Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

混迷深める世界、変わる中国に「もしトラ」、失政が続く日本

 中国の全人代で、成長率の目標を5%前後とすると李強首相が表明していました。また、AI 人工知能や宇宙など将来の競争力に不可欠な産業を育成すると語り、海外投資家の撤退を食い止めるため、製造業や一部サービス業への参入を自由化する方針を示したそうです。

中国、外資に製造業開放の方針 投資促進には実践必要との声も | ロイター

李氏は量子技術や生命科学といった分野を切り開き、戦略的産業発展目標を達成するための科学技術プログラムを立ち上げるほか、ビッグデータや商業宇宙飛行、AIへの取り組みを強化すると表明した。(出所:ロイター)

 

 

 経済の減速、反スパイ法の施行などによる失望より、再成長への期待が膨らめば、海外企業の逃避に歯止めがかかるのでしょうが、その兆しは見えないようです。それよりは、中国は中国なりの道を歩んでいくことになりそうです。

時価総額1000兆円消失すらかすむ、中国から届いた「最悪のニュース」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

国家安全省は最近、中国経済や市場の見通しに関して批判的な見解を広める者を見張っていると明らかにした。「虚偽の言説」によって「中国経済をおとしめる」言動をするな、という背筋の寒くなるような警告は、アダム・スミスに始まる近代経済理論とはかけ離れた毛沢東的な発想だ。そしてこれは、中国の影響力が高まるなかで非常に厄介な問題を引き起こしている。(出所:Forbes)

 資本市場においては、透明性が重要であるはずなのに、それに逆行するブラックボックス化する動きといいます。現実、著名なエコノミストやジャーナリストの論評が中国のネット空間から削除されているそうです。こうした行為は、リスクや不正行為に対するメディアの監視機能が働かなくなる危険性が高まり、資金流出を止め、反転させることにならないといいます。

 先進国の支持を得るよりも、体制固めが優先事項なのでしょうか。大きな政治的な混乱もなくそれが着実に進んでいきそうです。

 

 

 すでに複雑で予測不可能な時代といわれていますが、ますます混迷が深まっていきそうです。ウクライナでの終わらない紛争、人権が蹂躙され続け、関係国による調停もままならない中東ガザの危機。それだけでも手一杯のはずなのに、この先、東アジアも混沌していくことになるのでしょうか。

2050年の世界・大予測の著者、「日本の強みを過小評価するな」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 世が安定していれば、深く未来を考える必要がないのかもしれません。しかし、これだけ混沌としてくると、どんな未来が待っているのだろうと気になります。未来予測することが人生設計において不可避な重要なことにも思えます。これからやってくる現実が、個々の人生を大きく左右していくことになっていきそうです。

あなたの人生やあなたが知っている時代を私以上に予測してほしい。私が考える方法は、今ある世界を見て、「人口動態」「資源と環境」「貿易と金融」「テクノロジー」「政府と統治」の5つの構成要素をもって、それらについて判断を下すことだ。そして、その判断のいくつかは間違っているだろう。それでいいし、間違っていることはわかっている。でも、それをベースにして間違っていたら変えて、世界に当てはめていくことを繰り返す。(出所:Forbes)

 

 

 中国の経済失速で米国の優位性が増すとの見方が支配的のようですが、「もしトラ」が政治の不安定化を招くような何か悪作用を起こすことはないのでしょうか。善い悪いは別にして、見方によっては中国は政治的に安定していそうな気がします。

 他方、AIや半導体など先端テクノロジーについても米国が優位性を保っていそうですが、すでにグリーン技術関連では中国が強固なバリューチェーンを築き、それを打ち崩していくにはとてつもない労力と資金が必要になりそうで、この領域では中国が支配的な立場となることも否定できそうにもないようです。

