次世代国産大型ロケット「H3」初号機の打ち上げ時刻に、白煙はあがったがロケットは打ちあがることはなかった。この打ち上げ失敗との報道を受け、JAXA宇宙航空研究開発機構と共同で開発を進めていた三菱重工の株価は一時前日比マイナスに沈む場面があったそうです。
新型ロケット「H3」打ち上げ失敗、三菱重株は一時マイナス圏 - Bloomberg
H3ロケットは、2001年から運用する現行のH2Aロケットの後継機で、衛星の打ち上げ市場で日本の今後を占う試金石となるはずだったといいます。
安直なことはいってはならないのでしょうが、またしても三菱重工かと感じないわけでもありません。
安全保障の根幹を担う国産ロケット
メインエンジンには着火したが、補助ロケットに点火しなかったようで、JAXAは失敗ではなく、中断と判断しているようです。
日本は安全保障に関わる政府衛星などを自力で打ち上げる能力を保持するための基幹ロケットとしてH3の開発を進めてきた。(出所:ブルームバーグ)
記事によると、産業基盤の維持のためには、毎年6機程度の打ち上げを必要があるそうです。そのために、政府衛星だけでなく、民間需要の取り込みが不可欠になるといいます。ただ、打ち上げ市場では米スペースXが先行し、この他にも新興企業も台頭しており、受注は容易ではないといいます。
商業衛星の打ち上げ獲得に向け、H3ロケットでは高い信頼性を示す必要があるそうです。
隣国中国は有人をロケット打ち上げ、独自の宇宙ステーションを建設し、月の裏側にまで触手しています。技術力の差が大きく開くばかりのような気がします。
中国
「世界の貿易に占める割合とその支配的立場を示す数値だけを見れば、中国は貿易戦争に勝利しつつある」
と、あるヘッジファンドの創業者が語ったといいます。
レイ・ダリオ氏、中国は米国との貿易戦争に勝利しつつある - Bloomberg
米国と中国は人権や貿易、競争、テクノロジーなどの諸問題で衝突し、「危険なほど戦争に近づいている」といいます。
また、この創業者、米国にとってより大きな問題は国内にあると指摘し、米国衰退の象徴としてインフラと教育、リーダーシップの劣化、政治闘争の悪化、貧富の格差拡大を挙げているそうすです。
「第一の脅威は内にある」と述べ、「基本的に、強く健康であれば国内でも海外でも大丈夫だ」と付け加えた。(出所:ブルームバーグ)
現実的な意見のような気がします。
同氏は、国際貿易における中国人民元の利用は増えていると指摘し、「真の勝者は米国と中国の両方と関係を持てる人だ」との見方を示しているといいます。
中国に対し対抗心を燃やすことが無意味のようにも感じてしまいます。日本もまた劣化する米国と同様な問題を抱えているのではないでしょうか。
「健全化」、これがこれからの日本のテーマなのかもしれません。