184日間にわたって大阪市の人工島「夢洲」で開催されていた大阪・関西万博が閉幕しました。「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向けた様々な展示や議論が行われていました。開幕前はチケット販売の不振などがありましたが、会期後半にかけて来場者は増え2500万人が訪れたそうです。
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最先端の科学技術、Society 5.0に関連するAIやバイオテクノロジー、次世代モビリティーなどの新たな技術や、アンドロイドとともに暮らす生活などを結集し、「いのち」を軸とした未来の社会像を提示していました。40あまりの海外館は音楽や食など世界各地の文化に触れられる交流拠点となったといいます。
未来への投資としてのレガシー
万博は成功裏に閉幕したようですが、開催までの準備期間や運営面、そしてレガシー形成において、いくつかの大きな課題が浮き彫りになっています。単なるイベントとして終わらせるのではなく、未来への投資と地域活性化の起爆剤としての役割をこの先果たしていかなければならないといいいます。万博で得られた英知や最先端技術、交流の成果を次世代に継承し、「いのち輝く未来社会」の実現という目的に結びつけるかが、閉幕後の最も重要な課題になるといいます。
万博が成功したかどうかは、会期中の来場者数や賑わいだけでなく、「レガシー(遺産)」として、展示された技術やアイデアが社会に浸透し、新たな産業や価値創造の起爆剤となるかどうかにかかっているともいいます。
万博はお祭りではなく、先端技術の単なる見本市でもありません。IoT、AI、ロボティクスといった技術を活用したSociety 5.0「人間中心の社会」を実現するための具体的なモデルを提示し、「実証実験」の場としての役割を担っていました。会場を一つの閉じた実験空間とすることで、法規制の緩和措置を活用し、現実の社会では難しい先進的なサービスを先行導入・実証する機会でもあったとはずです。
万博の真価は、展示された先端技術が閉幕後にどれだけ社会に根付いていくのかに集約され、これが万博後の最大の課題で、社会実装が極めて重要な成功指標となるといいます。
万博では一般市民がAIやロボット、自動運転といった先端技術に直接触れ、その利便性を体感する場でなりました。これにより、「未来技術は怖いものではなく、生活を豊かにするものだ」という社会的な受容性を高め、技術導入への抵抗感を和らげ、それによって社会実装の加速が期待されるといいます。

万博が示すべきだった「未来」とは
一方で、最先端のデジタル技術でスマートな運営を目指し、「並ばない万博」が、実際には「並ぶ万博」になるなどの問題も生じました。崇高な理念もふたを開ければ、現実の運営ミスで帳消しとなりました。、「未来社会のデザイン」を実現するための日本の決意を示す場であったはずの万博が、結局、日本の「古い体質」と「新しい理念」の乖離を国際的に露呈する結果になりました。
この先、日本企業が世界と再び伍していくためには、この万博の反省を活かし、「お客さまの利便性を最上位に置く」デザインを徹底し、「安全性を確保しつつ、なおかつスピードももとめる文化」への転換を進めなければならないということでもあるのでしょう。それこそが世界からの遅れを挽回する近道であり、その先に日本の「未来」があるのではないでしょうか。
「参考文書」
「異国文化触れた」「壊すの寂しい」 記念撮影、寄せ書きも―閉幕日の大阪・関西万博:時事ドットコム
大阪万博が閉幕、消費1兆円規模 空飛ぶクルマなど新技術の実装急務 - 日本経済新聞

