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チャイナリスク再来、プラスワンで注目のインド

 チャイナリスクが改めて意識されるようになりました。米中の対立が激しさを増し、規制対象が増え、これまでのビジネスにおける自由さが失われつつあるようです。

 チャイナプラスワンとしてインドに注目が集まっています。米アップルはすでにインドで生産をはじめ、将来を見据えて中国からインドに次第に軸足を移していく戦略を加速させるのではないかともいわれています。

中国からインドへのシフトを進めるアップルiPhone|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

中国の成長力低下、ゼロコロナ政策で浮き彫りとなった工場停止リスク、高まる地政学リスクなどは、生産拠点と市場の双方で、中国リスクが先行き次第に高まっていく可能性を示唆している。(出所:野村総合研究所

 

 

 中国政府が中央政府機関の職員に対して、アップルのiPhoneやその他外国製のデバイスを職場に持ち込み、使用することを禁じたと報じられており、これがアップルの背中をさらに押すことになるかもしれないともいいます。

世界の工場

インドには日系企業もすでに数多く進出し、スズキ、パナソニックダイキン工業など成功している事例もあります。

 そのインドにもカントリーリスクが存在し、一足飛びに中国に代わって「世界の工場」をポジションを得るには課題も多く、難しいとの意見があるようです。

中国の代替地『チャイナ・プラス・ワン』の地位を狙うインド|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 チャイナリスクとインドでのリスクを天秤にかければ、今のところ、いくばくかインドの方が軽いというところでしょうか。

インドのポテンシャル

 インドで事業を軌道に乗せ成功した日本の製造業が、インドを拠点にしアフリカに目を向けているといいます。

インドからアフリカへ ダイキン・クボタ、最後の成長市場攻める:日経ビジネス電子版

インド洋の先にある人口約15億人の大陸は歴史的にインドと関係が深い。ダイキン工業やクボタのように、最後の成長市場ラストフロンティアを攻略する橋頭堡としてインドを使わない手はない。(出所:日経ビジネス

 まだ早すぎるように見えますが、今ここでアクションを起こす意義もあるのかもしれません。気候変動対策では途上国支援の強化が求められ、またSDGs的に同様なことが求められています。まして、その支援がビジネスになり、外貨の獲得にも役立つのなら、もっと積極的になるべきのような気もします。

 

 

カントリーリスク

 地政学リスクが高まり、経済安全保障政策が強化され、様々な影響を受けるようになっています。複雑化する国際情勢にあっては、どの国にもカントリーリスクが存在し、それを意識しなければならないのでしょう。

 インドはグローバルサウスの雄として振舞おうとしていますが、権威主義的な中国とは対立し、先進諸国とは友好関係を維持しようとしています。また、ロシアとは歴史的に友好関係にあります。アフリカ諸国においても同様なところは多いのではないでしょうか。

 もしこの先これらの国々がロシアの関係をより強化することになれば、先進国との関係が急速に冷え込むことになりかねず、時と場合によっては慎重な判断が求められるようになるのかもしれません。いつになったら政治的な安定を取り戻すことができるのでしょうか。このグローバルの時代にあって、政治は旧態依然のようです。これではいつまでもたっても時代は前に進みそうにもありません。

 

 

「参考文書」

変容するチャイナリスク̶正しく恐れるための評価の視点と姿勢̶(三井物産戦略研究所)

パナソニックHD・ダイキン…相次ぐ新工場、インドで生産拡大の背景|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

【一帯一路の現場から】課題以上にチャンスあり、インド企業に聞くアフリカ市場の魅力 - NNA ASIA・アフリカ・経済

低所得国の60%以上が負債過多 くすぶる「債務免除」要求:日経ビジネス電子版