 さて日本はこの先どうなっていくのでしょうか。失政続きで、少子高齢化に歯止めがかかる気配がありません。米国のように移民に対しオープンで、優秀な人材を引きつけるような魅力があれば、米国同様に先端テクノロジーを生み出す場所になれるのでしょうが、今の政治では天地がひっくり返らない限り、それも夢のまた夢でしかないでのしょう。失政を素直に認めることができれば、そこから新しさを生まれそうな気もしますが、それを実現できるよう環境は育つことはあるのでしょうか。

 政治の健全性と安定が求められていそうです。一強他弱は数における安定は実現するのかもしれませんが、不健全性を生み、偏った政策が安定性を喪失させ、将来不安を助長させているようい思えてなりません。そうしたものがリセットされ、持続的で安定的な経済成長が実現するのなら、社会保障費も安定化し、また社会的な弱者やケアにも必要なおカネが回っていくことになりそうな気がします。政治改革が待たれているようです。

 

「参考文書」

中国成長率目標は5%前後で据え置き、経済モデル転換確約 全人代開幕 | ロイター

中国、量子技術・AI開発強化へ 技術自給達成目指す | ロイター

米国の新たな措置、苦境の中国経済に追い打ち | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

株価急落、デフレ懸念、失速する中国経済、日本への影響、なすべきこと

 米国ばかりの強さが際立っているようです。中国経済が翳り、世界一の経済大国の座を巡る争いで、米国は中国をさらに引き離しているといいます。米国による締め付けが功を奏したのでしょうか。

米国、世界一の経済大国の座は盤石-中国に対しGDPリード拡大 - Bloomberg

 中国のGDP国内総生産が米国に追いつき、追い越すという見方が薄れつつあるようです。また、世界全体の時価総額上位500社のうち米国企業が236社を占め、中国企業は35社どまりで3年前に比べ6割減少しているといいます。

 

 

 株価が急落し、中国経済はデフレ圧力にさらされ続けている状態といいます。輸出は低迷し、需要不足も深刻のようです。当局もあれやこれや手を打っているようですが、センチメントを完全に改善するには至っていないようです。

時価総額885兆円失った中国株、習指導部にとって問題の深刻さ露呈 - Bloomberg

中国当局者は昨年1年間、インフラや不動産を重視する成長モデルから内需主導型成長モデルに移行する方針を示し続けてきた。しかし、実際には不動産を離れた金融資源が向かった先は、家計ではなく製造業だった。その結果、過剰生産能力への懸念が高まり、工場出荷段階のデフレを深化させた。(出所:ロイター)

 様々な専門家たちが、中国経済を分析し、この先を予測しているますが、なかなか好材料を見いだせていないようです。それに加え、欧米諸国は自国経済を再工業化しようとし、中国製品に対し規制を強化しています。米国は貿易関税を課し、高性能半導体の輸出を停止して技術的・軍事的進歩を遅らせようとしています。EUはグリーン転換に必要な素材や製品の中国への依存度を下げようとしているそうです。

アングル:中国の過剰生産、欧米との貿易紛争刺激 国内改革も進まず | ロイター

 こうした中国経済の失速が、日本にとってどんな影響となるかか気がかりです。実際に中国に大きく依存する企業の業績には悪影響も出ているようです。しかし、こうした状況は低迷する日本経済にとってはチャンスになるような気もします。

 

 

 多くの専門家が日本経済についても分析し、その処方箋を提言しています。その内容は大方同じようなものが多く、また政府施策の問題点を指摘し、こうあるべきと意見しています。

中国とバフェットが高笑いし、労働者があえぐ国ニッポン | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

安倍、そして岸田の大きな過ちは、日本が海上自衛隊海上保安庁の艦船を増やし、防衛費を積み増せば、中国の習近平国家主席をけん制できると考えたことだ。だが、今日のアジアでは、国内総生産GDP)を大きく成長させることのほうがはるかに重要だ。(出所:Forbes)

