アップルのアイフォンを製造する鴻海精密工業(Foxconn)が工場移転などの動きが活発化させているようだ。今後の世界のサプライチェーンに影響していくのだろうか。
ロイターによると、 台湾の電子部品メーカー、鴻海精密工業(Foxconn)や和碩聯合科技(ペガトロン)を含む複数の企業がメキシコでの工場建設を検討していることを関係筋が明らかにしたという。ただ、両社がどのメーカーの工場をメキシコに建設するのかは不明だという。
鴻海は新規工場でアップルのiPhoneを製造する計画だ。ただ、ある関係筋によると、アップルが計画に直接関わっている兆しは今のところない。2人によると、鴻海は年内に新規工場について最終的な決断を下し、その後建設を開始する。計画が遂行されるかどうかは確実でないと付け加えた。 (出所:ロイター)
米国では最終消費市場近隣での生産(ニアショアリング)を後押しする声が高まっているとロイターはいう。トランプ政権の後押しがあるようだが、企業はどう判断するのだろうか。
日経ビジネスは中国側の立場で、米中対立での制裁合戦について解説する。
日経ビジネスによると、中国国内で事業を行う米国企業に対して同等の規制を発表すべきだとの政治的圧力が高まっているというが、中国政府は報復には消極的だという。
「米国企業が中国にもたらす経済的利益と技術革新を損ないたくないからだ」。
アナリストたちは「ファーウェイに対する制裁は明らかな挑発だった」という。そんな中で、今、中国が取り得る最大の報復は、世界的な信頼される国になることだという。
報復よりも「信頼できる国」に
米国の現在のやり方を見る限り、中国が取り得る最も有効な対策は、単純に報復することではない。
むしろ、中国はどこよりも信頼できる供給国・消費国であり、決して勝手に供給を止めたり契約を破ったりはしない、というイメージを作り上げることだ。 (出所:日経ビジネス)
「何であれ報復措置など全く考えられない」
「中国は事態がエスカレートするのを望んでいない。門戸を開いておきたいのだ。いったん発動した制裁措置を撤回することは、その理由を政治的に中国国内で説明しなければならないため、非常に、非常に難しいのだ」と語る、在中国欧州連合(EU)商工会議所のイェルク・ブトケ会長の言葉を日経ビジネスは紹介する。
ほんとうにそうでなのであろうか。
EE Timesは別の見方を示す。いずれ、米中、2つの標準が存在することになるだろうと語るアジア最大規模の政府系ファンドでファンドマネジャーの声を紹介する。
あり得そうな気もする。SNSや検索サイトは既にそうした状況になっていることを考えれば、ありえそうな話に聞こえる。
また、EE Timesは、ノートPCが今後3年間で、中国の生産が半分に落ち込むだろうという。
3年後の2023年には、世界ノートPC生産台数全体の約30%をベトナムが占め、台湾が20%、タイが約15%と続くだろう。このような生産拠点の移転が、メガトレンドになる。 (出所:EE Times)
ロイターの指摘した通り、ニアショアリング、最終消費市場近隣で生産することはないのだろうか。
一般論でいえば、 「企業は地元に近いところで生産し、供給網を短くする」ほうが効率的にみえる。
それぞれがそれぞれの思惑で対応策を考えはじめているのかもしれない。もう従来のような中国一辺倒ということはもうないということなのかもしれない。
その影響はどこまで波及していくのだろうか。
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