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水があいた技術力、月裏側の着陸に成功した中国の月面探査機、熾烈な自動運競争

 中国の無人月面探査機「嫦娥6号」が月裏側の南極域の着陸に成功、ロボットアームやドリルを使って月面や地中にある土壌や岩石を採取し、容器に入れて地球へ運ぶといいます。世界で初めてのことになるそうです。

中国の探査機「嫦娥6号」が月面離陸、月の裏側で初の試料採取(1/2) - CNN.co.jp

 「宇宙強国」を掲げ中国は計画を成功させ、米国やインドなどと競争が激化する宇宙開発をリードしたい考えといいます。この分野でも中国が世界のトップに躍り出たということでしょうか。大きく水をあけられたように感じます。

 

 

 国威をかけ、集中的に技術者、資金を投入、技術の向上を急いだ結果でしょうか。宇宙やEV(含む自動運転)、AI、全ての分野で一歩抜きん出ていくことになるのかもしれません。

 しかし、このままおめおめと米国がトップの座を譲るとは考えにくく、対立が激しさを増していきそうな気もします。

日米「先端技術、中国より先に」 宇宙・核融合の陣営強化 転換期の日米㊦ - 日本経済新聞

 その立ち位置を日本は慎重に考える必要がありそうです。何も米国一辺倒が正解でなくなっていそうな気もします。

自動運転

 4月下旬に開催された「北京モーターショー2024」では、ファーウェイが存在感を示したといいます。ブースには、LiDARやミリ波レーダーといった自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)の関連技術を中心に、電動パワートレーンや熱マネジメントシステムなど電動化・知能化にかかわる部品・システムを幅広く展示されていたそうです。スマートフォンで培ったブランド力を武器に主役級に躍り出たといいます。

トヨタ・ホンダも近づくHuawei自動車エコシステム、自動運転で主役級に | 日経クロステック(xTECH)

中国市場では現在、市街地での走行中にハンズオフもできるような高度な運転支援システムが競争軸となっており、Huaweiはこの領域での評価が高い。AD/ADASを手掛ける中国自動車部品大手の担当者は、中国におけるAD/ADASでは「Huaweiが最も優れている」と話す。(出所:日経クロステック) 

 中国の大手自動車メーカーはADASの採用を視野にいれ、こぞってファーウェイとの協業に乗り出しているそうです。日本勢も中国における消費者のニーズに対応するためファーウェイに接近しつつあるといいます。

 

 

 この自動運転を巡って、ファーウェイだけでなく、ドローン世界最大手のDJI傘下の「DJI Automotive(大疆車載)」も名乗りを上げ、資金調達で激しく競い合っているそうです。

高度な運転支援システム、ドローンのDJIとファーウェイの二強時代に | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

 ファーウェイはスマートカー事業部門をスピンオフし、自由に資金調達ができるようにし、中国の自動車メーカー長安汽車合弁会社を設立したそうです。また、奇瑞汽車や北京汽車集団、ベンツ、アウディ第一汽車などにも合弁会社への出資を求めているといいます。一方、DJI Automotiveには 新エネルギー車NEV最大手のBYDと自動車メーカーの中国第一汽車集団が出資の意向を示しているといいます。

 

 

 自動運転の「目」となる部品「LiDAR(ライダー)」でも、中国企業の特許出願数で日米企業を大きく上回り、市場シェアも過半を握り、存在感が強まっているそうです。日米欧企業の動きは遅く、独ボッシュなどが開発から撤退し始めたといいます。

日系大手やシャオミも採用 中国の格安「自動運転の目」:日経ビジネス電子版

「ここまでの低価格を打ち出すとは……」。日系の自動車メーカー関係者は、中国企業が打ち出した、障害物などを検知する高性能センサー「LiDAR(ライダー)」の価格に驚きの声を上げる。(出所:日経ビジネス

 価格攻勢を仕掛けるのは中国の禾賽科技(ヘサイテクノロジー)と速騰聚創科技(ロボセンス)の2社で、その価格は200ドル(約3万円)程度で、現行品の半額となり価格破壊を起こすことになりそうだといいます。

 日本の基幹産業である自動車も安泰とは言えそうにありません。このまま指をくわえ、坐していくしかないのでしょうか。

 まだまだ日本にもポテンシャルがあると信じたいですが、その力を発揮するには政治を含めてリーダーをこぞって変える必要があるのかもしれません。そうでないと取り返しがつかなくなって挽回できなくなりそうな気もします。

 

 

「参考文書」

中国探査機、月裏側に着陸 世界初のサンプル持ち帰りへ | 共同通信

車載好調続くファーウェイ 自動運転部品納入遅れの波紋:日経ビジネス電子版

自動運転の「目」、中国が特許首位 ボッシュは開発中止 - 日本経済新聞

ファーウェイ、制裁乗り越え完全復活へ PHV・スマホがヒット:日経ビジネス電子版

謎多き中国「半導体国産化」の実態 ちらつくファーウェイの影 | 毎日新聞

「中国と日本は補完的な関係」日本に学ぶ中国のビジネススクール:日経ビジネス電子版