 記事内容を借りるまでもなく、やるべきことは明確になっているにもかかわらず、国が怠惰であるがために、停滞のまま抜け出ることができないだけのように思われます。

「日本は中国との経済的なパワーバランスを改善し、それによって中国はできることを制約され、以前のような「平和的台頭」に近い姿勢に戻る可能性も高まるかもしれない」と、『The Contest for Japan's Economic Future』の著者カッツ氏は主張し、「日本はこれまで、経済的な苦難のためにアジアでの影響力を低下させ、その結果、中国に対するカウンターウエイトとしての役割も低下させている」とも指摘しているそうです。

 

 

 現在の中国の状況からして、好機が到来しているように思えてなりません。しかし、相変わらず政府の動きは鈍重のままです。「不祥事続きの政権は本来やるべき大胆な経済改革に踏み込まず、日本経済はリセッション(景気後退)入りする可能性が高まっている」といいます。政治を変えなければならないようです。

 

「参考文書」

アメリカ時価総額、世界5割へ 中国停滞で20年ぶりマネー集中 - 日本経済新聞

中国株式市場でパニック売り-主要株価指数、急落後に下げ幅縮小 - Bloomberg

中国の消費者物価、2009年以来の大幅下落-デフレ圧力拭えず - Bloomberg

「中国経済」依然として見通し暗く 輸出微増も根強いデフレ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)



総統選を終えた台湾、未来の選択、民主主義の意義

 台湾で総統選が行われ、与党 民進党の頼清徳副総統が当選しました。蔡英文総統の路線が継承し、米国や日本との連携を重視、中国に対しては厳しく対峙していくことになりそうだといいます。

【解説】 中国が嫌う台湾の次期総統、頼清徳氏はどう進むのか - BBCニュース

 接戦と予想されていた事前の世論調査と異なり、民進党が予想を上回る大差で勝利したといいます。投票率は71%超。民主主義とはこうあるべきなのかもしれません。それに対して、台湾が頼りにする日本や米国の方が民主主義が劣化していそうです。

 

 

 「台湾はすでに独立した主権国家なのだから、独立を宣言する必要はない。その名前は中華民国、つまり台湾だ」、蔡総統路線の継承し、頼氏は選挙期間中に繰り返しそう述べたといいます。

 一方、国民党は、中国が台湾を攻撃するのではないかという、人々が現実に抱いている恐怖心をあおる選挙活動を展開していたそうです。

 台湾の有権者は中国による危険を認識しているし、中国との対話も望んでいる。しかし、若い有権者は、自分は中国人というよりも台湾人だと自認するようになり、そういう人々は国民党を支持しなかったそうです。

 もし国民党が勝利したなら、中国は台湾への軍事的な威圧をやわらげていた可能性もあるといいます。ただそれは台湾が脆弱なることを意味し、武器などを提供してきたアメリカをはじめとする同盟諸国が台湾政策を見直すことになる可能性もあったとされます。

 この選挙結果に、当然中国は不満を顕し、台湾海峡の緊張がますます高まる可能性が否定できそうになくなっているようです。

 

 

 自分たちの未来を選択できることは民主主義で素晴らしさなのでしょう。ただ台湾人による選択が地政学リスクとなって様々な問題を引き起こし、その解決の難しさを感じます。

 日本においても、こうしたことが論点となって、正々堂々議論されるべきではないでしょうか。国会を牛耳るために手段を選ばない政党が、ただひたすら米国にすり寄ったり、陰でこそこそ防衛費の増額を決めたりするのはもうやめるべきなのでしょう。

 さて、その自民党の改革は進むのでしょうか。安倍派の裏金問題が矮小化され、政治改革が蔑ろにされていく危惧があるようにも感じます。頼りない野党が対抗馬になって奮闘しなければ、この国の民主主義は機能せず、このまま悪い流れが止まることがないのかもしれません。

