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【経済安全保障】進む円安に国内回帰の動き、グーグルが日本に初のデータセンターを開所へ

 

米グーグルが日本初となるデータセンターを2023年中に千葉県印西市に開設するそうです。また、日本で、設備投資に7億3000万ドル(約1050億円)を投じる計画も公表したといいます。

米グーグル、千葉にデータセンター開設へ-同社としては日本で初めて - Bloomberg

 円安の影響があるのでしょうか。円安の進行や政府からの助成制度を背景に、今後も海外企業による設備投資が加速する可能性があると記事は指摘しています。

データセンター建設などの日本でのインフラ投資は雇用創出なども含めて22年から26年の国内総生産GDP)に計3030億ドルの押し上げ効果をもたらす。(出所:ブルームバーグ

 グーグルは日本とカナダをつなぐ海底ケーブルの準備を進め、23年中に利用開始を目指しているといいます。これらの施策により日本国内での同社サービスの利用がより快適になるそうです。

 

 

 グーグルのピチャイCEOは岸田首相とも会談したそうです。首相は何を感じたのでしょうか。

 一方で、米国ニューヨークでは、「なぜ日本はこんなに安くなった」をテーマにした講演会が開かれ、日本の物価が欧米に比べて安い理由が説明されたといいます。

なぜ日本は“安く”なった? アメリカで講演 専門家一問一答も | NHK | 株価・為替

なぜ日本がこれほど「安く」なったという問題は、日本人だけでなく多くのアメリカ人にとっても非常に関心のある問題だ。ここ数か月、私たちは急激なドル高と円安を目の当たりにしてきた。私たちはグローバルな経済の中で生活し、多くの人々が日本から物を買っていて、その物がより安くなるのを見ているので、外国為替市場がなぜこうした動きをしているのかへのアメリカ人の関心は高い。(出所:NHK

 そう話すのはこの講演会を主催したコロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所デイビッド・ワインスタイン所長。安くて国力が低下する日本が研究対象になるのは、あまりうれしいことではありませんが、それほど常識では考えにくい奇怪な現象ということなのでしょう。

「日本が輸入する化石燃料への依存を減らすことができたり、生産性を向上させることができたりすれば、円高につながる可能性がある」と所長は指摘する一方で、外部要因、たとえば、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の状況が悪化したり、日本がアジアの安全保障上の課題に直面したり、原油価格が上昇したりすれば、さらなる円安につながる可能性もあるといいます。

 現下の状況は今しばらく続くということなのでしょうか。

 

 

 北九州市に本社を置く産業用機器大手の安川電機が500億円以上の投資を行い、供給網を再編、国内生産の比率を5割以上に引き上げるといいます。急激な円安や不安定な国際情勢によって部品調達が途絶えるリスクなどに備え、中国への依存度を減らすそうです。

安川電機 行橋と北九州に2工場新設へ…中国依存引き下げ:地域ニュース : 読売新聞オンライン

 読売新聞によると、小笠原浩会長兼社長は「物流費の高騰やカントリーリスクがあり、まずは中国依存をやめたい。内製化の比率を上げて供給網を強化する」と述べたといいます。

 福岡県行橋市の行橋事業所内に、インバーターの部品工場を建設し、2027年度に稼働させるそうです。また、ロボットの部品工場を北九州市の本社近くに建設し、24年度に生産を始めるといいます。

 

 

 こうした経済安全保障を考慮しての国内回帰の動きには、円安傾向も今しばらく続くということも含まれているのでしょうか。

 これを機に、安定的な雇用が増え、また賃金のボトムアップにつながれば、ウエルカムなことなのでしょう。また、仮に円高に転じても、それに耐え得る生産性を国内のあらゆるところで追求し、その成果を社員に配分していくことも求められるのでしょう。

 いや、そうしなければならないのでしょう。そのための課題も多いのかもしれませんが、それなくして国力の回復はないのでしょう。