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【見え始めるポストコロナ】ANAの業績は今期黒字に転換するか

 

 ANAがコロナ禍を乗り越え、今期黒字転換の見通しと発表したという。市場予想の936億円の赤字(ブルームバーグ)に対し、280億円の営業利益の黒字を見込むという。

 ブルームバーグによれば、航空需要の回復を見込み、航空事業が前期比でほぼ倍となる1兆2040億円に回復する前提となっているという。

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「最悪の状況を乗り切ったという風には思っていない」と、片野坂社長は会見で語ったという。

社員に対しても、まだコロナ禍のトンネルは抜けておらず「一段と高い危機感を持とう」と呼びかけている。 (出所:ブルームバーグ

 足元ではキャッシュの流出が続くが、緊急事態宣言が予定通りに解除されれば需要が回復して7月ごろにプラスに転換することを見込んでいるそうだ。明るい兆しと見ていいのだろうか。

 

 

 一方、旅行代理店大手のJTB日本政策投資銀行に資本支援を要請する方向で検討していると、共同通信が報じた。旅行需要の激減で悪化した財務基盤を厚くするためだという。

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 ANAとは逆の判断ということであろうか。まだコロナが長引くとの読みがあるのだろうか。

  

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 英HSBCやノルデア銀が「行員(バンカー)が出張する時代は終わりへ」と予想しているという。

 ブルームバーグによれば、HSBCホールディングスCFOが、出張予算を以前より半減する考えを表明し、動画技術に依存度を高めるとともに出張に行く回数を減らし、実際に行く場合は期間が長めになると述べたという。

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 HSBCホールディングスは柔軟な勤務体制に移行し、長く続いてきた業務慣行が変化させているという。長期的にオフィススペースを40%縮小する方針を既に表明し、年内にその目標の半分を達成する見込みだとブルームバーグが伝える。

 国内企業はどうなのだろうか。ANAが見込む、旅行需要回復の見込みに影響があったりすのだろうか。

 

 

 グーグルも在宅勤務が続き、従業員の出張が減少しているという。ブルームバーグによれば、出張・接待費用の削減は3億7100万ドルにも及ぶという。巨大企業とはいえ、その額の多さに驚く。こうした出張・接待費用が減少しても業績に影響することが無く、逆に改善しているといえば、削減できた費用をすぐさまに復活させることはあるのだろうか。

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 前に勤めていた会社は新機種の立ち上げになると民族移動するかの如く、大勢の技術者が海外拠点に出張していた。現地スタッフがいるのに何とムダなことかと感じたりしていたが、このコロナ渦がそうしたムダがあることを教えてくれたのかもしれない。

 都市封鎖ロックダウンや制限措置を1年も続けてきたニューヨーク。 ロイターによれば、7月1日からの経済活動を「全面再開」する計画だという。 

トンネルの終わりにようやく明かりが見えてきた

jp.reuters.com

 ポストコロナの形がおぼろげに見え始めてきているのだろうか。コロナ渦の出口も近づいているのかもしれない。

 苦しい状況が続けば、不平不満も募る。長く続く忍耐は辛いものだ。終わりがないと勘違いすれば、よくないとは知りつつも反発する。今そんな負の連鎖が起きていないだろうか。無駄にエネルギーを悪い方向に浪費していないだろうか。悪循環の渦中にあると、気づきも少なくなる。もしかしたらANAの黒字見込みは正しい判断なのかもしれない。現実化できるだろうか。

 

「参考文書」

www.anahd.co.jp