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「Go To」で動き出す日本 赤からオレンジに変わった東京のコロナ警戒レベル

 

 東京都の新型コロナの感染状況の警戒度を示す指標が1段階下がり、レッドカラーからオレンジに変わった。といっても、新規感染者が足元で急激に減じたわけではない。まだ警戒を続けていかなければならないのだろう。

 様々な憶測があるのだろうが、23区で続いていた時短営業要請が解除となるようだ。

 日本経済新聞によれば、小池百合子知事は記者会見で「(営業時間の短縮は)一定の効果があった。感染拡大の防止と経済活動の両立を図るために要請を終了する」と話したという。再延長で店舗側の反発が強まり、さらなる協力金で財政が一段と苦しくなることを避ける狙いもあったとみられると指摘する。

 

www.nikkei.com

 

 新規感染者が減少傾向になり、「Go To トラベル」に東京を含めるようになり、「Go To イート」も始まるようだ。やはり心配になる。また感染増加になったりはしないのだろうかと。心配性過ぎるのかもしれないが、いつまでもコロナのことを心配したくないのが本音なのだろうか。大々的なキャンペーンはもう一段落ち着いてからにして欲しいと思う。政策だから後戻りできないのだろうか。

 キャンペーンがなくても人は行動するのだろうから、無理する必要があるのかと疑問がわく。もっとコロナ対策に注力できないのだろうか。

 

 

 

 政策は評価されることより、批判されることの方が多いのかもしれない。しかし、それが将来において禍根になることがなければ、大げさな反応もいかがなものかと思う。

 そうは思うが、「2050年までに16%経済縮小」と指摘するブルームバーグの記事が気になる。

 

長期経済予測の最大の下振れリスクは、構造改革の停滞や進捗の遅れだ。労働市場から財政健全化まで、いくつかの重要な改革がアベノミクスの過程で何度か延期された。コロナショックはそれらをさらに遅らせる可能性が高いと思われる。

一方、大きな上振れリスクもある。コロナショックは、これまでの経済の担い手の中心だった製造業からサービス業へのシフトを加速させ、民間・公共部門におけるワークフローのデジタル化に拍車を掛け、省力化技術や柔軟な働き方を促す投資を後押しする可能性がある。生産性が大幅に改善すれば、経済は再び拡大する。 (出所:ブルームバーグ

 

 経済予測だから絶対というものはない。まして、次の政権がうまく立ち回り、挽回だってあるのかもしれない。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 このコロナの経済対策は、コロナ渦を名目にして、さらにバラマキになってはいないかと危惧する。

 日銀の企業の資金繰り支援は、企業破綻を回避する上で一定の評価を得ているというが、一方で、必要以上に支援を長引かせれば、企業の生産性向上を妨げ、日本経済の長期的な停滞にもつながりかねないとの懸念が浮上しているとブルームバーグは指摘する。

 

長期間の支援が中小企業の労働生産性向上を妨げ、「ゾンビ企業がいつまでも残ってしまった」と指摘。必要以上の長期化は「コロナ対策ではなく、市場規律の部分で負になる」との見方を示す。

日銀のコロナ対応オペは当面、来年3月末までの予定。しかし、武藤氏は新型コロナの終息時期が不透明で、経済も弱いままであることからオペを継続せざるを得ないとみている。

過去の経済政策で繰り返されてきたように、「一度政策を始めると止めるのは難しい」と語った。 (出所:ブルームバーグ

  

www.bloomberg.co.jp

 

 ブルームバーグによれば、日銀の黒田東彦総裁は、退出すべき企業が長く生き延びて経済全体にマイナスになるという「ゾンビ企業論」が「今の時点で議論になり、深刻になるとは思っていない」と懸念を否定しているという。経済回復のスピードが緩やかであることを理由に、資金繰り支援は「まだかなり続ける必要があるのではないか」と述べたそうだが、アベノミクスが始まって以来、その施策に大きな変化がないような気がする。長い目で見たときに、果たして効果的な施策なのだろうかと一抹の不安もある。

 

 

 

  西日本新聞は、地方の声を紹介する。

 「恩恵とひずみがあった7年8カ月でした」とアベノミクスの目玉の一つ「観光立国」を評価する由布岳の麓で旅館「由布院玉の湯」を経営する傍ら、由布院温泉観光協会常任顧問を務める桑野和泉さんの声を西日本新聞が紹介している。

 

今年はコロナ禍で安倍政権が誇った果実も消えた。「以前から地域に寄り添った施策を打っていたら、観光業界もここまで痛手を受けなかったかもしれない」

 業界支援として政府が7月から始めた「Go To トラベル」。コロナ感染が再拡大する中でのスタートに批判が殺到し、7月の豪雨で甚大な被害が出た熊本県南部などは事業どころではなかった。やはり地方の視点は欠けていた。 (出所:西日本新聞

  

www.nishinippon.co.jp

 

 インバウンド客はいつ戻ってくるのだろうか。それまで「Go To」で支えることはできるのであろうか。

 

 「一律ではなく、地方に実施時期や内容を任せればよかった。地域と向き合って丁寧に説明したり、地域が考える時間をつくったり…。安倍さんの苦手なことだったのでしょうか」と話す桑野さんの言葉が印象的だ。

 

 いつの間にか、同調圧力が強まる社会が出来上がってしまった。もしかしたら、こんなことがその原因なのかもしれないと感じた。

 

 

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