Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

量子コンピュータに、次世代太陽電池、新しいハードウェアで世界を再びリードできるのか

 

 脱炭素社会に、循環型社会、そうしたものを標榜し続ければ、やがてそれに近づいていく。コンピュータはいずれに量子コンピュータにとって変わっていくのだろう。今ある社会インフラは徐々に新しいものへと刷新されていく。今、こうしたことが足元で起き始めている。

 その基幹テクノロジーは誰が開発し、誰が製造し、普及させていくのだろうか。何から何まで外国の技術に頼るようになったら、先進国の地位も危ういのかもしれない。世界に先駆けて移行しようにも、技術がなくて、外国技術の導入の順番待ちでも陥ったいったら、目も当てられない。

 今からでも遅くない、必要な要素技術の産業集積を進め、新たな産業構造を作らないとこの先立ち行かなくなってしまうのかもしれない。

 

 

量子コンピュータ

 量子コンピュータでは、まだ勝機があると、日経XTECHはいう。

日本勢にも勝機 独創ハード次々登場 | 日経クロステック(xTECH)

 量子コンピューターの開発競争はまだ決着していない、ハードウエアの方式も優劣が決したわけではないという。量子コンピューター開発競争はまだ混沌とし、日本で開発を進めているハードウエアにもチャンスがあるという。

 新しいテクノロジーはやがて実用化され、社会に役立つことになる。しかし、必要な要素がそろえられなければ、それを他国に頼らざるを得えなくなる。先進的で、より戦略的なものであれば、誰も手を貸してくれることはないのかもしれない。

次世代太陽電池

 小池都知事が、東京都調布市電気通信大学訪問し、開発中の新型太陽電池を視察したという。

小池知事が“コロナ”より心配なコト 超多忙でも、わざわざ視察した「太陽電池」の実力

「都会型の円筒型太陽電池。都会に設置しやすくて、東京から世界に発信したいような太陽電池

「円筒形にすることでどの角度から光が当たっても発電できる、つまり一日中発電できるので、一日の総発電量が平板型の1.5倍になります」と開発した早瀬特任教授は力説したという。その他に、平板型の2分の1から3分の1の重さ 、壁面に設置できるなどの利点があるとそうだ。

 FNNオンラインによれば、現在一般家庭4キロワット分で、100万円かかる太陽電池の設置費用(本体のみ)が、設置台も含めての5割から7割ですむという。軽くて蛍光灯のような形であるため、「量販店で購入・廃棄のリサイクルが可能で、家庭に設置して一部壊れても顧客が自分で交換修理ができる」ともいう。 

 発電シートは開発が進むペロブスカイト太陽電池の技術が応用されているようだ。

「原料は国産ですか」 実物を見た小池知事は、原料が輸入に頼らないですむか確認したという。 「重要な部分は国産です」 という返事を聞いて、小池知事は納得した表情でうなずいたそうだ。 (出所:FNNプライムオンライン)

 輸入燃料に頼らずに、自然エネルギーで発電できるのに、必要なデバイスを輸入に頼ることもあるまい。新たな技術を実用化しようとすれば、それに必要な要素技術とともに製造技術も開発が進む、産業構造が分厚くなり、それだけ必要なエンジニアは増え、雇用も増加していく。

 

 

ニンテンドースイッチも生産減

 任天堂の「ニンテンドースイッチ」の2022年度の販売台数が21年度比1割減の2000万台前後にとどまる見通しと日本経済新聞が報じている。

任天堂Switch販売1割減 22年度、人気持続でも部材不足: 日本経済新聞

 最盛期の20年度(2883万台)と比べると3割減るそうだ。需要は底堅いというが、半導体不足や物流網の混乱の影響で部材の調達が遅れており、十分に生産できないためという。

 国際分業、グローバルサプライチェーンは効率的で、製造コストの低減に役立たってきた。しかし今、ものの流れは途絶えがちだ。カントリーリスクが増しているといっていいのだろう。モノの流れが止まれば、効率化どころの話でなくなる。

 

 

 かつてセイコーは世界で初めてクォーツ時計を実用化し、キャノンはコピーでゼロックスの牙城が打ち崩した。こうしたことが日本の発展を支えていた。時代は移ろい、ハードウェア不要論となり、ソフトが台頭し、今ではデジタル化が叫ばれるようになった。新しいハードウェアが生まれないのであれば、それは当然の帰結のような気がする。ただ今このときに、その流れの延長のままでいいのだろうか。

 これからは社会基盤の再整備とともに価値観も変化していくのかもしれないし、変えていかなければならないのだろう。ハードウェア開発に力を注ぐようになれば、産業集積が進み、海外に流出した仕事が再び戻り、雇用機会も増える。そうだから言って、ソフトが不要ということではない。あらゆるものをより効率的にするのはデジタルの力は欠かせない。ハードとデジタル、両輪を揃えないと太刀打ちできなくなるということではなかうか。

 デジタルを語れば夢があるのかもしれないが、夢を語るばかりで、新しいことの実用化を怠れば、世界から取り残されるだけだ。

 

「参考文書」

中国、軍事転用可能品の輸出規制強化 恣意的運用恐れも: 日本経済新聞

半導体製造のもとは世界に分散 確保に向けた自国誘致活動に疑問 | 日経クロステック(xTECH)

【報告】小池都知事が本学を視察│電気通信大学

「都会型太陽電池」 小池都知事、開発の電通大を視察: 日本経済新聞