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テクノロジーと仮想通貨を規制した中国 恒大集団経営危機、電力不足、じわりと世界経済に及ぼす影響

 

 中国不動産開発の大手 恒大集団がまた利払いしていないそうだ。

 ロイターによれば、遅延は9月で2度目で、2024年3月満期債(クーポン9.5%)に対する4750万ドル(約53億円)の利払日が29日だったという。

 格付け大手のフィッチ・レーティングスは29日までに、恒大集団の外貨建て長期発行体格付けを「CC」から「C」に引き下げたと発表したそうだ。

中国恒大、格下げ 「デフォルト近い」―フィッチ:時事ドットコム

 JIJI.COMによれば、「C」は「デフォルト(債務不履行)が近い状態」らしい。

 

 

 恒大集団が、保有する盛京銀行の株式17億5000万株を99億9000万元(15億ドル)で売却すると発表としたとロイターが報じる。

中国恒大、ドル建て社債の利払い日再び到来 市場が身構え | ロイター

盛京銀は株式売却による収入全額を同行グループに対する関連債務返済に充てるよう求めている。

こうした動きは、恒大集団が海外の社債保有者よりも国内の債権者を優先する姿勢を改めて浮き彫りにした。 (出所:ロイター)

 ロイターによれば、中国人民銀行中央銀行)も動いているという。それによれば、27日、住宅市場にさらされている消費者を保護すると表明し、銀行システムにさらなる流動性を供給した。

 深圳市当局は恒大の理財商品関連部門の調査に着手し、当局が悪影響を抑えるために動く兆しが強まったという。

これらを好感し、ここ数日は本土系不動産株に対するセンチメントは改善し、中国恒大の株価は29日、一時15%上昇した。 (出所:ロイター)

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 恒大集団の債権者が利用する対話アプリの「ウィーチャット微信)」で、少なくとも8つのインスタント・メッセージング・グループの機能が制限されたという。

微信、恒大債権者のメッセージンググループの機能制限=関係者 | ロイター

 それによれば、住宅購入者や個人投資家がここ数週間、複数の都市で抗議活動を展開、多くの債権者がウィーチャットなどのソーシャルメディアを通じて不満を訴えていたそうだ。

 着々と外堀を埋めつつあるのだろうか。

 

 

 電子商取引大手のアリババ・グループが傘下のアプリで、競合するテンセンの決済サービス「ウィーチャットペイ微信支付)」を使えるようにしたそうだ。

中国アリババのアプリ、競合決済サービスが利用可能に 政府が指示 | ロイター

 政府がIT大手に互いのサービスの利用を遮断する慣行を停止するよう命じたことを受けての動きという。工業情報省は、こうした指示に従わない場合は、何らかの措置を取ると警告していたそうだ。

 テクノロジー企業への規制強化は功を奏しているのだろうか。

アングル:中国の電力不足、恒大問題より影響大か 動く投資家 | ロイター

「中国各地で工場の一時停止を引き起こしている電力不足は、中国恒大集団の債務問題よりも経済にはるかに大きな脅威となる可能性がある」とロイターが指摘する。電力不足が深刻のようだ。

中国は、石炭の供給不足や排出規制の厳格化、製造業などからの強い需要を背景に電力不足に直面しており、使用量を制限する動きが拡大。電力不足に加え、エネルギー目標や二酸化炭素(CO2)排出削減目標の達成を求める政府の指示を受け、稼働を一時停止する工場が出ている。 (出所:ロイター)

「この問題の潜在的な規模について、今月に不動産株や債券を揺るがした恒大集団の流動性問題による影響をはるかに上回る」と投資家が考えているそうだ。

 

 

 続々と規制して問題を生じさせては、それほど時間をかけずに収束させていく。それが、アフターコロナ、ウィズコロナの中国のスタイルということなのだろう。リーマンショックのあと、世界経済をけん引した中国はもういない。規制強化がこれからの世界のトレンドになっていくのだろうか。それがじわじわと世界経済に影響していくのかもしれない。