Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

未来のハードウェアたちが織りなす街「Woven City」建設始まる

 

 トヨタ自動車の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設が23日、富士山の麓 静岡県裾野市で始まったという。

 最初の住人は約360人。2025年までには入居が始まるという。将来的には2000人以上がそこで暮らすそうだ。

 

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活性化する地元自治

 SankeiBizによれば、地元静岡県裾野市がこの大きなプロジェクトに期待を寄せているという。

 最寄り駅JR岩波駅がある裾野市は周辺整備計画案を作成、必要な行政手続きが円滑に進むようトヨタとの連携を強化するという。市の担当者は「最先端技術が街の外に出る際は、まずは市内で試してほしい」と期待を示しているそうだ。

 

静岡県側は「一つの大きな街ができることになるが、医療や教育、福祉までを民間だけで整備するのはなかなか難しいのではないか」とみる。

先端技術も生かして医療健康産業集積を図る県の「ファルマバレーセンター」(長泉町)との共同研究、周辺へのインターナショナル・スクール開設といったアイデアが浮上している。

県の担当者は「これまでにない街で、法規制がボトルネックになることも考えられる。国や市と連携し手続きを円滑に進めることで、支援したい」と意気込んでいる。 (出所:SankeiBiz

www.sankeibiz.jp

 

 「いかに実証都市と地域との融合を図るかが課題。あらゆる分野の地域課題を解決する都市を目指す」と裾野市の高村市長が話していると静岡新聞は伝える。

自動運転や人工知能(AI)、ロボット、ドローンなどの技術を持つ企業の投資を促していく。産業、交通、環境、教育、行政などさまざまな分野のまちづくりに結び付け、地域課題の解決につながるよう民間の参画を図る。
 例えば、電気自動車(EV)の蓄電池を活用し、災害時の停電などに備える自立分散型エネルギーシステムの構築を想定する。無人ラクターやドローンで農作業を省力化し、生産を効率化する取り組みなども検討するという。 (出所:静岡新聞) 

www.at-s.com

 社会実装が進まなかったテクノロジーたちが、トヨタの実証都市が出現することで、そして、その周辺自治体も巻き込んで、より現実的な形で進み始めていくのだろうか。

 

ドローンの社会実装は進むのか

 ドローン関連企業など6社が共同で2021年2月22日、「Take Off Anywhere(ToA)プロジェクト」を立ち上げたと日経XTECHが伝える。

 

 

 それによれば、この組織が立ち上がった背景には、「国産ドローン」に強い追い風が吹いていることであるという。政府機関や各省庁は合計で1000機以上のドローンを保有しているが、その多くが中国DJI製で、それを国産に置き換える動きがあるという。理由はセキュリティーを担保した機体に置き換えるということのようだ。 

xtech.nikkei.com

ドローンは空を飛べるという長所を持つ半面、1.飛行時間が短い、2.重い物は運べない、3.風、特に上昇気流や乱気流などに弱く安全性に改善の余地がある、など課題も多い。

社会実装を広げるためには「できること」「できないこと」を明確化した上で、それぞれの現場の課題を解決するソリューションを、継続性があるビジネスという形で構築する必要がある。 (出所:日経XTECH) 

  結局、信頼できるドローンというハードウェアを自分たちで作らなければ、社会実装がなかなか進まないということなのかもしれない。そんな気もする。

 ソニーがドローンの内製に動いたのもそんなところに理由があるのだろう。 

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ソフトウエアを内製化するトヨタ

 「Wiven City」は、トヨタ自動車の関連会社「Woven Planet Holdings」が担う。そのリーダーたちが、実験都市の着工前、トヨタイムズで語り合う。

「(自動車会社がテクノロジーカンパニーと)一緒に自動運転に取り組むという例もありましたが、その背景にはモビリティの開発が1社だけではさばききれない規模になっている現実が挙げられると思います」と語るのは、虫上広志President。さらに、「もう一つは、良いハードウェアと良いソフトウェアを組み合わせなければならないということだと思います」という。

トヨタには長年培ってきたハードウェアの強みがあります。

ジェームス(・カフナー)からは、ソフトウェア開発において「TPS(トヨタ生産方式)」を実現する必要があると申し上げましたが、ソフトウェアの開発環境、ツールなどプラットフォームをつくり上げることで、ハードとソフトの強みを内製で担保できるのではないかと考えています。 

これが我々の戦略であり、だからこそソフトの内製化に舵を切ったとご理解いただければと思います。 (出所:トヨタイムズ) 

toyotatimes.jp

 クルマというハードウェアを作るトヨタが、ソフトウェアの内製化に動き出す。その理由はどこになるのだろうか。

 一方で、「自動運転のすべての領域を自分たちだけでやろうとするとスピードが落ちてしまいます」と鯉渕健Chairmanはいう。

なので、最終的にコア技術として持ちたいところ、持つべきところは自分たちでやることにしました。逆にパートナーと組むことで加速する部分もあると思います。その中でソフトウェアの付加価値はクルマの中でも増大しており、この部分は自分たちでやるべきだろうと(考えました)。

「自分たちの将来のコアとする」という面と、「開発を速いスピードを回していく」ために、ある程度自分たちで完結させていく必要があるということで、今のような戦略になっています。 (出所:トヨタイムズ) 

 ハードウェア会社だからできる発想なのだろうか。

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 ソフトウエアだ、DXデジタルトランスフォーメーションだとかいい、ハードウェアをいつまでも中国や他国に頼っていて、いいものなのだろうか。

 トヨタがひとつの解を示してくれているような気がする。

 

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