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急減速の米テスラ人員削減へ、EVシフトの再加速はあるのか

 米テスラの業績がさえず、EVシフト熱が急速に冷え込んだかのようです。日産自動車とホンダがEV 電気自動車で提携する検討を始めると発表し、出遅れる日本EVが巻き返しを図る号砲かと思いましたが、空砲で終わることになるのでしょうか。

日産自動車とホンダ、EVや車載ソフトでの提携検討を発表 - 日本経済新聞

 ここでブレーキを踏まずに前に進めれば、遅れの挽回となり、日本の自動車産業の構造転換を促し、競争力を一段高めることができるのでしょうか。

 

 

 テスラの失速原因を分析できれば、EVシフトを再加速させることもできそうな気がします。

【最速解説】なぜ、EV王者テスラが「急失速」しているのか

失速の主な理由は、非従来的なデザインと現在のターゲット層とのミスマッチ。著名批評サイトのコンシューマー・レポートでは、新型モデル3について「運転しながらダッシュボード画面でほとんどの設定をするのは、非常に気が散る」とレビューしています。(出所:NEWSPICKS)

 オンライン販売のため、ショールームが少なく、アフターサービスに対する苦情も目立つといいます。一理あるのででしょうが、これがすべてではないような気もします。

構造改革

 テスラは、足元の需要急減を理由に世界の従業員の10%以上を削減するそうです。

テスラ、世界の従業員の10%以上を削減へ-EV需要が減速 - Bloomberg

「次の成長段階に向けて準備するに当たり、コスト削減と生産性向上のために会社のあらゆる面を見直すことは非常に重要だ。この取り組みの一環として組織の徹底的な見直しを行い、全世界で10%以上の人員削減という難しい決断を下した。これほど嫌なことはないが、やらなければならない」と、イーロン・マスクCEOは説明したそうです。

 最新モデル「サイバートラック」の生産は遅れ、3万ドル以下の価格となる低価格モデルの投入までは、困難が続くとみられ、いいタイミングでの人員整理なのかもしれません。

 テスラの次の成長エンジンは何になるのでしょうか。低価格モデルそのものなのか、それとも、この低価格EVプラットフォームを活用した自動運転タクシーなのでしょうか。

テスラ、自動運転タクシーについて8月8日に発表-マスクCEO - Bloomberg

 FSD(Full Self Drive)自動運転ソフトについて、このタイミングで何かアップデート情報等があるのでしょうか。

 

 

 テスラとシェア争いを続ける中国 BYD(比亜迪)も足下でEVの販売台数を減少させています。価格面で優位性があるにもかかわらずです。なかなかスムーズにEVシフトは進まないのかもしれません。乗り越えるべき壁がまだ多々ありそうです。それともテスラの自動運転が刺激となって、それをテスラが牽引することでEVシフトに火がつくことになるのでしょうか。

 

 気になるのは国家間の対立です。それがこれからのEVシフトの足枷になるかもしれません。その壁を乗り越えるにはまだまだ解決すべき問題がありそうな気がします。

 

 

「参考文書」

マスク氏、テスラが低価格車の計画取りやめとの一部報道を否定 - Bloomberg

テスラ、低価格EVから撤退か 中国勢との競争激化で - 日本経済新聞

テスラはFSD12で将来の完全自動運転の実現を確信した模様