Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

総統選を終えた台湾、未来の選択、民主主義の意義

 台湾で総統選が行われ、与党 民進党の頼清徳副総統が当選しました。蔡英文総統の路線が継承し、米国や日本との連携を重視、中国に対しては厳しく対峙していくことになりそうだといいます。

【解説】 中国が嫌う台湾の次期総統、頼清徳氏はどう進むのか - BBCニュース

 接戦と予想されていた事前の世論調査と異なり、民進党が予想を上回る大差で勝利したといいます。投票率は71%超。民主主義とはこうあるべきなのかもしれません。それに対して、台湾が頼りにする日本や米国の方が民主主義が劣化していそうです。

 

 

 「台湾はすでに独立した主権国家なのだから、独立を宣言する必要はない。その名前は中華民国、つまり台湾だ」、蔡総統路線の継承し、頼氏は選挙期間中に繰り返しそう述べたといいます。

 一方、国民党は、中国が台湾を攻撃するのではないかという、人々が現実に抱いている恐怖心をあおる選挙活動を展開していたそうです。

 台湾の有権者は中国による危険を認識しているし、中国との対話も望んでいる。しかし、若い有権者は、自分は中国人というよりも台湾人だと自認するようになり、そういう人々は国民党を支持しなかったそうです。

 もし国民党が勝利したなら、中国は台湾への軍事的な威圧をやわらげていた可能性もあるといいます。ただそれは台湾が脆弱なることを意味し、武器などを提供してきたアメリカをはじめとする同盟諸国が台湾政策を見直すことになる可能性もあったとされます。

 この選挙結果に、当然中国は不満を顕し、台湾海峡の緊張がますます高まる可能性が否定できそうになくなっているようです。

 

 

 自分たちの未来を選択できることは民主主義で素晴らしさなのでしょう。ただ台湾人による選択が地政学リスクとなって様々な問題を引き起こし、その解決の難しさを感じます。

 日本においても、こうしたことが論点となって、正々堂々議論されるべきではないでしょうか。国会を牛耳るために手段を選ばない政党が、ただひたすら米国にすり寄ったり、陰でこそこそ防衛費の増額を決めたりするのはもうやめるべきなのでしょう。

 さて、その自民党の改革は進むのでしょうか。安倍派の裏金問題が矮小化され、政治改革が蔑ろにされていく危惧があるようにも感じます。頼りない野党が対抗馬になって奮闘しなければ、この国の民主主義は機能せず、このまま悪い流れが止まることがないのかもしれません。

米国大統領選

 共和党の予備選がアイオワ州で始まり、いよいよ米国で大統領選びのプロセスが始まりました。

「バイデンに勝てる候補」 ヘイリー氏、トランプ氏猛追―米大統領選:時事ドットコム

 独走状態にあるといわれるトランプ氏が、自分さえばよければよいとの論理で、根拠のない主張をしたりして対抗馬を攻撃しているようです。

 米国も日本も似たり寄ったりと感じます。攻撃される側がその無理な主張を跳ね返さなければならなくなっています。こんなことでは自分たちの未来を選択できるのが難しくなっていくばかりです。政治改革が求められています。

 米国民は11月、どんな選択をすることになるのでしょうか。誰が選ばれても、翻弄されることになることは間違いなそうですが。

 

「参考文書」

台湾総統選、与党・頼氏が当選 対中強硬路線継続へ―史上初の「3期連続政権」:時事ドットコム