Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

終わりそうにない新型コロナとロシアの戦争、続きそうな物価高騰と景況感の悪化

 

 新年度がスタートし、心新たにと行きたいところだが、また新型コロナが拡大傾向にあるのだろうか。BA.2への置き換わりの危惧もあるという。

アジアの新型コロナ感染者が1億人突破、「BA.2」急増 | ロイター

 ロイターによると、オミクロン株の一種で感染力が強いとされる「BA.2」を中心に感染がアジアで再び拡大しているという。1日当たりの新規感染者は、おとなりの韓国が世界で最も多く、世界中で報告される新規感染者の25%を占めるという。また、1日当たりの死者が300人を超えているそうだ。

BA.2による感染が過去数週間、韓国や中国、ベトナムなどで増え、現在は感染の86%近くを占める。(出所:ロイター)

 日本も時間の問題ということであろうか。

 

 

 ゼロ・コロナ政策をとる中国では、新型コロナの感染が拡がり、上海市はロックダウン都市封鎖を始めた。世界有数の経済都市だけにその影響が心配される。

中国上海、ロックダウン延長 2600万人の市民生活制限 | ロイター

 その中国の2022年3月のPMI製造業購買担当者景気指数が49.5と、前月より0.7ポイント低下したそうだ。5カ月ぶりに好不調の境目である50を下回ったという。

中国景況指数5カ月ぶり50割れ 3月、コロナ規制が重荷: 日本経済新聞

22年3月の悪化は、新型コロナの市中感染が急速に広がったためだ。広東省深圳市などが事実上の都市封鎖に踏み切り、サプライチェーン(供給網)が混乱した。調査日は22~25日のため、28日に始まった上海市の封鎖の影響は含まない。ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高も企業心理を冷やしている。(出所:日本経済新聞

 ロシアことばかりに目が向いてしまうが、新型コロナもまだまだ目を離すことができそうにもない。

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 日本では、日銀が発表した3月の短観で、企業の景況感を示すDI 業況判断指数が昨年12月の前回調査から下落したという。景況感の悪化は、7四半期ぶり。

大企業景況感、7期ぶり悪化 資源高、先行きも警戒―日銀短観:時事ドットコム

 新型コロナの感染再拡大に加え、ロシアによるウクライナでの戦争で原材料価格が高騰していることなどが要因という。先行きのDIも低下、資源高などの長期化に企業が警戒感を強めていることがうかがえるという。

 日銀の施策もあり、現状は大幅に円安が進んでいる。輸出企業は利益が膨らむと期待できる半面、原材料の輸入コストが一段と膨らんで利益がさらに圧迫されると懸念する声も多いという。

 

 

 製造業はウクライナ危機による資源高を危惧し、非製造業の景況感は新型コロナの感染拡大に影響されている。

大企業は仕入れ価格と販売価格がいずれも上昇傾向にあると受け止めており、消費者への価格転嫁はさらに進みそうだ。(出所:JIJI.COM)

 このまま急激に終わることのないような物価高騰が続けば、消費者心理をさらに冷やすことになりはしないのだろうか。

「物価高を抑え込もうとしている岸田首相にとって、円安の加速は頭の痛い問題だろう」とロイターが指摘する。しかし、日銀が進める金利抑制策でさらなる円安の懸念は払拭できない。

コラム:黒田総裁の信念と官邸の懸念、内閣支持率低下なら衝突か | ロイター

4月以降の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)が2%台に乗せてジワジワと上がり出し、内閣支持率が低下し始めたら、岸田政権と黒田日銀のベクトルの違いが鮮明になる可能性がある。(出所:ロイター)

 日本経済が復活するきっかけをつかめずにいるように思えてならない。まずは物価の安定が何より求められていないだろうか。そのために解決されなければならない課題が山ほどにあるのだろう。ただどれも中途半端なのままになっているのではなかろうか。