートラルが目標となり、より「グリーン」が重視されるようになった。かといって、デジタルが等閑になったわけではないのだろう。

「グリーン」、気候変動の方が企業ももっと「自分事」と考えられるようになるのかもしれない。自然災害で工場が被災するケースが増えるようになれば、否応なしに意識せざるを得ない。まして、ESG投資の圧力もある。

 

 

 それに乗じてということではなかろうが、日立が、企業の脱炭素経営を支援する環境情報管理「EcoAssist-Enterprise」の「CO2算定支援サービス」を提供開始したという。

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(画像:日立製作所

 日立製作所によれば、ESG投資の指標として活用されるCDP回答やSBT認証取得など、非財務情報の開示を支援するシステムで、コンサルティングと一体となった温室効果ガス排出量の算定支援サービスを通じて効率化を実現するという。

www.hitachi.co.jp

 

 デジタル化、DXデジタルトランスフォーメーションにどのように取り組んでいいのかわからないとよく耳にする。

 これを機に、「脱炭素」を切り口にして取り組むのいいのかもしれない。

 目的意識を忘れずに、使えるクラウドツールなどを駆使して嫌になるくらい現状分析をすれば、課題も見え、戦略がおぼろげに形をみせ始めるかもしれない。目標を明確に設定し取り組み始めれば、それがDXデジタルトランスフォーメーションの始まりになりそうだ。

 目の前のハードルを高くしてしまえば、最初から気は萎えるものだ。まずは「脱炭素」を目標にデジタルツールを使って現状分析から始めてもよさそうだ。哲学の世界でも「汝自身を知れ」という。自分自身が分かれば、こうあるべきという未来を見定めるバックキャストの視点も取り入れることができるかもしれない。

 自分自身を知るということは最悪の自分に出会うことなのかもしれない。しかし、それが最悪であれば、もう悪化する余地はなく、成長する余地しか残されていないはずだ。

 

【自粛の中のサスティナビリティ】ユニクロ、ファーストリテイリングのDXとは

 

 三度、緊急事態宣言が発出された。また自粛が求められる。

 このコロナ渦にあっても、ファーストリテイリングの業績が好調だという。柳井社長が4月8日の業績発表の会見では、「正しさ」を強調したという。

 このコロナ渦を乗り切るヒントでもありはしないだろうかと、日本経済新聞の記事を読んでみる。

www.nikkei.com

 会見では業界の常識に左右されることなく、「何が正しいか」を評価基準にして消費者、生活者のための服作りをし続けたことの自負が柳井氏の発言に滲(にじ)んでいた。(中略)

それは自信の表れでもあり、コロナ禍の社会環境の下では「正しさ」をより深掘りすべきだと認識しているからだろう。社会生活が大きく変容し、デジタル化がそれを加速させている中で「正しさ」を再認識するタイミングになっているのだ。 (出所:日本経済新聞

 的を射ているようで、何か釈然としない解説のように感じる。

 商売とは、顧客に十分なサービスをし、その対価をいただくということにすぎない。

 「サービス(service)」とは辞書を調べれば、(他者に対する)「奉仕」、「役に立つこと」、「有用」、「助け」、「尽力」、「骨折り」などの言葉が並ぶ。

 成長や利益は誘因であり結果であって、その結果は顧客への「サービス」の積み重ねでしか得ることはできない。

 

 

 柳井氏が唱える「正しさ」とは、顧客を第一に思い、有益なサービスを提供し続けるということなのかもしれない。

 結果としての今期の売上も営業利益も、そして、来期の業績予測も、そのサービスの結果にすぎない。サービスが、役に立つことだったから、顧客の購入動機につながっているのだろう。

 ファーストリテイリングは2017年に「有明プロジェクト」を発表し、これまでの製造小売業から「情報製造小売業」に変わると宣言、従業員の働き方から産業構造まで、全社的にあらゆる改革を進めるとした。

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(参考:「有明プロジェクト」とは ファーストリテイリング

「情報製造小売業」の究極の目的は、「無駄なものをつくらない、無駄なものを運ばない、無駄なものを売らない」にあるという。それは「お客さんの要望が全部商品になり、その商品がお客さんの期待以上のものになり、すぐ届くようにする」ことにつながる。

 そして、その実現のために、企画・計画・生産・物流・販売というサプライチェーンのすべてのプロセスを「有明プロジェクト」で変革していくという。

 その改革は実り、今日の結果に至る持続的な成長になったようだ。

 ファーストリテイリングが実行したことと言えば、今でいう「DXデジタルトランスフォーメーション」ということなのだろう。

 見事にビジネスモデルに作り替えたのかもしれない。

有明プロジェクト」、ファーストリテイリングだからこそ、3年間の時間をかけ成し遂げることが出来たのかもしれない。

 