米国大統領選

 共和党の予備選がアイオワ州で始まり、いよいよ米国で大統領選びのプロセスが始まりました。

「バイデンに勝てる候補」 ヘイリー氏、トランプ氏猛追―米大統領選:時事ドットコム

 独走状態にあるといわれるトランプ氏が、自分さえばよければよいとの論理で、根拠のない主張をしたりして対抗馬を攻撃しているようです。

 米国も日本も似たり寄ったりと感じます。攻撃される側がその無理な主張を跳ね返さなければならなくなっています。こんなことでは自分たちの未来を選択できるのが難しくなっていくばかりです。政治改革が求められています。

 米国民は11月、どんな選択をすることになるのでしょうか。誰が選ばれても、翻弄されることになることは間違いなそうですが。

 

「参考文書」

台湾総統選、与党・頼氏が当選 対中強硬路線継続へ―史上初の「3期連続政権」:時事ドットコム

 

翳りをみせるテスラの業績、EV華やぐ活況のジャパン・モビリティショー

 米テスラの業績が2四半期ぶりに減益になったそうです。金利が上昇する中、需要を押し上げるために実施した値下げが響き、採算が悪化したといいます。

テスラ7─9月予想届かず、金利上昇を懸念 メキシコ工場に慎重姿勢 | ロイター

販売の拡大ペースも鈍化しているそうです。収益改善に向け、ピックアップトラック「サイバートラック」など新型モデルの投入を急ぐ必要がありそうだといいます。

 イーロン・マスクCEOは、高金利が自動車購入者に与える影響を懸念、メキシコ工場建設計画に慎重な姿勢を示しているそうです。また「サイバートラック」の量産とキャッシュフロー黒字化の達成は「大きな挑戦」だとも述べたいいます。

 様々な努力でEVを拡大させてきたマスク氏がこの困難な課題を乗り越え、勢いを取り戻すことはあるのでしょうか。

 

 

 T型フォード、自動車が今日のような当たり前になるきっかけを作ったフォードのクルマです。この自動車はコンベア方式により生産されました。また単一モデルを永遠と作り続けたことによって普及が進んだといもいわれます。

 EVを普及させるテスラが当時のフォードとだぶります。斬新なアイデアとラインアップを絞ることで、テスラもまた「EVシフト」を牽引しています。

 この変化の激しい時代、環境の変化に合わせさらにアップデートし続けることが、当時のT型フォードとは異なるということでしょうか。進化できなければ、テスラもいずれ陳腐となり、次のプレーヤーに道を譲り、その新たなアイデアによって次なる成長の道を進むことになるのかもしれません。

ギガキャスト

 部品点数が少なく参入が容易とされてきたEVですが、今では、EVを動かすための電池には大量の希少金属が必要で利益が出しにくいともいわれるようになってきています。

「ギガキャスト」、一体成型によって車の部品を大幅に減らす生産技術で、EVを普及させるためのテスラの挑戦のひとつだったといっていいのでしょう。こうしたテスラの努力の積み重ねが、収益力で他社を先行することになっていたようです。

テスラ「おもちゃの車」技術、トヨタ採用で脚光-日本で根付くか - Bloomberg

 トヨタ自動車をはじめ世界のEVメーカもこの「ギガキャスト」を導入する動きが広がっているといいます。先行していたテスラに、既存の自動車メーカがだいぶ近づいてきたといっていいのでしょうか。

 

 

 かつての自動車は米国で花開き、日本の生産技術、生産管理と結びついてさらに大きく飛躍することになりました。「EVシフト」もまた同様なことが再現されることはあるのでしょうか。

スポーツカーの大復活でワクワクするジャパン・モビリティショー | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

「ジャパン・モビリティショー」、東京モーターショー が名を変え、4年ぶりに開催されたといいます。様々な種類のEVなど新しいモビリティが展示され、活況のようです。

「EVシフト」における日本の逆襲はあるのでしょうか。

 

