Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

進めるべきEVシフトは、問題なくこのまま進むか

 

 EV 電気自動車が、ガソリン車を代替すると考えている人はまだ少ない、そんな調査結果がまとまったという。

「EVは過半に達しない」が7割超、再エネ比率目標達成にも懐疑的 | 日経クロステック(xTECH)

 日経ものづくりが2021年12月から22年1月にかけて実施したアンケート調査で、「今後10年以内に、EV 電気自動車はハイブリッド車を含むガソリン車を代替すると思うか」との問いに対して、「ある程度EVになるが過半にはならない」とみる人が60.6%に達したという。「ほとんどEVにならない」と答えた人(13.3%)を含めれば、合わせて7割強がまだEVの普及に懐疑的な見方をしているそうだ。

 その理由には、「充電ステーションなど社会基盤が整わない」、「炭素中立な電力の確保が難しい」などを挙げる人が多く、また、「電池材料が不足する」などバッテリーに対する不安の声もあったという。

 

 

電池不足は起きるのか

 半導体不足で苦しんでいる自動車業界が、さらにバッテリーの供給逼迫という新たな試練に見舞われているとロイターはいう。

コラム:自動車業界に衝撃、「EV電池不足」という新たな試練 | ロイター

 米GM ゼネラル・モーターズが、リコールで対象車種にバッテリーを回した影響で、昨年第4四半期の米国におけるEV 電気自動車の新規販売がゼロになったという。

 バッテリーが潤沢に用意できたなら、こうした事態は避けられたということなのだろうか。

 バッテリーにとって、リチウムは欠かすことのできない物質だ。その需要はまさにうなぎ上りで、2030年までに10倍近くも膨らみ、炭酸リチウム換算で年間5700キロトンを超える可能性があるという。一方、供給量はその半分を賄えるか…とロイターは指摘する。

f:id:dsupplying:20210825125024j:plain

始まるクローズドループリサイクル

 テスラにバッテリーを供給するパナソニックは、テスラの元CTOが設立した「レッドウッド・マテリアルズ」が提供するリサイクル電池材料の使用を予定しているという。

パナソニックがテスラ向け電池に「リサイクル材料」導入へ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 Forbesによれば、レッドウッド・マテリアルズは、すでにパナソニックからスクラップや使用済みの電池部品を回収し、リサイクルしているという。今年は、パナソニック向けに銅箔の供給をはじめるそうだ。

レッドウッドによると、同社が製造した銅箔を用いるパナソニックの取り組みは、電池をリサイクルして再生産し、同じ工場に戻す「クローズドループ」の電池生産プロセスとして初めての試みという。(出所:Forbes)

 リサイクルの銅箔価格がバージン価格よりも競争力を有するようになったのだろうか。他のリチウムやコバルトはどうなのだろうか。バージン価格が高騰を続ければ、いずれどこかで逆転はありうるのだろうか。

 

 

EVシフトこのまま進むか

 日産自動車が、ヨーロッパ市場向けのガソリン車用エンジンの新規開発をやめる方針を明らかにしたという。

日産 欧州市場向けガソリン車用エンジン 新規開発中止へ | 環境 | NHKニュース

 NHKによれば、ヨーロッパの環境規制を鑑みた対応で、ガソリン車用エンジンの開発や製造を続ければ、罰金などのコストがかかることも踏まえ、EV 電気自動車などの電動車に経営資源を集中させるという。

 ただ、ヨーロッパ以外の市場については、電動車ではない車を求めるお客がいるとして、日本などでは、ガソリン車用エンジンの開発を続ける考えを示したそうだ。現実的な対応のような気もする。

 対外的にはそうアピールせざるを得ないのだろうか。それとも、欧州からEVシフトは確実に拡がるのだろうか。不確実要素を課題として、乗り越えることはできるのだろうか。