アップルの時価総額が2兆ドルを超えたという。ざっと210兆円。米国企業ではじめだという。日本経済新聞は、「安定成長が見込める企業にマネーが集中している」と指摘する。
コロナ下の株式市場では大型ハイテク株へのマネー集中が進んでいる。
アップルは在宅勤務需要に加え、次世代通信規格「5G」対応端末の買い替え需要やサービス収入の拡大が見込める。
米マイクロソフトや米アマゾン・ドット・コムも在宅勤務の拡大による「クラウド」需要の拡大など、投資家は成長ストーリーを描きやすい。
アマゾンも年初来の上昇率が約80%に達している。 (出所:日本経済新聞)
マネックス証券の大槻奈那さんが、NEWSPICKSで「節目越えで将来性の真価が改めて問われると思います」とコメントしたのが印象的。
市場との対話が重要ということであろうか。逆に、市場関係者が、アップルが発信する情報の中から何を認知し、反応するかということも重要なことなのであろう。
アップルのSDGs 2030年の「カーボンニュートラル」を宣言
アップルがコンセプトムービーを公開した。
アップルは、2030年までに「カーボンニュートラル」になることを宣言している。
アップル製品のライフサイクルにおいて、カーボンフットプリントを最小化するという。TradeInというプログラムで、自社製品を回収してリサイクル材料の使用を拡大、サーキュラー・エコノミーを実践する。
そして、自然界生態系の再生に投資、そこでのCO2回収を目指していくという。
世界で最も革新的な製品をつくると同時に、サステナブルな製造プロセスを設計すると宣言したAppleのSDGsな取り組みとAD Gangはいう。
A climate change promise from Apple
地球の危機 気候、自然、汚染の三重苦
2020年は稀にみる災禍の年になるのだろうか。新型コロナ、記録的な豪雨、暑すぎる夏 危険な温度、経済の失速。
世界に目を転じれば、レバノン ベイルートでは驚くほどの大爆発が起き、モーリシャスでは商船三井が傭船したわかしおが座礁し、大量の重油が流出、環境に甚大な被害を及ぼした。
米カリフォルニア州ではまた山火事がおき、非常事態が宣言された。そのカリフォルニア州では慢性的な電力不足で計画停電が実施される。
ブルームバーグによると、カリフォルニア州の一部地域では、8月17日 夜の気温が43℃になると予想されているという。
数十年で最も過酷な部類の熱波に見舞われている米カリフォルニア州では、17日夜に計画停電に追い込まれる可能性があり、最大で1000万人の住民が影響を受けるとみられる。
同州の送電系統を管理する独立系統運用機関(CAISO)は、エアコン使用などによる電力需要急増で送電システムが崩壊する事態を防ぐため対応に当たっている。
最近の国連が発行するニュースでは、「地球の危機 気候、自然、汚染の三重苦」のような言葉をよく見かける。
国連ニュースによると、新型コロナ COVID-19はスタンドアロンの問題ではないという。これは、人類の執拗な拡大と持続不可能な消費と生産に起因する三重の危機の一部だという。
自然と生物多様性の喪失は、人類をCOVID-19などの人獣共通感染症とより密接に接触させ、一方で、私たちの生存を維持する自然のシステムを破壊している。木のてっぺんに腰を下ろし、私たちの下の幹で薪を刈っている。
気候変動はすでに世界中で森林火災、極端な熱波、壊滅的な干ばつ、恐ろしい洪水をもたらしている。行動を起こさなければ、1.5°Cに保つというパリの目標を逃すという非常に現実的なリスクに直面し、このような影響の激化がさらに予想される。
化学物質や廃棄物の汚染と管理の悪さは、世界中の多くの主要都市にかかる煙害から、ベイルートで見た恐ろしいシーンまで、あらゆる問題を引き起こしている。 (出所:国連ニュースを意訳)
アップルが愛される理由
世界経済フォーラムは、「持続可能な製造業が、倫理面だけでなく経済面でも重要な理由」という記事を投稿し、持続可能でレジリエントな産業構造を構築できるこの機会を捉え、今すぐ行動に移さなければならないと提言する。
そのためには、「デジタル・トランスフォーメーションを通じたレジリエンス向上」、「事業に新たな価値をもたらす方法でエネルギー消費を実現するための業務効率化の実現」、「再生可能エネルギーの活用」、「ライフサイクル思考の実践」、「サプライチェーンデータの透明性」などが求められるという。
まさしくアップルが実践している行動ではないかと思える。アップルは何も革新的な商品を開発しているばかりではない。
こうした側面を市場関係者はどう評価しているのだろうか。
音楽や動画配信など各種のサブスクリプションサービスをひとまとめにした「AppleOne(アップルワン)」を「iPhone」の新機種の発売にあわせ、10月頃、サービスを始めるといわれている。
日本経済新聞によれば、料金は明らかでないが、各サービスを個別に契約する場合に比べ割安になるという。
この経済情勢を鑑みてのことなのか、アイフォンSEといい、ここ最近、アップルは低廉なサービスの提供を始めているようだ。
アナリストたちはこうしたアップルの行動をどう評価するのだろうか。
8月18日、アップルはApple Musicのラジオを発表した。
ブルームバーグによれば、アップルミュージックと競合関係にあるスポティファイは、ミシェル・オバマ氏らの独自番組などポッドキャストの充実で会員数を増やそうとしているが、アップルは定額制を新たな収入源を増やす戦略の柱としているという。
何かとアップルの話題が尽きない。
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