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ESG投資加速 新興テック企業に影響するのか

 

  イノベーションが起こるのは、新興テック企業からとつい思いがちだ。これは認知バイアスだったかもしれない。

 IPOを果たした新興テック企業、ユニコーンが苦境に直面しているという。ウーバーの業績がふるわないとか、WeWorkがIPOに失敗したとか、そんなニュースを耳にする。 

 学ぶとは、過去を知り理解することだ。今までに何が起きたことを整理する必要がありそうだ。

 

 

ウーバーはプラットフォーマーか、タクシー会社か?

 ウーバーは、ライドシェアを普及させ、外食の宅配を進化させた。自動運転タクシー、空飛ぶタクシーなどの開発も進めていると聞く。

 

 ウーバーが始めたサービスで一体が何が起きたのだろうか。 

 ライドシェアが普及することで、クルマの量が減ることが期待された。タクシーを低料金で利用できるようになったことに魅力はあるが、クルマの量は減らずにかえって増加、環境に良くないとの意見も出てきた。EU圏では、ウーバーによる法令違反が顕在化、営業認可の取り消し騒ぎも続発する。

 

 2017年、EU最高裁判所は、ウーバーのライドシェアサービスは、既存タクシーと同じサービスの一種との判断を下した。

 

 この判決によれば、パーソン 2 パーソン配車サービスのプラットフォーマーであるウーバーは、テック企業でなく、タクシー業者となる。いちタクシー業者は市場を独占できない。世界各地で同種のサービスが立ち上がり、過当競争が始まったことで、それも理解できる。ウーバーが黒字化に苦しむ理由がよくわかる。

 ウーバーの次の一手は何であろうか。自動運転タクシーにしろ、もうすでに過当競争になる恐れがある。P2P配車サービスプラットフォーマーとしての進化とは何であろうか。取得してきたデータは何に活かされるのか。

 

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2023年ウーバーの空飛ぶタクシーは普及する?

 ウーバーの株価は、IPO時の初値と比べて3割安になり、そのまま低迷しているという。足元の業績とこの先の成長期待を表した価格になったということだろうか。ウーバーもまた一般の企業と同じように、昨年人員削減を実施した。黒字化への道筋は固まったのだろうか。

 先日、ウーバーは空飛ぶタクシーの開発で韓国・現代自動車と提携すると発表した。2023年、空飛ぶタクシーを商用化するという。このプロジェクトが次の成長のエンジンなのだろうか。

 

 

 

VC狂騒曲 テックの真夏の夜の夢

 ウーバーのことを書いたが、それは例にすぎない。同業のリフト、電動キックボードのライム、みな同じような状況と聞く。こうしたテック企業が登場した時は、何か大きな変化、イノベーションが生まれるのではないかという社会的な雰囲気があった。連日のように、VCが投資を決めた、出資するとの報道が続いていた。今もそうかもしれないが。

 しかし、現実にはイノベーションは起きていそうにもない。テクノロジーが新たな問題を引き起こしていないだろうか。もっと長い目でみれば、解決されていくのだろうか。VCの投資とはいったい何なのだろうか。

 

台頭するESG投資

 最近、ESG投資に注目されているという。「気候変動」対策が喫緊の課題と認識され、多くの機関投資家や銀行が「責任銀行原則」、「TCFD」に署名、参加するという。投資を気候変動対策など社会課題に向けようとの潮流だ。こうした流れの中にあって、上場した新興テックへの投資には変化は起きないのだろうか。テック企業が特別視される理由があるのだろうか。

 シェアリングやサブスクサービスが登場し、低価格化とモノの節約には貢献したのかもしれない。一方で、社会課題を解決するようなスタートアップが多数登場してきている。そうした中にはテクノロジーを利用するものもあるのかもしれない。

 新興テック企業のテクノロジーは社会のどの問題を解決してくれるのだろうか。創業時に描いたビジョンを絵空事にすることはいつまでも許されないはずだ。

 

 『新興企業への投資で高い収益が見込めなくなり、VCも投資先の選別を進めそうだ。カネ余りが支えたユニコーン乱立時代は転機を迎えている』と日本経済新聞が報じていた。

 

ESG投資とは

ESG投資:投資家が、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)に対する企業の対応を考慮して行う投資。

 企業の財政や経営状態を示した財務諸表では分からない、二酸化炭素排出量削減や従業員の適切な労務管理社外取締役の独立性といった環境、社会、企業統治への取り組み姿勢も投資の判断材料とする。各分野への対応が、結果的に企業の長期的な成長や、持続可能な社会の実現につながるという考え方の下、企業の投資価値を測る新たな評価基準として、注目を集めている。
 企業の社会的責任(CSR)を投資の判断材料とする手法「社会的責任投資(SRI)」が発展した。国際連合が2006年、投資家にESG課題への観点を反映した投資行動を促す「責任投資原則(PRI)」を公表したことをきっかけに、欧米を中心に世界の投資家に浸透していった。17年5月現在、1700以上の世界の年金基金や運用会社がPRIに署名し、署名した機関の合計運用資産は62兆ドル(約7000兆円)に上る。持続可能な投資の普及を目指す国際団体、世界持続可能投資連合(GSIA)によると、14年時点の世界のESG投資残高は21兆3575億ドル(約2450兆円)で、世界の合計運用資産の約3割を占めている。
ESG投資の主な手法には、(1)投資や対話を通じて、投資先企業に環境や人権問題といったESG課題への対応を促す、(2)ESG課題への対応に消極的な企業を投資先から外す、(3)資金の使い道をESG関連に絞って投資、融資する、などがある。(出所:コトバンク

 

 

  

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「関連文書」

jp.techcrunch.com

 

www.nikkei.com

 

 

 

「参考文書」

jp.techcrunch.com