ドイツの原発が稼働を終えたといいます。60年あまりにわたった原発政策に区切りが付いたそうです。廃炉などの後処理が10~15年続くといいます。
ドイツ、15日に全原発停止 再生エネ注力も課題山積―後処理「100年かかる」:時事ドットコム
記事によれば、全て終わるまでに「100年かかる可能性がある」と指摘する専門家もいるそうです。
「再生可能エネルギーによる電力で2045年までに気候中立と産業改革を実現する」と、ショルツ首相は強調したといいます。
脱原発の効果が目に見えることはないのかもしれません。これで原発事故の恐怖と不安は薄らいでいくのでしょう。
また再エネを拡大させることで電源構成が変わり、これによって産業構造にも変化が起きるのでしょう。脱原発のモデルケースになって欲しいものです。
拡大始めたソーラーシェアリング
あの福島の大事故があったにもかかわらず、日本では原発に回帰する方針が政府によって示されました。それでも、再エネが少しずつですが拡大はしているようです。
ここ最近にあっては、ソーラーシェアリング、農地上空に太陽光発電設備を設置し、農作物を栽培しながら、再生可能エネルギーの発電を両立させる営農型太陽光発電所が徐々に拡大してきているようです。
非FITで営農型を推進、2軸追尾型架台で農作業も楽に - 特集 - メガソーラービジネス : 日経BP
「営農者の高齢化や農業収益の減少などにより、多くの地域で農業経営が厳しくなっている」「ソーラーシェアリングにより農地から新たな収入が得られれば、営農者にとって収入が安定化する」。
ノータスソーラージャパンの営農型太陽光プロジェクトを記事は紹介し、これに賛同する農地所有者や営農者が出てきているといいます。
記事によれば、発電した電力は、オフサイト型PPAモデルか、自己託送の仕組みで、カーボンニュートラルを目指す国内の環境先進企業に供給するそうです。現在の国内オフサイトPPA市場での売電価格は14円/kWh程度といいますが、ノータスソーラージャパンは、それより若干高く20円/kWh程度での実現を目指しているそうです。
太陽光パネルの下がブドウ畑に
山形県山辺町の耕作放棄地に太陽光パネルが設置され、その下でインマスカットなどの大粒ブドウを栽培する「ソーラーシェアリング」の取り組みが始まったそうです。
太陽光パネル下、ブドウ栽培 山辺で営農型発電、耕作放棄地を活用|山形新聞
この事業を進めるのは、「ソーラーファーム・山形」。代表は2020年度末まで町職員として勤務したといいます。
果樹栽培などを手掛ける。農家の高齢化や後継者不足により町内の果樹畑が荒れていく現状を目にし、優良農地を守りたいと早期退職した。耕作放棄地や遊休農地4カ所計約7900平方メートルを借り受けて整備し太陽光パネルを設置、苗木は160本を植える。(出所:山形新聞)
収穫は数年後になるそうです。
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日本が抱える課題が、こうした組合わせによって解決されていくのはいいことなのでしょう。また、こうした取り組みに参加する事業者がWin-Winの関係となって発展し、よき例になれば、課題解決のスピードアップも期待できるのかもしれません。
「参考文書」
ドイツ環境大臣「リスクをとるかどうか」 日本の原発政策に指摘 JNN単独インタビューで | TBS NEWS DIG
営農型発電事業を通して、 脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進する 戸田建設株式会社と資本業務提携へ | ノータスソーラージャパン株式会社
ソーラーシェアリングの大粒ぶどう苗木植え体験会を開催しました。 |
ソーラーシェアリングで初のブドウ栽培 山形県山辺町 - 産経ニュース