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【規制強まる中国 2】容赦ないテクノロジーへの締め付け テンセントへの口撃

 

 いいのやら、悪いのやら。 中国のIT大手のテンセントが、未成年者に対するゲーム時間を制限する方針を発表したといいます。

 ブルームバーグによれば、平日は1時間、休日は2時間までとするそうです。また、12歳未満の子供にはゲーム内の購入も禁じる計画といいます。具体的には踏み込まなかったものの、12歳未満に対しては業界全体でゲームの全面禁止を探る可能性も提案したといいます。

www.bloomberg.co.jp

 新華社通信系の国営紙・経済参考報が、ゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」だと批判したことの影響なのでしょうか。テンセントの下落が止まらないようです。

 

 アリババグループの4-6月の売上高の発表があったといいますが、ここ2年で初めて市場予想を下回ったといいます。

 インターネット事業に対する中国当局の取り締まり強化の影響が表面化したとブルームバーグは報じます。

クラウドから電子商取引まで主要な事業分野全てで成長が鈍化し、政府が次々と打ち出す規制が事業拡大を抑制し、企業負担を増やしているとの懸念が強まった。 (出所:ブルームバーグ

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最高経営責任者(CEO)のDaniel Zhang氏は、アリババのエコシステム全体で4~6月期にグローバルなアクティブコンシューマー数は11億8000万人に達し、前期から4500万人増加したと述べた。そのうち、9億1200万人は中国の顧客だ。アリババは長期的な成長にフォーカスし、事業に投資しているとZhang氏は言う。 (出所:ZDNet Japan

 CEOはもう穏当なことしか述べないのかもしれません。危険を冒して、当局に目を付けられては元も子もありません。 

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テンセント・ホールディングス(騰訊)の創業者、馬化騰(ポニー・マー)はここ9カ月間でアリババグループやアント・グループを創業した馬雲(ジャック・マー)氏より大きく資産を目減りさせている。 (出所:ブルームバーグ

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 テンセントはアリババと比べ、当局に抗うことなく、うまく切り抜けているように見えていたとブルームバーグはいいます。

 アリババには多額の罰金が科せられ(約3060億円)、テンセントへの口撃は、はまるで違った罰金が科せらているようです。

 

 

 中国のテクノロジー企業に対する締め付け強化は、どんな実利を生み出すのでしょうか。投資家を始め、これに関わった多くの人たちが痛みを感じているのかもしれません。

 無謀な行為とみるのが普通なことに思われますが、当局には何か違った大義が存在するのでしょう。

 成長が見込まれるテクノロジーを擁護するより、ものづくり、製造業を擁護する方が遥かに価値があるということなのかもしれません。その方が、国内外を問わず、より影響力を行使できるということなのでしょうか。 

ソフトバンクグループがアリババ始め、その中国に多額の投資をしています。傾注し過ぎることはリスクが伴うことでもあるのでしょう。そうはいっても、こうした事態になっても、まだ中国から撤退する理由にはなっていないようですが。

 

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