「参考文書」

テスラの7〜9月、44%減益 積極値下げも販売の伸び鈍化 - 日本経済新聞

トヨタ、車体を一体成型 26年投入の次世代EVで | 共同通信

リョービ、ギガキャストの製造装置をUBEに発注 - 日本経済新聞

テスラ・トヨタが採用表明「ギガキャスト」、リョービが試作の受託へ50億円で新工場|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

日本のEV、巻き返しへ 大手メーカー、開発加速に本腰―電池など技術革新カギ:時事ドットコム

 

活気づく半導体、新規事業なのか、異業種からの参入

 ソニー・ホンダモビリティが都内で特別イベントを開催し、「AFEELA Prototype」を公開しました。10月28日から始まる「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」では、日本で初めての一般公開となるといいます。

共創する愛着 ソニーホンダ「アフィーラ」が変える自動運転時代のクルマづくり - Impress Watch

 特別イベントには川西社長が登壇し、「AFEELA共創プログラム:仮称」の構想を発表し、モビリティ開発環境のオープン化について語ったそうです。

 

 

 走るスマホのような「AFEELA」も他のEV同様、様々なECU 電子制御ユニットが搭載され、半導体が多く使われます。 今の半導体のスペックでは、いくつかの半導体を使っていくことになるそうですが、今後の半導体の進化次第ではひとつにまとめられる可能性もあるそうです。3nmプロセスのような最先端半導体は無理としても、最適化が見込める領域については、自分たちで半導体を作ってもいくかもしれないと、川西社長が語っています。

 半導体を自製化することで、ものづくりの肝であるQCD(品質、コスト、デリバリー)が容易にコントロール可能になるということでしょうか。

(写真:ソニー・ホンダモビリティ

異業種が半導体製造へ

半導体立国」の再興を目指す日本政府は、国産化を進めようとしています。そんな中、新規事業としてなのでしょうか、畑違い、異業種から新たに参入する企業もあります。

 SBIホールディングスが、台湾のファウンドリー(受託製造会社)力晶積成電子製造(PSMC)と準備会社を設立、日本で車載向けなどの半導体を製造する新たな拠点を立ち上げていくといいます。工場建設を含めた投資額は8000億円規模となるようで、三重県を含めた5カ所程度に候補地を絞っているといいます。

訂正 SBIと台湾力晶、日本の工場候補5カ所程度に 近く決定=関係者 | ロイター

パワーチップは車載向け半導体の需要を取り込むため、まずは線幅45─55ナノ(ナノは10億分の1)メートルのレガシー半導体を手掛け、中期的には28ナノメートル以下の量産を目指す。(出所:ロイター)

半導体国産化

 このプロジェクトが生まれた背景には、過去の教訓があるといいます。半導体業界は頻繁に設備投資できなければ国際競争に負けてしまう、2012年に経営破綻したエルピーダメモリは、技術はトップクラスでしたが、金融面で弱かったと、SBIHDの北尾会長兼社長と語ります。

SBI北尾氏「エルピーダの教訓生かす」 台湾PSMCと日本に投資:日経ビジネス電子版

米国のグローバルファウンドリーズは、アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントが力を入れて育て、世界的なファウンドリーになりました。シリコンサイクル(半導体業界における好不況の波)の影響で厳しい状況に直面しても、ファンドが助けたのです。(出所:日経ビジネス

 SBIHDは「金融を核に金融を超える」との方針を掲げているといいます。それが故の半導体への投資なのでしょうか。

 

 

 三菱商事半導体製造事業への参入を検討しているそうです。富士通が売却に動く上場子会社・新光電気工業への応札も視野に入れているといいます。

EXCLUSIVE-三菱商事が半導体製造への参入検討、新光電気応札も視野=関係筋 | ロイター

 三菱商事は、半導体を最終的に完成させる「後工程」に参入することを検討しているそうです。新光電気は後工程が主力で、インテルAMDアドバンスト・マイクロ・デバイセズ)など世界の半導体大手を主要顧客としているといいます。

