水素を燃料とする燃料電池車のスゴイ車が登場した。いよいよ水素の時代が始まりそうな予感がしてくる。
未来を予感するFCV HYPERION(ハイペリオン) XP-1
米国カリフォルニアのスタートアップ HYPERION(ハイペリオン)社から、「XP-1」というFCVが登場する。
燃料電池車の可能性を示す最適なリファレンスとなるとGIZMOZOはいう。使われているパワーユニットは、NASAが宇宙開発のために開発したプロトン交換膜(PEM)燃料電池パワーモジュールだそうだ。
最大出力値は未公開ですが、時速約100kmまでの加速は2.2秒以下。
最高速は354km/h以上で、しかも航続距離は1,609km!
エネルギーチャージは水素注入で済むため、EVの充電のような時間はかかりません。(出所:GZIMODO)
2022年までに300台販売されるという。
(写真出所:HYPERION)
欧州グリーン・ディール 気候中立に向けた水素戦略
7月初旬、EUは「欧州の気候中立に向けた水素戦略」を発表した。
JETRO日本貿易振興機構によれば、同戦略は2050年までの気候中立(二酸化炭素の排出実質ゼロ)を目指す欧州グリーン・ディールの一環と位置付けられ、同日に発表された「エネルギーシステム統合戦略」を補完するものだという。
電化が困難な産業分野の燃料や、再生可能エネルギーの貯蔵手段として水素の可能性を見込んでいる。
中でも、風力や太陽光といった再生可能エネルギー由来の電力を用いて生産された水素を優先する方針。
一方で、短・中期的には、天然ガスなどを原料に二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)などを取り入れて生産された低炭素水素も、補完的に利用するとしている。 (出所:NNA EUROPE)
2050年までのロードマップで、再生可能な水素の電解槽の設置規模と再生可能な水素の2030年までの目標生産量を規定する。
2030年以降は再生可能な水素技術を成熟させ、航空業、運送業など脱炭素化が難しいとされるあらゆる業種に拡大させたい考えだとJETROは説明する。
EUが、水素技術の実用化と普及に向けた戦略を発表したことで、水素の活用が本格的に動き出すことになるのだろうか。
東京オリンピックの聖火は水素で灯されるのか
昨年末、東京都は「ゼロエミッション東京戦略」を公表した。その中で、再エネ由来CO2フリー水素を本格活用し、脱炭素社会の実現の柱にするとした。
東京オリンピック2020では、 聖火などに水素を利活用するとしていた。
「聖火台は、東京大会による持続可能性の追求への象徴になる」
と武藤事務総長が説明していた。
福島でCO2フリーで製造された水素が使用することが見込まれ、東京大会2020の会場では、来場者や関係者の移動のために、FCV燃料電池車が多数走る予定がだったという。しかし、東京オリパラは来年に延期となってしまった。
NNA EUROPEによれば、EUの気候変動対策を担当するティメルマンス上級副委員長は、EUの水素戦略発表時に、「新たな水素経済は、新型コロナウイルスによる経済的打撃の克服に必要な成長の原動力となる」と話したという。
来年、もしオリンピックが開催となれば、ぜひ水素の未来を見せてもらいたいと思う。
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