半導体不足がエアコンの供給の遅延や減産につながっているといいます。
パナソニックや三菱電機、富士通ゼネラルといったエアコンメーカーが、 半導体不足の影響でエアコンの供給不安や、納期の遅れを家電量販店に伝えているといいます。
半導体不足、その影響範囲が拡大しているのでしょうか。
米半導体メーカTIテキサス・インスツルメンツの7-9月(第3四半期)の見通しが、売上高で44億-47億6000万ドル(約4850億-5250億円)と、一部のアナリスト予想を下回る水準だったといいます。
それを受けて、半導体業界の前例のない投資急増が行き過ぎてしまい、数年先に大規模な生産能力を持っても需要の減退で利益に打撃を受けるとの懸念が強まっているとブルームバーグはいいます。
それによると、TIの4-6月(第2四半期)売上高は41%の大幅増加だったそうですが、7-9月期の見通しが困惑を招き、アナリストたちはTIが楽観的でない理由や、景気循環型産業として知られる同業界の最初の減速の兆候なのかどうかについて会社側に質問を浴びせたといいます。
これに対し経営陣は、需要のピークや、現在のレベルの成長が持続可能かどうかは予測できないと警告。
ラファエル・リザルディ最高財務責任者(CFO)は、「われわれの仕事は将来の予測ではない。会社が何にもでも対応できるよう準備することであり、それを行った」とインタビューで説明。「今回は違うと主張する人もいるが、それは危険な議論だ」と述べた。 (出所:ブルームバーグ)
TIは何か変調の兆しを感じとっているのでしょうか。
TSMC台湾積体電路製造の創業者である張忠謀氏が先月7月16日、世界各国が取り組む自国内で半導体サプライチェーンを再構築する動きについて、コストが膨らみ、自給自足の達成もおぼつかなくなると警鐘を鳴らしたといいます。
「過去数十年に及ぶ自由貿易が半導体技術の発展を大きく後押しした」と指摘。「技術の複雑化がサプライチェーンのオフショア化につながった」とし、「時計の針を戻そうとすれば、コストは上昇し、テクノロジーの進歩は鈍化するだろう」と語った。 (出所:ブルームバーグ)
そのTSMCが2023年にも、日本で半導体生産を始める方向で最終調整に入ったといいます。ブルームバーグによれば、主としてソニーグループのイメージセンサー向け半導体を生産する見通しだといいます。
計画実現に向けては、日本側がTSMCに補助金などの条件を十分に提示できるかどうかという面もあり、課題は残っているといいます。
日本の他にも米国やドイツで生産との報道も流れています。いずれにせよ、半導体不足の解消は、TSMC次第ということなのでしょうか。