 回路の微細化が極限まで進んだ、ウエハー表面に電子回路を形成する前工程に比べ、ウエハーからチップを切り出して封入、検査して完成させる後工程は、まだ進歩の余地が大きく、競争力強化に向けて半導体各社が技術開発に注力しているといいます。

経済安全保障、半導体の反グローバル化

 TSMCの創業者 張忠謀氏が「半導体産業においては、すでにグローバル化から遠ざかり、自由貿易もなくなった」との見方を示したそうです。

TSMC創業者、「今後の挑戦は厳しい」 - NNA ASIA・台湾・IT

 また、TSMCにとって今後数年間の挑戦が過去と比べて厳しいものとなるとの考えを明らかにしたともいいます。

 経済安全保障の名の元、資金力が企業が半導体にチャレンジする機会はあるのかもしれません。世界的な企業に育成していくことが求められることになりそうです。

 

「参考文書」

業界の常識を覆すものづくり。半導体メーカーロームの新生産ライン「フレキシブルライン」|ローム株式会社のストーリー|PR TIMES STORY

ソニー・ホンダモビリティ、AFEELAのECU上で動くOSは親会社と一緒に開発 | 日経クロステック(xTECH)

 

低迷するIT企業の時価総額、活路は生成AIによる業務の6割削減

 日本のIT企業の代表格であるサイバーエージェントの株式時価総額が低迷しているそうです。2021年に1兆円を超えていた時価総額が、足元で4000億円を下回り、17年以来の低い水準にあるといいます。

サイバーエージェント、「ウマ娘」失速で本命不在 広告も採算悪化 - 日本経済新聞

ウマ娘」の失速が主な理由のようです。このゲームでの課金収入の一巡に加え、主力事業の課題が手つかずで悲観的な見方が広がっているといいます。

 

 

 そのサイバーエージェントが生成AIを社内業務に全面的に導入するそうです。

サイバーエージェント、生成AIで業務6割減 開発・採用に - 日本経済新聞

 生成AI活用推進組織「AIオペレーション室」を新設、2026年までに映像や書類の作成といった既存業務を6割減らし、生成AI活用で空いた時間を新サービスの企画や開発など付加価値の高い業務に充てるようしていくといいます。

 生成AIの積極活用は時流に乗り良さそうに見えますが、IT企業の代表格としては出遅れたといってもいいのではないでしょうか。

 AIに積極的に関与、推進しようとする政府も同じなのかもしれません。その動きとは裏腹に、霞が関ではいまだに「アナログ事務」が主流のようです。

霞が関「アナログ事務」削減へ基本方針 電卓再計算など - 日本経済新聞

政府は各省庁のシステムを共通のクラウドへ移行するのにあわせ、デジタル化で必要性が薄れた事務作業を削減する。自動計算した内容の再確認やデータの手入力などを廃止して業務効率を高める。公務員の働き方改革につなげる。(出所:日本経済新聞

 官僚たちの仕事は未だにこのレベルなのでしょうか。政府の掛け声との違いに愕然とします。

 

 

 官庁の非効率性はそればかりではないようです。巨額の基金運営が企業に委ねられているといいます。政治判断による「規模ありき」の財政運営により、公的機関で対応しきれず、企業に頼らざるを得ない状況になっているといいます。

「みんなさっさと逃げていく」民間に実務を丸投げ、巨額基金の実態:朝日新聞デジタル

巨額基金の執行を求められる中央省庁の現場は、どうやって実行に移すのかに苦慮している。「予算獲得まではいいが、いざ誰が執行するかを決める段階になると、みんなさっと逃げ去っていく」(出所:朝日新聞

 ムダの塊のように見てしまいます。これでは税金が有効活用されて、新たな価値を生み出しているとは言い難いのではないでしょうか。

  マイナンバーカード問題しかり、政府は一体何がしたいのでしょうか。AIが普通に主流になっていく中で、根本的な改革が求められていそうです。もう税金のムダつがいは看過できるものではありません。いつまでも旧態依然のままで能力のない人にはお引き取り願たいものです。政治のリーダーにもセンスの優れた人たちが求められていそうです。

