Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

止まらない円安、終わらない物価高騰、値上げしないと宣言するサイゼリヤ

 

 9月の企業物価指数が前年同月比9.7%上昇したそうです。上げ幅は前月の9.4%から拡大し、高い伸びが続き、 前年の水準を上回るのは19カ月連続になったといいます。

国内企業物価9月は前年比+9.7%、指数は過去最高 電力・ガスなど値上がり | ロイター

輸入物価指数は、円ベースで前年比プラス48.0%で、伸び率は前月の43.2%から拡大した。為替の円安が輸入物価の上昇に効いている。(出所:ロイター)

 円安が物価高に拍車をかけているともいいます。

 

 

 サイゼリヤ、イタリア料理チェーンを国内外で計約1500出店しています。その社長に新たに就任した松谷秀治氏が記者会見で「値上げしません」と宣言したそうです。

サイゼリヤが「値上げしません」宣言 社長が語る同社の「使命」とは:朝日新聞デジタル

給料が物価(上昇)に追いついていない。暮らしが厳しい中、安くて良いものを出す使命がある」(出所:朝日新聞

 価格の手頃さを売りに消費者をひきつける戦略を維持するそうです。

 約500店に増えた海外店舗では、円安による増益効果が見込め、メニューの価格は今後も据え置くとしたそうです。

 朝日新聞によれば、2022年8月期決算は、売上高が前年比14.0%増の1442億円、純利益が同3.2倍の56億円となり、増収増益だったといいます。

 一方、原材料に占める輸入品の割合が高く、円安が1円進むと月あたり1千万円ほど経費が増えるともいいます。

 この時勢にあって、ありがたいことですが、並々ならぬ努力も必要なのでしょう。こう宣言する以上は、自社の従業員に負担を強いるようなこともできなくなるのでしょうか。

 原材料が上昇した分を適正に価格転嫁することは正しいことなのでしょう。また、値上げの風潮が強まっています。しかし、長く続いたデフレマインドで培った工夫を活かして、さらなる改善を進めれば、原材料高に対抗できるということなのでしょうか。

 

 

 日本銀行黒田東彦総裁が米国のワシントンでのIIF 国際金融協会の年次会合に出席し、「2%の物価目標を持続的、安定的に達成するまで金融緩和を継続する必要がある」と発言、日本が物価安定の目標を達成するには賃金をもっと大幅に引き上げる必要があるとの認識を示したといいます。

日銀は金融緩和を継続する必要-訪米中の黒田総裁あらためて表明 - Bloomberg

円安を巡っては、日本経済の一部セクターが影響を受けているとしながらも、全般的にはマクロ経済にプラスの効果をもたらしている可能性があると言明。(出所:ブルームバーグ

 任期が近づき、交代もささやかれています。もうそろそろ発言を控えた方がよいのではないでしょうか。 そうできないのであれば、発言にもう少し工夫があってもよさそうです。

 円安によって、「安いニッポン」といわれるようになっています。円安頼りであぶく銭で経済にプラスになっていることがほんとうに良いことなのでしょうか。

日銀緩和依存、ツケは「弱いニッポン」: 日本経済新聞

 米国のCPI 消費者物価指数の発表を受け、円安がまた一段と進んでいるようです。日本経済はこの状況にいつまで抗しきれるのでしょうか。

 

円が32年ぶり安値、一時147円67銭-米CPI発表後に荒い値動き - Bloomberg

 

「参考文書」

9月の米コアCPI、40年ぶりの大きな伸び-大幅利上げに道筋 - Bloomberg