13日夜の地震の影響でルネサスエレクトロニクスの茨城県にある那珂工場の操業を停止したと聞いたときには肝をつぶした。NHKによれば、特段の被害はなかったとして16日から生産を再開することになったという。順次、製造装置を立ち上げ、今月21日ごろには地震発生前の生産水準に戻る見込みだという。
米国では、バイデン大統領が大統領令に署名、「重要な製品」のサプライチェーンに関する広範な調査を実施する見通しだとc/net Japanが伝える。
米国家経済会議(NEC)と米国家安全保障会議(NSC)が中心となり100日間の調査が実施され、半導体不足が主要な問題として調査されるという。
大手半導体メーカーらがBiden大統領に対し、経済対策やインフラ計画の一環として、半導体製造の優遇措置を求める書簡を共同で送付したと報じられた。
Intel、Qualcomm、AMDらは書簡の中で、「大規模な財政的支援」と「助成金」を要請した。韓国や台湾ではなく、米国で生産することをメーカーに促す狙いがあるようだ。 (出所:c/net Japan)
国内では、梶山経産相が、台湾の半導体受託生産大手のTSMCが日本に研究開発の子会社の設立を決めたことについて「歓迎する」と述べ、国内半導体産業の活性化に期待を示したとロイターが報じた。
政府が政策の柱と位置付けるデジタル化やグリーン化でも先端的半導体は重要になるとの認識を示し、「こういう産業を支える中で、もう一度半導体のサプライチェーンをしっかり作っていく必要がある」と述べた。 (出所:ロイター)
また、「しっかりと必要な分だけ得られるようなサプライチェーンを考えていかなければならない。そういう面では米国と情報を共有する面もあるだろうし、連携する面もあると思う」と梶山経産相が話したという。
半導体の国際分業体制に変化は起きるのだろうか。国内半導体産業の復権はあるのだろうか。
ウエスタンデジタル、HDDとNANDフラッシュメモリを使った製品の開発や製造に強みを持ち、今ではデータインフラソリューションで世界をリードする会社だ。そのウエスタンデジタルが日本の半導体産業に期待を寄せているとITmediaビジネスオンラインが伝える。
「日本の半導体業界が持つ大きな可能性――「日本は顧客と生産という2つの視点で極めて重要な国」ウエスタンデジタル生産担当役員が語る」という記事で、日本の生産部門の陣頭指揮をとる、ウエスタンデジタルコーポレーション・バイスプレジデントのマイトリー・マハジャーニ(Maitreyee Mahajani)氏にインタビューする。
日本は形を変えて半導体の開発・生産、関連メーカーとして極めて重要な存在であり、今後も伸び続けると予想される需要のなかでユニークなポジションを築いていけるという。(出所:ITmediaビジネスオンライン)
そのウエスタンデジタルは、三重県四日市市と岩手県北上市の生産拠点を持ち、キオクシアと共同で世界のNAND供給の約35%を担うという。
マハジャーニ氏は、データセンターなどにおけるデータインフラがますます重要になってきているという。
クラウドコンピューティングのような仕組みのニーズは高まっており、われわれはこのトレンドをとてもポジティブなものとして捉えています。
さまざまなものがオンラインで行われるコロナ禍のトレンドにおいて、大量のデータを記録する当社のデータインフラは非常に重要な立ち位置にあると言えます。 (出所:mediaビジネスオンライン)
さらに、「半導体業界ではAIやマシンラーニングの世界での革新も期待でき、今後もさらに大きな可能性が開かれていると思います」といい、若手技術者に期待し、若い世代には「この業界はまだまだ成長を続けている」とどんどん訴えていくべきですという。
今ある状況からすれば、なぜあの時、多くの企業が半導体から撤退してしまったのだろうかと思う。苦しくとも続けていれば、最先端のハードウェアばかりでなく、デジタル技術でも世界をリードできる存在で居続けていたのかもしれない。
あの時の「集中と選択」とは一体何であったのであろうか。
「参考文書」