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自動車メーカHONDAが目指す新しい世界 空飛ぶクルマ、小型ロケット、分身ロボ

 

 ホンダが9月30日、空飛ぶクルマや小型ロケットに、分身ロボなど、新領域への取り組みについて発表した。

Honda | Hondaの新領域への取り組みについて

 その内容は多岐にわたる。ホンダがこれまでに培ってきた燃焼・電動・制御・ロボティクスなどのコア技術の強みを活かして、新領域においても「人々の生活の可能性を拡げる喜びの実現」にチャレンジするという。

モビリティの可能性を“3次元”や、時間や空間の制限に縛られない“4次元”、さらには宇宙へと拡大し人々の時間や空間に新たな価値をもたらす独創的な技術研究を進めています。 (出所:ホンダ)

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(画像:ホンダ)

 自動車メーカのホンダが発表した内容は、これまでの自動車という概念を超越している。しかし、これまでに育てきたコアテクノロジーを再定義、活かすとすれば、そんなに不思議なことではないのかもしれない。

 10年後2030年代には、ホンダの発表内容のいくつかが現実化されているのかもしれない。これまで語られてきた世界観とは違うものが生まれるかもしれない。

 

 

空飛ぶクルマ「Honda eVTOL」は空の移動を身近にする

 ロイターによれば、「空飛ぶ車」と呼ばれる垂直離着陸機 eVTOLを2030年以降での事業化を目指すという。北米での展開をまず狙い、将来的にアジアや日本も視野に入れるという。

ホンダは自動車の開発などで培ってきた電動化・燃焼・空力・制御などの技術を生かす。機体は8つのプロペラを搭載し、モーターとガスタービンの力で浮上。航続距離は400キロメートルで、都市間移動を想定する。

事業化の仕組みは今後検討するが、情報サービス、管制システムなどでさまざまな企業や業界との連携を模索する。ホンダは機体開発のほか、システム設計を担いたい考え。(出所:ロイター

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(画像:ホンダ)

アバターロボット(分身ロボ)

 人の分身となるアバターロボットの最大のメリットは、リモートでありながら、あたかもその場にいるようにモノを扱えるなど、自身がその場にいなくても作業や体験ができることだとホンダはいう。

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 2023年から実証を始めるという。これまで取り組んできた人型ロボット「ASIMO」の技術が活かされることになるのだろうか。

 ホンダが取り組んでいる多指ハンドと独自のAIサポート遠隔操縦機能が、人のために作られた道具を使いこなし、複雑な作業をより直感的な操作で早く正確に行えるという。

 

 

宇宙 再使用型小型ロケットと循環型再生エネルギーシステム

 モビリティのコネクテッド化に有効な広域通信を可能としたりするなど人工衛星の需要は増すが、その打ち上げ需要に対してロケットが不足しているという。

 ホンダは、この課題を解決のために、低軌道向け小型人工衛星の打ち上げ用の小型ロケットの開発を進めている。これまでの自動運転技術の開発で培った制御・誘導技術を生かし、打ち上げ後にロケットの一部を着陸させ、再使用することも想定した研究を行っているそうだ。

 また、JAXA国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構と共同で、月面での循環型再生エネルギーシステムの構築を目指し、研究を行っているそうだ。ここでも、これまで培ってきた燃料電池技術と高圧水電解技術が生かされているという。

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(画像:ホンダ)

 ただ利便性を追求するだけではなく、地球環境に負荷をかけずに、ホンダが提唱するように、「生活の可能性」が拡がれば、そこから喜びというものがあるのかもしれない。新しい世界観が生まれたりはしないだろうか。