日本IBMが、中途採用1000人、DX人材拡充と日本経済新聞が報じる。
「DX案件では、顧客企業の課題と事業変革に対する要望を丹念に聞き出す必要があるが、そういった高度人材は全く足りていない」と日本IBMの山口明夫社長が話したという。
基本知識として、情報システムやクラウド、AI人工知能などに、それ相応に熟知し、顧客課題を一緒に解決していく能力が求められるということなのだろうか。
逆に言えば、顧客となる企業は、最新技術を学び、それを社内導入することで生産性や効率化の改善につなげることができていないということなのだろうか。
最近のDXデジタルトランスフォーメーションの報道を見ていると、高度なDX人財に固執するばかりにハードルを高くしているような気がしてならない。ハードルを高くすれば、それだけ専門企業の利益につながるということだけのような気がする。
何のスキルが、どこまでのレベルで、ほんとうは必要になっているのであろうか。
Business Insiderによれば。三菱ケミカルホールディングスが2021年2月の事業説明会で、新たなビジョンである「DXグランドデザイン」を発表したという。
「小さな改善を積み重ねることはDXでない、とも言われますが私はそうは思いません」
三菱ケミカルでDXを率いるCDOの浦本直彦氏の言葉をBusiness Insiderが紹介する。
デジタル技術はあくまでも“道具”であり、ビジョンを実現するために使うものです。
まずKV30が目指す先にあり、その下にDX戦略があるという位置づけです。ただ、トップダウンで『これが戦略だからやってほしい』と押しつけても機能しません。そこで戦略の実行を担う各事業会社のDXリーダーと議論を重ねて、一緒に作り上げました。 (出所:Business Insider)
デジタル化は道具にすぎないということには、大いに賛成できる。
何をしたいのかと、最新テクノロジーで何ができるかの探求が融合すれば、トランスフォーメーションが起こる。使うテクノロジーが「デジタル」であれば、それがDXデジタルトランスフォーメーションということに他ならないような気がする。
「米景気回復、DXが寄与」生産性2.6%上昇、10年ぶり伸び率と日本経済新聞が報じる。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速も見逃せない。コロナ禍で労働現場の自動化が進み、20年の生産性は2.6%上昇して10年ぶりの高い伸びとなった。米経済のダイナミズムを印象づけるが「雇用なき回復」の様相も強まっている。 (出所:日本経済新聞)
米ハンバーガーチェーンのマクドナルドは、20年からドライブスルーの注文時に自動で音声認識して人手を省く人工知能(AI)システムの導入を始めた。コロナ禍で店内営業が制限され、売上高の70%はドライブスルーになった。店頭の「渋滞」が日常茶飯事となったが、AI導入で商品提供を30秒ほど早められるという。 (出所:日本経済新聞)
マクドナルドの着想はどこから得たのだろうか。現場にあった光景であったのだろうか、それとも損益計算書の固定費の高さが気になったのだろうか。
時々の環境によって、経営課題は変化するのかもしれないが、その本質のところは結局、顧客満足と生産性や効率性の改善ということに尽きるのかもしれない。
かつて携わっていたPC周辺機器のビジネスで、世界1位、2位のシェアを競っていた。その時はDXとは意識せずに、如何に最少人数で経費を抑え効率的にオペレーションするかに集中していた。
その時手助けしてくれたのが、最新のデジタルツールだった。
昨今はそのツールが目覚ましく発展している。その意味からもパートナーシップが求められるているのかもしれない。チーム作りとパートナーを見定める目がより何よりも重要になっているのだろう。