ソニーが「嗅覚測定のDX デジタルトランスフォーメーション」にチャレンジし、キリンは味覚に着目し、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させる独自の電流波形を開発し、それを応用した商品を開発したといいます。
これまでにないハードウェアが登場するようです。
ソニーのにおい制御技術
ソニーが独自のにおい制御技術「Tensor Valve(テンソルバルブ)テクノロジー」を発表し、また、学術研究や企業用途のにおい提示装置『NOS-DX1000』を発売するといいます。
人間は嗅覚を通じて食べ物の魅力を感じたり、気分を落ち着けたりもできる。また嗅覚は腐敗した食品のにおいを嗅ぎ分けたり、煙やガスの臭いを察知したり、身を守るためにも欠かせない感覚の1つだ。(出所:Forbes)
ソニーは、人の感動体験のベースとなる五感の中で、これまで「視覚」「聴覚」の領域に主に取り組んでいましたが、今回、「嗅覚」に関する技術開発テーマを加えることで、新たな価値創出をめざすといいます。また、「触覚」と連動した体験価値の提案も進めていくそうです。
ソニーが嗅覚測定をDX、独自の「におい制御技術」が持つ可能性 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
一方、医学領域においても嗅覚と病気の関係の研究が進み、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、パーキンソン病に代表される神経変性疾患を患った時に、1つの前駆症状として嗅覚が著しく低下するという報告もあるといいます。
それ故、嗅覚能力の測定は、疾患の早期発見にも役立つ可能性があるといいます。
キリン、電気の力で、減塩食の塩味を約1.5倍に
キリンが、明治大学との共同研究で、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させる「電流波形」を開発し、この技術を搭載したスプーン、お椀型の「エレキソルト」デバイスを開発したと発表しました。
電気の力で、減塩食の塩味を約1.5倍に増強するスプーン・お椀を開発 | 2022年 | キリンホールディングス
この食器と塩分を控えた食事をセットで提供して食事満足度を評価する実証実験を、オレンジページなどと共同で9月から始めたそうです。
これまでキリンは、明治大学とともに、人体に影響しないごく微弱な電流を用いて疑似的に食品の味の感じ方を変化させる「電気味覚」の技術の研究を続け、その成果といいます。これによって、塩分の取りすぎという社会課題の解決につなげていくそうです。
ハードウェア開発なくして解決できない社会課題があるのかもしれません。
こうした機器の開発を担える人材がもっと増えてもいいのかもしれません。もっと増えれば、もう少し経済も活発化していくのではないでしょうか。
「参考文書」
ソニー株式会社 | ニュースリリース | 独自におい制御技術Tensor Valve™テクノロジーを開発 学術研究・企業用途の「におい提示装置」発売
ソニーが嗅覚測定をDX化、手作業を機械化した「におい提示装置」の中身 | 日経クロステック(xTECH)