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マイナンバーカードの混乱、進まぬ医療DX、ますます遅れる国の改革

 健康保険証とマイナンバーカードを一本化する政府方針が揺らいできたそうです。

 報道によれば、国会の閉会中審査で与党が政府批判を強めているといいます。ただそれは支持率が下落していることが理由といいます。

保険証廃止、狭まる包囲網 与野党から批判、岸田首相近く発信:時事ドットコム

「わが国の医療DXは待ったなしだ」とデジタル相が理解を求めたのに対し、与党議員はは納得せず、「理解を優先すべきだ」と返したといいます。

 未だ国の基礎的財政収支が赤字で、歳出削減が求められる中、医療DXが経費削減につながるのであれば、デジタル相の意見も一理ありそうです。

 ただ中味が不明確で、どの程度の経費抑制が可能かを明確にし、それによって社会保障費がどの程度安定化するとかの説明があるべきなのではないでしょうか。

 

 

医療DX

 電子カルテが導入されていますが、病院では未だに多くの紙を使用しているといいます。受診から検査結果、同意書、診断書、紹介状、難病申請などの行政文書が、紙ベースで行われているためだといいます。

医療DX化の推進!より良い医療の未来を目指して

2024年中には、クラウドに医療情報を格納し、マイナンバーカードで紐づけ、医療機関が情報にアクセスを開始します。病院間で電子カルテを共有すれば、紙を扱う場面も少なくなる。患者さんにとっても、別の病院で同様の検査を避けることができ、負担や医療費を抑えることができます。(出所:NEWSPICKS)

「DX」デジタルによる変革には手間がかかる上、その上、効率化できた後に診療報酬が減額となるようであれば、抵抗勢力が現れるのかもしれません。既得権益に関わることで政治的には表立って、それを口に出せないのでしょうから説明もまた曖昧になるということでしょうか。

赤字が続くプライマリーバランス 

 こんなことを続けているようでは、いつまで経ってもプライマリーバランス 基礎的財政収支の黒字は難しくなりそうです。政府は25年度の黒字化目標を維持しているそうですが、先日の試算では25年度のPBの赤字額が1.3兆円となったといいます。

税収増でも2025年度は赤字 プライマリーバランスで内閣府試算 - 日本経済新聞

 首相は、脱炭素や人への投資などで生産性を高めて歳出改革を続ければ、25年度の黒字化が視野に入ると述べたそうですが、どうなのでしょうか。

 PBは社会保障や公共事業といった政策に必要な経費を借金に頼らず、税収でどのくらい賄っているかを表しているといいます。

 金融政策の変更も懸念材料に上がってるそうです。税収で返済しなければならない普通国債残高は1000兆円を超え、長期金利が上がれば、利払い費の膨張で各種政策に使える予算が圧迫されるそうです。早期の黒字化に向け歳出削減が欠かせないのでしょう。

 

 

最低賃金

 最低賃金の引き上げが約30年ぶりに前年度比4%を超え、全国平均で初めて時給1000円以上となるようです。政府目標は達成するものの、他国に比べ見劣りし、生活改善の実感を得られるかも見通せないといいます。また、中小企業は慎重な態度を崩さずにいるそうです。

最低賃金、1000円以上へ大詰め 中小企業は慎重 - 日本経済新聞

 国の改革は進まず、将来不安を残したままです。そんな中、企業に厳しい要求を突きつけるのでは無理があるのではないでしょうか。

 国が健全であれば、それが社会に良い影響を及ぼすのでしょう。そうは単純にはいかないかもしれませんが。それでも国が不健全で、企業や社会が健全であることはないような気がします。

 

「参考文書」

FRB暴落救わず、持たざる者との衝突や米中も-次の重大リスク - Bloomberg