Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

全く新しいテキスタイル誕生 アディダスの「FUTURECRAFT.STRUNG」

 

 アディダスが、FUTURECRAFT.STRUNG(フューチャークラフト ストラング)という新たなコンセプトを発表した。

 

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(写真:Adidas

 

全く新しいテキスタイルが誕生

 STRUNGは、編み物でも織り物でもないという。以前に存在するものではない全く新しいものだという。アディダスは、それをテキスタイルであり、  製造プロセスだという。

 

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(写真:Adidas

 

 

 

 

アッパーの常識を覆す

 アディダスは、このSTRUNGを取り入れたコンセプトシューズを作った。冒頭の写真だそれだ。そのシューズは、短距離を速く走るためのものだという。そのために、2名のエキスパートランナーがモーションキャプチャーを使った計測などに協力し開発したそうだ。

 

余分な素材の使用を極力減らし、滑らかで軽い繭に包まれているような履き心地を提供する、STRUNGアッパー。ヒール、中足部、トゥボックスに、より強度のある赤い糸を用いた的確なフィット感とサポートが、かかとを固定して滑りを防ぎます。

一方、前足部には屈曲性に優れたより柔らかい黄色い糸を使用しています。ミッドソールには、ADIDAS 4Dを採用し前足部での蹴り出しに貢献する革新的な形に仕上げています。また、ヒールは重さを排除してミニマルに、ラバーアウトソールは速いペースの走りにおいてグリップ力をサポートするよう、特別な形になっています。 (出所:Adidas公式サイト

 

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news.adidas.com

 

専用マシーンが織りなすSTRUNG

 アディダスは、一本一本の糸を活かすことで、アスリートのパフォーマンスを改善することにつながっていくという。アディダスには、さまざまなアスリートやスポーツからのテストのデータを集約され、知識のライブラリが構築されているという。STRUNGは、このデータに基づいて、様々な異なる糸を選び自在に配置することができるそうだ。そのために、Adidasは専用マシーンを作った。

 

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 (写真:Adidas

 

 この新しいテキスタイルを取り入れた「FUTURECRAFT.STRUNG」は、独アディダスは2021年後半から2022年初頭に最初の靴を発売する予定だという。

 

アスリートの動きと足の解剖学的な構造も模す?

STRUNG is a milestone that has the potential to transform the way athletes work with designers, engineers and sports scientists. The ultimate aim is for it to be a cross-category platform that serves multiple sports. We’ve started with running but that’s just the beginning. We want this to be the most data-informed textile based on foot anatomy and athlete movement. (出所:アディダス公式サイト)

  STRUNGは、アスリートがデザイナー、エンジニア、スポーツ科学者と協力する方法を変革する可能性を秘めたマイルストーンです。アディダスは、このSTRUNGの究極の目的は、複数のスポーツにサービスを提供するクロスカテゴリプラットフォームになることだという。そして、まず「ランニング」を選んだが、それはほんの始まりに過ぎないという。

 アスリートの動きと足の解剖学的構造に基づいてSTRUNGで種目別に新たなテキスタイルを作っていこうということなのであろうか。 

 

 

 

 撤退したスピードファクトリの進化系なのか

 アディダスは2017年、ドイツ南部アンスバッハで「スピードファクトリー」を本格的に導入した。翌年2018年には、米アトランタにも開いた。

 「スピードファクトリー」とは、アディダスはこう説明する。

SPEEDFACTORYとは、デジタル技術を用いた靴製造工場です。最先端の3Dプリンタやコンピュータ編機、ロボットカッティングマシンなど、シューズの製造工程のほぼ全てを集約していることに加え、新たなシューズのテストやシミュレーション、個々人のカスタマイゼーションに必要な様々なデジタル機器を設置しています。
SPEEDFACTORYは、製造のスピードと柔軟性を兼ね備えることで、従来のもの作りのプロセスを根本から再考し、より迅速に消費者ニーズに答えられる、adidasが誇る業界の次世代スタンダードとなりうるモデル工場です。 (出所:アディダス プレスリリース)

 

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 大消費地の近くに自動化設備を設けることで、消費者の好みに応じた商品を短期間で企画・生産できると日本経済新聞は解説する。ドイツでは24年ぶりの国内回帰だった。

 東京でも期間限定だったが、「スピードファクトリ」が登場し、その期待も高かった。ドイツの強い製造技術、生産技術力がそこから伺えた。しかし、2019年、わずか3年あまりで、「スピードファクトリ」はその役割を終えた。

 

 「FUTURECRAFT.STRUNG」は、「スピードファクトリ」の進化系なのであろうか。ドイツのものづくりの魂を感じる。 どんな新たな展開があるのか、楽しみである。

 

 

 

 「参考文書」

prtimes.jp

 

prtimes.jp