Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素と半導体】混乱する台湾、半導体産業を揺るがす

 

 世界的な半導体不足もあって、ことさら台湾のことが気になるようになった。ワクチン不足で新型コロナの感染者数が急増し始めた5月、 台湾にとって「目下必要になるのはワクチンだ」とブルームバーグが報じた。

www.bloomberg.co.jp

 台湾の公衆衛生上の緊急事態は、域内経済の重要な柱である半導体産業の混乱を招く可能性があると、記事は指摘していた。その後、日本からのワクチン供給が始まった。台湾の状況はどうなっているのだろうか。 

 

 

 NNA ASIAによれば、半導体封止、検査大手のKYEC京元電子が7日、新型コロナの感染拡大で外国人労働者約2,100人が2週間の出勤停止となったことにより、6月の生産量が30~35%減少するとの見通しを示したという。従業員全体の約3割を外国人労働者が占めており、既に4日夜から48時間にわたって工場の稼働を全面停止するとの発表もあったという。

www.nna.jp

 同社はモバイル端末向けIC設計世界大手の聯発科技(メディアテック)などを顧客に持つ。

聯発科技は7日、既に発表した第2四半期(4~6月)の財務予測について修正することはないと説明した。 (出所:NNA ASIAニュース)

f:id:dsupplying:20210609154033j:plain

 台湾の状況は突然暗転した。干ばつに端を発した停電にコロナ禍が重なり、経済の不確実性が高まった。日米欧は半導体供給網の戦略的側面への警戒から自国での生産拡大を図っており、台湾の地政学的影響力の源泉である最先端半導体市場における優位が脅かされるようになったとブルームバーグは指摘する。

世界最大の半導体メーカー、米インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「われわれは台湾と韓国に依存し過ぎており、要するにもっとバランスの取れた世界的供給網が必要だと考えている」と説明。主に西側で消費される半導体の生産をアジアが主導する「不均衡」に対処するため、米欧は「より積極的に」行動すべきだと語った。 (出所:ブルームバーグ

 突然降りかかった災禍が、台湾の半導体産業の持続可能性に疑問符をつけている。

 

 

 懸念されていた水不足は、ここ最近の恵みの雨で一時的には解消に向かっているようだ。

 日本経済新聞によれば、新竹市台中市が予定した6月1日からの取水制限の強化を、いったん見送ると発表したという。ただ6月中旬から再び雨不足となる懸念があるようで、節水の継続を呼び掛けているそうだ。

www.nikkei.com

 

 ただコロナ影響が深刻のようだ。

www.nna.jp

 

 国内では半導体産業の立て直しが始まる。

 かつての国産半導体で世界を席巻したが、それはもう過去のこと。当時とは状況が異なり、求められる半導体も異なるのだろう。世界が脱炭素に注目するようになり、製品に求められる性能も変わるのだろう。あるゆるモノが、新たな商品にとって替わることもあり得るのかもしれない。

newswitch.jp

 半導体はやはり「産業のコメ」なのだろう。半導体が復活が復活すれば、モノづくりにも活気が戻ってくるかもしれない。