 

 改めて4月8日の会見での柳井氏の発言をテキスト文で読んでみる。

「正しさ」というワードは、 このコロナ渦や社会の情勢を鑑みた社会に向けたメッセージではないかと感じる。正しいことをしていけば、かならず良い結果が生まれる。それは業績ばかりでなく、働き方であったり、地球環境であったり、それらすべてに共通することなのだろう。それが、真の「サスティナビリティ」ということでもあるのではなかろうか。

 山口宇部の小さな洋品店が世界一のアパレル企業になることができた。誰にでも出来るとメッセージしているように感じた。

 

「参考文書」

www.wwdjapan.com

business.nikkei.com

r.nikkei.com

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【CO2再利用とCCS】費用を投じるマスク氏と資金提供を求めるエクソンモービル

 

 NASA米航空宇宙局が、火星探査車「パーシビアランス」に搭載したMOXIE「火星酸素現地資源利用実験装置」で、大気中の二酸化炭素から酸素約5gを生成することに成功したと発表したという。

www.afpbb.com

 一方、国内では、トヨタ自動車グループの豊田中央研究所が、人工光合成の効率を世界最高水準まで高めることに成功したと発表した。

人工光合成」とは、太陽光のエネルギーを利用し、CO2と水のみから有用な物質を合成する。

 豊田中央研究所によれば、2011年の原理実証時には、太陽光変換効率が0.04%だったが、改良を重ねた結果、今回は7.2%まで向上させたという。「植物の光合成の効率を上回る」と共同通信は報じる。

www.tytlabs.co.jp

 目的は違うのかもしれないが、二酸化炭素を資源にした技術が実用化に向けて動き出す。

 

 

 米国では、 イーロン・マスク氏が、「アースデー(地球の日)」に合わせて、1億ドルの賞金を拠出してCO2(二酸化炭素)を回収する技術開発を競うコンテストのルールを明らかにしたという。

 ロイターによれば、4年間かけて参加団体が年間1000トンのCO2を大気中から回収する技術を競うという。

jp.reuters.com

現在、わたしたちは絶望的な状況にあるとは思っていない。ただ、このまま無関心でい続ければ、予測不能な気候変動を引き起こすリスクがある」とマスク氏が述べたという。

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  イーロン・マスク氏は2006年に、「秘密のマスタープラン」を公表した。そして、彼はその通りに実行し、ゼロエミのEVの世界を作り出している。

スポーツカーを作る 

その売上で手頃な価格のクルマを作る

さらにその売上でもっと手頃な価格のクルマを作る

上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する。

これは、ここだけの秘密です。 (出所:テスラホームページ)

dsupplying.hatenablog.com

 そして、今またイーロン・マスクがCO2の回収技術について言及した。 

これは、何が正しい解決策かを見極めるのに時間がかかる問題の1つだと思う」と述べ、「CO2除去のために最善の経済を見極めるのには特に時間がかかる」と説明した。 (出所:ロイター)

 CO2除去にも乗り出すことになるのだろうか。

 

 

 米石油大手エクソンモービルが4月19日、1,000億ドル規模のCO2貯蔵構想を提案したという。

 JETROによれば、ヒューストン地域の石油化学工場から排出される二酸化炭素(CO2)を回収し、メキシコ湾の海底に貯蔵するという。CO2回収量を2030年までに5,000万mt、2040年までに1億mtとする計画だそうだ。ただ、実現に向けては、企業や政府機関から1,000億ドル以上の資金支援が必要になるそうだ。

www.jetro.go.jp

 他人の褌で事業を進めようとしていないか。それで実現可能性はあるのだろうか。これが、CCS(CO2回収と貯留)のベストプラクティスになるのだろうか。

 マスク氏が火星移住計画を発案するのもわかるような気がする。その方がはるかに実現可能性が高いのかもしれない。スペースXのクルードラゴンの打ち上げが成功し、NASAが火星でCO2を資源にして酸素の生成に成功したと聞いて、そんなことを感じた。

 今回クルードラゴンの打ち上げは、有人では初めての機材再利用となったという。

www.bloomberg.co.jp

 マスク氏はスペースXの次世代宇宙船「スターシップ」のような大型ロケットが、「すぐに完全な再利用が可能になる」と考えるようになったのはつい最近だと指摘。その方法を考え出すのは一筋縄ではいかない問題で、人類を複数の惑星に住めるようにする鍵になると述べた。 (出所:ブルームバーグ

 もしかしたら、エクソンモービルの生みの親、ロックフェラーも墓場の片隅で嘆いているかもしれない。