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未来はすべて次なる世代のためにある

混迷深める世界、変わる中国に「もしトラ」、失政が続く日本

 中国の全人代で、成長率の目標を5%前後とすると李強首相が表明していました。また、AI 人工知能や宇宙など将来の競争力に不可欠な産業を育成すると語り、海外投資家の撤退を食い止めるため、製造業や一部サービス業への参入を自由化する方針を示したそうです。

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李氏は量子技術や生命科学といった分野を切り開き、戦略的産業発展目標を達成するための科学技術プログラムを立ち上げるほか、ビッグデータや商業宇宙飛行、AIへの取り組みを強化すると表明した。(出所:ロイター)

 

 

 経済の減速、反スパイ法の施行などによる失望より、再成長への期待が膨らめば、海外企業の逃避に歯止めがかかるのでしょうが、その兆しは見えないようです。それよりは、中国は中国なりの道を歩んでいくことになりそうです。

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国家安全省は最近、中国経済や市場の見通しに関して批判的な見解を広める者を見張っていると明らかにした。「虚偽の言説」によって「中国経済をおとしめる」言動をするな、という背筋の寒くなるような警告は、アダム・スミスに始まる近代経済理論とはかけ離れた毛沢東的な発想だ。そしてこれは、中国の影響力が高まるなかで非常に厄介な問題を引き起こしている。(出所:Forbes)

 資本市場においては、透明性が重要であるはずなのに、それに逆行するブラックボックス化する動きといいます。現実、著名なエコノミストやジャーナリストの論評が中国のネット空間から削除されているそうです。こうした行為は、リスクや不正行為に対するメディアの監視機能が働かなくなる危険性が高まり、資金流出を止め、反転させることにならないといいます。

 先進国の支持を得るよりも、体制固めが優先事項なのでしょうか。大きな政治的な混乱もなくそれが着実に進んでいきそうです。

 

 

 すでに複雑で予測不可能な時代といわれていますが、ますます混迷が深まっていきそうです。ウクライナでの終わらない紛争、人権が蹂躙され続け、関係国による調停もままならない中東ガザの危機。それだけでも手一杯のはずなのに、この先、東アジアも混沌していくことになるのでしょうか。

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 世が安定していれば、深く未来を考える必要がないのかもしれません。しかし、これだけ混沌としてくると、どんな未来が待っているのだろうと気になります。未来予測することが人生設計において不可避な重要なことにも思えます。これからやってくる現実が、個々の人生を大きく左右していくことになっていきそうです。

あなたの人生やあなたが知っている時代を私以上に予測してほしい。私が考える方法は、今ある世界を見て、「人口動態」「資源と環境」「貿易と金融」「テクノロジー」「政府と統治」の5つの構成要素をもって、それらについて判断を下すことだ。そして、その判断のいくつかは間違っているだろう。それでいいし、間違っていることはわかっている。でも、それをベースにして間違っていたら変えて、世界に当てはめていくことを繰り返す。(出所:Forbes)

 

 

 中国の経済失速で米国の優位性が増すとの見方が支配的のようですが、「もしトラ」が政治の不安定化を招くような何か悪作用を起こすことはないのでしょうか。善い悪いは別にして、見方によっては中国は政治的に安定していそうな気がします。

 他方、AIや半導体など先端テクノロジーについても米国が優位性を保っていそうですが、すでにグリーン技術関連では中国が強固なバリューチェーンを築き、それを打ち崩していくにはとてつもない労力と資金が必要になりそうで、この領域では中国が支配的な立場となることも否定できそうにもないようです。

 さて日本はこの先どうなっていくのでしょうか。失政続きで、少子高齢化に歯止めがかかる気配がありません。米国のように移民に対しオープンで、優秀な人材を引きつけるような魅力があれば、米国同様に先端テクノロジーを生み出す場所になれるのでしょうが、今の政治では天地がひっくり返らない限り、それも夢のまた夢でしかないでのしょう。失政を素直に認めることができれば、そこから新しさを生まれそうな気もしますが、それを実現できるよう環境は育つことはあるのでしょうか。

 政治の健全性と安定が求められていそうです。一強他弱は数における安定は実現するのかもしれませんが、不健全性を生み、偏った政策が安定性を喪失させ、将来不安を助長させているようい思えてなりません。そうしたものがリセットされ、持続的で安定的な経済成長が実現するのなら、社会保障費も安定化し、また社会的な弱者やケアにも必要なおカネが回っていくことになりそうな気がします。政治改革が待たれているようです。

 

「参考文書」

中国成長率目標は5%前後で据え置き、経済モデル転換確約 全人代開幕 | ロイター

中国、量子技術・AI開発強化へ 技術自給達成目指す | ロイター

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