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空飛ぶクルマ、実用化に近づく中国、開くばかりの実力差

 eVTOL 電動垂直離着陸機「空飛ぶクルマ」、大阪・関西万博やパリオリンピックで試験的な運航が始まり、今後モビリティの革命を起こすと期待されているといいます。2030年代には本格的な社会実装が想定されているそうです。

「空飛ぶクルマ」が旅を変える 好きな時に好きな場所へ - 日本経済新聞

 旅がストレスになることもあります。移動が集中するお盆や年末年始は、自動車は大渋滞に巻き込まれ、飛行機や新幹線は混雑し、希望する時間に予約が取れなかったり座席が窮屈だったりします。移動の選択肢が増え、そんなストレスが解放されるのであれば、「空飛ぶクルマ」はいいのかもしれません。

 

 

 デベロッパー大手の三菱地所が「空飛ぶクルマの社会実装に向けた都心でのヘリコプター運航実証」を実施したそうです。

東京駅とお台場を結ぶ空飛ぶクルマ適正値段、「丸ビル」屋上で考えた | 日経クロステック(xTECH)

 実証実験は、ゆりかもめ青海駅南側特設会場や東京ヘリポート新丸ビル屋上にあるヘリコプターの緊急離着陸場を結ぶ航路をヘリコプターを使って行われたそうです。日本の都市部で実証に使える「空飛ぶクルマ」の機体がまだないことが理由といいます。今回、価格は1人1万7600円、約70席が満席になったそうです。

 青海駅特設会場から新丸ビルまでの飛行時間は10分ほど、通常青海駅から東京駅へは、ゆりかもめなどの鉄道を使って30分以上はかかるので時短効果はかなりあるのではないかといいます。ただ安全面から、高層ビルの屋上を活用した都心部の運航実現には時間がかかりそうで、まずは空港とリゾート施設などを結ぶ路線や、アウトレット施設など観光地での遊覧飛行から市場が立ち上がっていくのではなかろうかといいます。

 

 

 一歩先行く中国では、「低空経済」という政策で、空飛ぶクルマやドローンを積極活用していくようです。地上から1kmないし3km以内の低空域を有効に活用し、経済成長につなげる狙いがあるといいます。

空飛ぶクルマ、26年の産業規模2千億円へ - NNA ASIA・中国・運輸

「空飛ぶクルマ」の開発する中国企業オートフライト(峰飛航空科技)は、5人乗りの機体を使った都市間輸送のデモンストレーション飛行を成功させたそうです。広東省深圳市の蛇口港から対岸にある珠海市の九州港までの往復100キロメートル超を飛び、自動車なら約3時間の所要時間を約20分に短縮できることを実証したといいます。

 今年2024年に空飛ぶクルマ産業の商用化が爆発的に進み、規模が大幅に拡大するそうです。 空飛ぶクルマの運航に必要な型式証明の取得も進んでいるといいます。また地元深圳市政府は、補助金支給などを含めて手厚いサポートを準備し、企業誘致と産業育成に強い意欲を見せているそうで、補助額は最大2000万元(約4億1786万円)になるといいます。

(出所:三菱地所

 欧米から批判の多い中国の補助制度ですが、それはそれとして、新たなテクノロジー開発、具現化、社会実装するスピードが突出しているとも感じます。力の差が開いていそうです。日本の空を飛ぶ「空飛ぶクルマ」が中国製ばかりになってしまうことはないのでしょうか。

 

「参考文書」

中国の空飛ぶクルマ「100km超のデモ飛行」に成功 オートフライト、商用運航の実現へ一歩前進 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン

中国がリードする「空飛ぶクルマ」実用化競争 国家レベルで「低空経済」発展を後押し、開発で先行していた日米欧が後れを取る可能性も | マネーポストWEB

 

~空飛ぶモビリティで、まちに、人に、次の豊かさを~ 空飛ぶクルマの社会実装に向け、都心でのヘリコプター運航実証を開始(三菱地所)