スタートアップが成長していくためには人材が欠かせない。優秀な人材を獲得するために、給与や福利厚生、労働環境など待遇をより良くしていく。また集まる人材は、規模が小さいうちには創業者たちとの距離も近く、パーパスやビジョンを共有できるのかもしれない。
有能な人材を集めた企業はやがて成長していき、いつしか大企業の仲間入りをしていくのだろう。
米国アマゾンもそんな企業のひとつなのだろう。そのアマゾンで初の労働組合が結成されたという。
AFPによれば、労組結成が決まったのは、同市スタテン島(Staten Island)の「JFK8」と呼ばれる施設。従業員投票により可決されたそうだ。
アマゾン、米国初の労組結成 NY施設従業員が可決 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
全米労働関係委員会(NLRB)の開票結果によると、賛成は2654票、反対は2131票だった。(出所:AFP BB NEWS)
会社が成長し、労働環境の維持管理が創業者の手を離れ、専門部隊によって行われるようになれば、どことなく事務的になってしまうこともあるのだろう。人が多く集まれば、意見も多様化していく。労働組合を組織しようと行動する人が現れても何ら不思議なことではない。従業員の不平不満に耳を傾け、より労働環境をより良くしていく機会なのだろう。成長期の経営側にはなかなか受け入れがたいものがあるのかもしれないが。
スタバでも労組結成相次ぐ
米スターバックスのテネシー州ノックスビルにある店舗で労働組合が結成されたという。この店舗で働く従業員が投票を実施し、8対7の賛成多数で結成を決めたという。人手不足が続く中、労組結成の動きが広がっていているそうだ。
米南部初のスタバ労組、店舗従業員が投票で結成決める | ロイター
ロイターによると、米国で組合を結成する9番目のスタバの店舗となったそうだ。その前の週には、スターバックスのホームタウンであるシアトルの店舗従業員が9対0の賛成多数で労組加入を承認したという。
投資家の中には、スタバが何年もかけて従業員に優しい職場という評価を築いたことを指摘し、組合に対して中立的な立場を取るよう同社に求める声もある。(出所:ロイター)
そのスターバックスでは、創業者ハワード・シュルツ氏が暫定CEOとして復帰するという。
現CEOのケビン・ジョンソン氏が退任し、秋までに後任者を探す間の措置という。
ハワード・シュルツのCEO暫定復帰、スタバの失態を露呈 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
スターバックスが後継者育成や緊急時計画で失敗した結果とForbesはいう。
スターバックスの株価は過去1年で約24%下がっている。同社は賃金やトレーニング、原料などのコスト増加に直面。社内では労働組合結成の動きも勢いを得ている。(出所:Forbes)
暫定役員を設けることが必ずしも悪いわけではないとForbesは指摘し、後継者の教育のため、暫定職に誰かを任命することが良い場合もあるという。
下落した株価からすれば、スタバも曲がり角ということであろうか。創業者シュルツ氏のビジョンが時間とともに形骸化したということなのかもしれない。
スターバックスは従業員をパートナーと呼び、そのつながりを何よりも大切にしてきたはずである。そこにひびがあるとしたら、業績に影響があっても不思議ではないのかもしれない。
創業者シュルツ氏の元で、これからも増えるであろう労働組合との良好な関係が模索されればいいのだろう。
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日本ではどうなのだろうか。同じように賃上げや人手不足の問題が抱えてはいないだろうか。従来の春闘頼りではない動きが起こってもいいのではなかろうか。