Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

増えるばかりの荷量、負担増す物流に、DX が特効薬になるのか

 

 物流のDX化、デジタルトランスフォーメーションが急務といわれるている。巣ごもり需要による物流件数の増加、複雑化に伴う人材不足と運賃上昇が課題となっていることがその理由のようだ。

 ユニクロを有するファーストリテイリングの自動倉庫がその成功事例と紹介されたりする。そこにはユニクロならでは事情があり、自動倉庫が問題解決の核心ではない。

 逆に自動倉庫を導入したものの、宝の持ち腐れになっているケースもあるのではなかろうか。

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 物流といっても、その範囲は広い。一般的に「調達物流」、「販売物流」、「社内物流」、「返品物流」の4領域に分けられるという。関連した用語として、SCM サプライチェーン・マネジメントやロジスティクスなどの言葉もよく聞く。それらは原料生産者、加工者、販売者を密に繋いだ供給主体のより包括的な経済行為をマネジメント面から強調する言葉として説明される。

 工場などを監査などで訪問するときは、かならず倉庫を確認する。倉庫は物流の保管の機能を担う。倉庫をみれば、その会社の実力を概ね把握できると、そう思ってまず見学することから始めていた。それだけ、ムダも多く、管理すべき事項が多岐にわたっていた。

 

  SGホールディングスが8月25日、「最先端ロボティクスを活用した生産性向上・コスト削減への取り組み」や「AIを活用した先進的な共同研究」などのDXへの取り組みが評価され、経済産業省東京証券取引所から、『DX注目企業2020』に選定されたと発表した。

 LNEWSによれば、佐川急便は今年1月に次世代型の物流センター「Xフロンティア」を開設、ロボット設備やスペースを従量課金制で利用できる「シームレスECプラットフォーム」の提供を始めたという。

「シームレスECプラットフォーム」では、自動棚搬送ロボットを始めとしたAGV(Automated Guided Vehicle)や自動梱包機などの導入により、同規模の施設に比べ約50%の省人化を実現するとともに、同サービスを利用することで小規模の物流業務をマテハンの初期投資やスペース使用料などの固定費をかけることなく、大手通販事業者と同等の作業品質で通販ビジネスの展開を可能にしている。(出所:LNEWS)

www.lnews.jp

また、佐川は、電力データを用いて荷受人の在不在をAIに判断させることで不在配達を回避し再配達の削減させようと試み、2020年秋頃から実際の配送現場において実証実験を行うという。さらに、AIの活用が進めば、配送ルート、配送順の適正化なども期待ができるのかもしれない。

 荷量にもよるが、佐川のような外部のファシリティを利用したほうが案外物流改革はうまく進み、DX化にもつながっていくのかもしれない。

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 その佐川急便は、車両の電動化も急いでいる。30年までに現在7200台ある軽自動車の配送車両をEVに切り替えるそうだ。佐川ばかりでなく、他の物流大手もEV化を急いでいるようだ。

 日本経済新聞によれば、独DHLも2030年までに日本の配送車両の6割をEV電気自動車に切り替えるそうだ。三菱自動車の軽自動車タイプの商用EVを導入し、物流拠点から企業や個人宅への配送に使うそうだ。

www.nikkei.com

DHLは海外から日本への国際航空物流などに加え、海外の通販サイトなどで買った商品の個人宅への小口配送も手がける。20年に日本で取り扱った電子商取引(EC)関連の荷物は19年比で4割増えたという。小口配送の車両をEVに置き換えて環境対応を進める。 (出所:日本経済新聞

 広範にわたる物流、そこにある課題も多岐にわたる。良いのか悪いのか、ここまで荷量が増えていいのかと疑問も沸くが、しかしまた、それが現実なのだろう。早急なる課題解決が求められている。

 陸の物流ばかりではない、海運でも船不足で荷が滞りがちだという。こちら陸同様な問題解決が求められているそうだ。