Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

国産化に成功した中国のジェット機、敗れた三菱、半導体の国産化はどうなる

 

 中国が短・中距離向けジェット機を開発し、インドネシアに輸出をはじめているといいます。

 一方、三菱重工業が長きにわたって開発してきた初の国産ジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)の開発はその途上で断念となり、商用化が実現することはありませんでした。

逃した釣果、あまりに大きく 国産ジェット旅客機開発中止の波紋:時事ドットコム

残念なニュースです。また中国との距離が少し開いたような気もします。

航空機は高い技術レベルが必要な産業であり、競業国が少ない上に、部品点数が約100万点(高級乗用車は約3万点)と桁違いに多いこともあって他産業への波及効果は大きく、モノづくりを得意とする日本の次世代産業に相応しい業種だ。(出所:JIJI.com)

 この事業の断念は、日本の未来産業実現への夢も砕いてしまったと、記事は指摘します。

 

 

頓挫、なぜ計画通りに進まない

 開発が計画通りに進まなかったり、頓挫するのにはそれなりに理由もあるのでしょう。

スペースジェット最後の会見、三菱重工社長は質問にどう答えたか | 日経クロステック(xTECH)

航空機事業は、機体の開発と販売やアフターサービスの環境整備に多額の資金が必要になる上に、代金の回収に時間が掛かることから、長期的な事業体制が求められ、新規参入が難しい分野でもある。(出所:JIJI.com)

 開発を断念せざるを得ないというのは、どんな事情があれ、実力不足、または実力を過信したのかもしれません。変わりゆくビジネス環境に適合する力を日々養っていなかったことともいえそうです。

国産半導体は復活するのか

「最先端の半導体チップができないと思うこと自体が諦め過ぎているのではないか」

と、国産半導体新会社「ラピダス」の東会長が述べています。

ラピダスの東哲郎会長「日本は諦めすぎ、こんなものじゃない」:日経ビジネス電子版

「かつて日本の半導体は世界に羽ばたいたが、弱体化してしまった」。なんとか再興できないかと考え続けたいたそうです。

 

 

 過去の半導体の失敗は、世界の潮流から外れてしまったことにあると東会長は指摘し、「全部垂直統合で自分の傘下に持っていくという自前主義や、マーケットもどちらかというと国内マーケットで、世界のマーケットの中で自分たちがどこを狙うかということに対する戦略が欠落していた」といいます。

新しい産業やアプリケーションを日本が独自に生み出して世界に貢献するということでマーケットを作っていけば、それなりのことができたと思っています。(出所: TBS NEWS DIG )

半導体新会社ラピダス 日本の半導体復活への勝機と課題は?~東哲郎会長に聞く~【Bizスクエア】 | TBS NEWS DIG (1ページ)

 ラピダスは日本の会社だが、そのロケーションにはこだわらわず、設計なら得意なアメリカにも拠点を持つというような柔軟な考えで、世界の優秀な人材が集まるような仕組みを作っていくことが非常に重要だと思っているといいます。

「経済安全保障も考慮しつつ、日本の産業の競争力を強くして、世界で貢献できるという形になるのがベストではないか」。

 

 

IBM

 ラピダスがパートナーを組むIBMに伝わる言葉です。

完璧さのための持続的な努力に加えて、不可能に見える仕事を進んで引き受ける会社だけが抜きん出る(略)。他人が無理がということに取り組み人間こそ、発見をし、発明を生み出し、世の中を進歩させる者である。(引用:「IBMを世界的な企業にしたワトソンJrの言葉」)

 IBMは常に動き続け、変わり続け、よりよいもののために努力を続けた結果、新しい製品や新しいサービスが生まれ続けたといいます。それがまたIBMの気風、文化であったそうです。

 日本の半導体の復活はあるのでしょうか。そうあって欲しいものです。

 

「参考文書」

日中の国産旅客機、明暗くっきり、「三菱SJ」開発中止、「ARJ21」は海外初進出