8月下旬、SkyDrive(スカイドライブ)が空飛ぶクルマの試験飛行に成功したという。
スカイドライブによると、有人飛行試験は夕刻に行われ、飛行時間は約4分間だったという。機体は1人乗りで、パイロットが操縦したが、コンピュータ制御のアシストにより、飛行を安定させていたという。
SkyDrive Project SD-03 world debut
試験飛行に成功したその日、スカイドライブは、39億円の資金調達を実施したと発表した。出資者には、NECや ENEOSイノベーションパートナーズ、大林組、三井住友ファイナンス&リースなど多くの事業会社が参画している。
三井住友ファイナンス&リースは、「世界第5位の航空機リース会社を傘下に置くとともに世界第3位のヘリコプターリース会社と共同事業を展開するなど空のモビリティに深く関与しており、次世代エアモビリティにも注目しています」という。
「電気で動き、環境に優しい、空飛ぶクルマの普及をサポートすることは、当社が推進するSDGs経営に合致するものです。より多くの人が、手軽に空の移動手段を利用できる仕組み作りをSkyDriveと共に作っていきたいと考えています」と期待を寄せるコメントを発表した(参考:PR Times)。
スカイドライブの空飛ぶクルマは、2023年度のサービス開始を目指しているとそうだ。ニュースイッチによれば、2025年の大阪万博を見据え、2023年に大阪府の湾岸地区でタクシー運行サービスを始める計画だという。
ウーバーも空飛ぶタクシーを2023年に商用化するといっていた。
早い遅いで勝ち負けが決することはなかろうが、できるのであれば、ウーバーに先がけて実用化してもらいたいものだ。
そのスカイドライブは、8月上旬、神戸市六甲地区で、ドローンによる日用品の自動運送の実証実験を行ったという。
2022年を目途に、山間部だけではなく、都市部でのドローンを活用した宅配サービスの実用化を目指しているという。
何事も世界から遅れている感が否めなかったが、「空」についてはその遅れを挽回できるのだろうか。
米アマゾンが、ドローン(小型無人機)を使った配送サービス「プライムエアー」の商用化に必要な米連邦航空局(FAA)の認可を受けたと公表した。
「空の物流革命」もネット大手の主導で進んでいると日本経済新聞はいう。
アマゾンは2019年6月にラスベガスで開いた自社イベントで、自社のネット通販サービスにドローン配送を導入する方針を明らかにしていた。
約2キログラムまでの商品を運べるドローンが自動操縦で飛行し、注文から30分以内に発注者の自宅の庭などに商品を届けることを目標としている。 (出所:日本経済新聞)
EC業界では、「ラストワンマイル」配送拠点から家庭までの物流の効率化が課題といわれる。
そんな中、アマゾンは、米国に続いて欧州でも配送トラックのEV化をまず進めるようだ。
独メルセデスベンツにEVバン1800台を注文し、年内に納車が始まるという。
JBpressによれば、大型バン「eスプリンター」約1200台と中型バン「eヴィトー」約600台を、欧州全域の配送業務に導入する計画で、メルセデスは年内に納車を開始するという。
着々と、着実に物流革命を進めるアマゾンということだろうか。ラストワンマイルのEV化を進めながら、ドローン配送の準備も進める。
それらが実現されるたびに、地球にも、従業員にも、そして、何より顧客にとってありがたいサービスになっていく。
スカイドライブも、ドローンによるラストワンマイルの物流に改善に挑む。何とか、うまく事業化して欲しい。軌道にのれば、空飛ぶクルマの実用化もより現実味を増してくるのではないであろうか。
「参考文書」