中国の露骨さと徹底ぶりには脱帽します。今度は、オンライン保険への監視が強化されるようです。
「次の締め付け標的か」とブルームバーグが報じています。
それによると、規制当局は企業と地方当局に対し、不適切なマーケティングや価格設定の慣行に歯止めをかけ、ユーザーのプライバシー保護を強化するように命じたといいます。これらの問題に自主的に取り組むよう各企業に促し、順守できない場合は「厳しい罰」を受けることになるとしているそうです。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、行き過ぎは許さず、適正をとり戻そうとしているのでしょうか。
今回の広範な命令は、保険テクノロジーの新興企業ウオータードロップ(水滴)や中国平安保険(集団)が支援する事業など一部の上場企業を対象にした措置を越える内容だとブルームバーグが指摘しています。
中国のアリババ・グループで起きた女性従業員へのセクハラ問題が明らかになったことを受けて、中央規律検査委員会がビジネス上の飲酒に関わる「不快な」文化を非難したといいます。
中央規律検査委員会は、ウェブサイトで公開した通達で「この事案では、労働環境における不健全な動き、飲酒の不快な文化、問題報告時の透明性の欠如が、暗黙の決まりとして根深くまん延していることを明らかにした」と指摘。酒を飲むことを強制するといった「暗黙の決まり」を打破するよう呼び掛けた。 (出所:ロイター)
ロイターによると、張勇CEOは、性的暴行を加えたとされるマネジャーを解雇し、性的嫌がらせ防止に向けた制度を確立すると表明したといいます。
古来からある文化でも、行き過ぎがあれば、切り込んでいく規制当局の徹底ぶりには少々驚きます。
こうした中国当局の規制の影響なのでしょうか、ソフトバンクグループの株価がさえないといいます。
SBGの孫社長が、「世界のAI技術の革新の中心は2つあって、米国と中国であると思っています。ですから、今後とも中国におけるAI技術そしてビジネスモデルの革新はどんどんと続いていくんだろうと強く信じております』と述べたといいます。
「中国の将来性について疑念を抱いているかというと、それも全く違います。ただ、新たな規制、新たなルールが今はじまろうとしているばかりですから、もう少し様子が固まるまで、我々としては様子を見てみたいと。おそらく1年2年すれば、新たなルールのもと、新たな秩序がもう一度しっかり構築されると私は信じております」。(出所:TechCrunch)
当局の狙いは何なのでしょうか。表向きには、「新たな秩序」、規律ある業界、適正な成長を求めているということでしょうか。米国を追い抜こうと思えば、同じような市場である必要性はなく、米国が抱えるであろう問題に早めに対処、規制管理しておこうということなのでしょうか。
中国当局は今年に入ってフィンテック分野に対する規制を強化。その後、教育テクノロジーや配車サービス、短編動画プラットフォームの他、最大手テクノロジー企業の一部に対しても締め付けを強めている。 (出所:ブルームバーグ)
あって便利ではあっても、なくてはならないものかといえばそうではないのかもしれません。合理性があるのかもしれません。
行き過ぎ、過剰に走る米国と規律を求める中国との構図がしばらく続くのでしょうか。それはそれでバランスがとれていいことなのかもしれません。
それにしても、この規制強化で、SBGの株価が低迷しているなら、SBGにとっては迷惑な話なのでしょう。こうしたことも狙いだったりするのでしょうか。