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EVシフト急減速、中国小米参入、激しさ増す競争環境

 EVシフトの急減速、一時の熱狂がうそのようです。米テスラの販売数も落ち込み、猛烈な成長痛に苦しんでいることを示しているといいます。

「S&P 500で最悪」に沈んだテスラの株価は復活できるのか? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 テスラの時価総額はピーク時には1兆ドルを超えましたがが、それ以降の市場環境の悪化で株価は大きく下落、他の米国EVメーカも同様で、Rivian(リビアン)は年初から約50%下落、Fisker(フィスカー)は今では倒産の危機に瀕しているといいます。

 

 

 中国のスマートフォン大手 小米(シャオミ)がEV「SU7」を中国で販売を開始しました。標準モデルグレードの価格は21万5900元(約450万円)からとし、テスラへの対抗姿勢を打ち出しているといいます。

シャオミ株16%急伸、初のEVが人気 大幅赤字の試算も | ロイター

 発売開始から27分で5万台を受注し、株価は香港市場で急伸したといいます。ただシャオミも「SU7」が赤字になるとの見通しを示し、アナリストの分析では1台当たり1万ドル近い損失を出すことになると試算しているといいます。今年の販売予測6万台からすると、総額41億元の純損失が発生する可能性があるそうです。

 価格帯が20万─30万元のEVは、最終的にどのメーカーも負け組になる可能性があるといいます。

 EVシフトに課題に期待、熱狂し過ぎただけのような気がします。参入メーカが増えたにもコストは思いのほか下がらず、また充電インフラの整備も進んではいないようです。自動車が馬車をあっという間に飲み込み、市場を席巻したようなイノベーションにならないのかもしれません。

 

 

 エンジン車に比し構成部品も少なく誰もが容易に参入可能といわれていました。部品を買い集めることができれば良さそうな雰囲気さえありました。しかし、今を見れば勝ち残れる企業はそう多くなさそうです。意外に技術的なハードルが高いということなのかもしれません。継続的にコストダウンを可能とする製造ノウハウとそれを支える固有技術、高価になっているバッテリーやモーターなどの基幹部品の要素技術とそれを低廉化する技術開発がなければならないのかもしれません。

 グローバル化の進展の反動が現れているような気もします。重要なところを世界の工場となった中国に抑えられ、新たな国際競争環境下ではそれが足枷になっているということはないでしょうか。

 これからのイノベーションとは市場を席捲し、支配することではないのかもしれません。デジタルが市場を席捲したかのように見えましたが、アナログ的なもの、リアルなものが完全に淘汰されていないのですから。デジタルは万能ではなかったようです。急成長を期待し過ぎることが間違いなのかもしれません。もうそんな時代ではないということであるのかもしれません。

 

「参考文書」

テスラの納車台数、予想を大きく下回る-前年比減少は2020年以来 - Bloomberg

「シャオミカー」450万円でTesla対抗くっきり、発売27分で5万台受注 | 日経クロステック(xTECH)