 

【出遅れる日本企業】3Dプリンターなど先端技術活用でも先じるアップル、テスラ

 日本の製造業の昨今のトレンドは、デジタルツインにロボット、AI活用などに注力、もっぱら生産性向上なのでしょうか。一方、米国の製造業は少し違った路線を歩んでいるようです。

 米アップルは、アップルウォッチの一部のモデルでステンレス製ケースを3Dプリンターで製造するテストを行っているといいます。

アップルが製造に「3Dプリンター」導入か、まず新型Apple Watchから | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

3Dプリンターを用いることで、生産ラインを合理化し、製造にかかる時間を短縮すると同時に、より少ない材料で製造が可能になるという。この新しい技術はバインダージェット方式と呼ばれるもので、粉末状の物質を3Dプリンターで噴射して、ケースサイズに近いものを作り上げ、その後、焼結と呼ばれるプロセスで仕上げを行うそうです。(出所:Forbes)

 かつては日本が得意にしていたような技術開発を米国が一歩先んじるようになった感じます。

 

 

進化するテスラのギガキャスト

 米テスラはトヨタに先んじて、ギガキャストの適用をはじめ、さらに部品約400点で構成されるプラットフォーム(車台)をほぼ全て一体成型する革新的な技術の実用化に近づいているといいます。これが実用化できれば、テスラは競合他社とのリードをさらに広げることになるといいます。

焦点:米テスラ「ギガキャスト」高度化へ、静かに進む技術革新 | ロイター

 テスラまた3Dプリンターのバインダージェット方式を活用し、このギガキャストで試作鋳型を作ろうとしているといいます。

砂を使った鋳造による設計検証にかかるコストは、仮に調整を何度も繰り返したとしても、金属のダイカスト金型で試作した場合のわずか3%だという。設計検証サイクルは金型試作モデルでは6カ月から1年かかるが、砂を使うと2-3カ月だと、関係者2人は明かす。(出所:ロイター)

 日本での3Dプリンターを使用した生産技術はどこまで進化し、実際に量産への適用計画があるのかが気になります。

 

 

EV充電器規格争い

 EV充電器においてテスラがデファクトを取る勢いだといいます。欧米の自動車メーカーだけでなく、日産自動車やホンダも米国ではテスラ規格を採用するといいます。

米テスラのEV充電器、使い勝手で圧勝 日本規格と比べてみた:日経ビジネス電子版

 日本も独自規格の普及を進めるものの、実際に比べてみると、使い勝手の良さでテスラに軍配が上がる。充電器からはバッテリーの消耗度合いといったデータが手に入り、製品開発などにも生かせる。日本は充電器の規格競争でも劣勢になりかねない。(出所:日経ビジネス

コトづくり

 そればかりでなく、テスラは24時間営業のエンターテインメントを重視した急速充電ステーションを開設するそうです。ドライバーは充電している間、食事をしたり、大きなスクリーンで名画のクリップ見たりして過ごせるといいます。

充電中に食事や映画も テスラ初の娯楽型施設、LAにお目見えへ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 この充電施設はウェストハリウッドのルート66沿いにできるそうで、施設には飲食店やルーフトップのテラス、映画スクリーンなどが設けられ、竹も植えられるといいます。

 ものづくりだけでなく、コトづくりでも、かなり前に進んでいるようです。日本企業がEVでテスラに追いつくことはあるのでしょうか。

 

「参考文書」

バインダージェット式金属3Dプリンタによる金型レス部品の量産に向けて協業:金属3Dプリンタ - MONOist

ギガキャストの金型交換でテスラに時短勝負、トヨタが次世代EV実証ラインを公開 | 日経クロステック(xTECH)

トヨタ、車体を一体成型 26年投入の次世代EVで | 共同通信