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タイでカーボンニュートラルの工場団地を造るトヨタ、カーボンネガティブを目指すマイクロソフト

 

 タイのトヨタ自動車(TMT)をはじめ日系4社などが協力し、タイ東部のラヨーン県で「カーボンニュートラル工業団地」の建設を計画しているという。

東部に脱炭素のモデル工業団地 日系4社、タイ政府に政策提言へ - NNA ASIA・タイ・建設・不動産

 NNA ASIAによれば、2025年の開業に向けて、年内に第1次のFS 事業実施可能性調査を取りまとめ、タイ政府に提言するそうだ。このプロジェクトに日本側からTMT、豊田通商タイランド)、大阪ガス関西電力の4社が参加し、タイ側からは工業団地公団(IEAT)の他、3社が加わるという。

 

 

タイで始まるカーボンニュートラルな工業団地建設

 このプロジェクトでは、水素を含む再生可能エネルギーの開発、生産、使用、貯蔵を一貫して行うシステムの構築を目指すという。

工業団地周辺の豊富な農業廃棄物を有効活用したバイオガス発電や、工業団地内の移動用として化学工場などで副次的に生産される水素を活用した水素電池車(FCV)の導入などを検討する。(出所:NNA ASIA)

 ただ、実現にはまだ課題があるという。タイでは、地方電力公団(PEA)を通じた送電のみが認可されるため、同じ工業団地内であっても企業間同士での電力のやりとりはできないそうだ。カーボンニュートラルの実現に向けては、工業団地内外の電力の融通が欠かせず、送電に関するタイ側の規制緩和に向けた動きが鍵になるという。

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 この「カーボンニュートラル工業団地」の取り組みが、脱炭素化のモデルケースになると、タイ国内のほか、インドネシアベトナムといった他の東南アジア諸国の工業団地への展開も可能となるようだ。

 

 

マイクロソフトが進める壮大な脱炭素計画

 マイクロソフトが、スウェーデンに「100%グリーンエネルギーを動力源とする脱炭素のデータセンター」を開設したと発表したそうだ。

Microsoftが100%グリーンエネルギーを動力源とする脱炭素のデータセンターをスウェーデンに設立 - GIGAZINE

 GIGAZINEによると、このデータセンターのサーバーは、一年中外気のみによって冷却され、加湿には雨水が利用されるという。また、また、このデータセンターが開設される区域には、サーバーやハードウェアを分別して再利用するための「循環センター」も併設、1か月あたり1万2000台のサーバーを再利用可能にする能力を持つという。

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(画像:マイクロソフト

 マイクロソフトは、2030 年までにカーボンネガティブとなり、1975 年の創業以来直接的に、そして電力消費によって排出したすべての炭素を 2050 年までに環境から取り除くことをコミットした。そのためには、データセンターが広範な脱炭素化のためのソリューションの一部となる必要があるとはいう。

 マイクロソフトは10月27日、自身の目標達成に向けての進捗状況とその達成のための技術についてを公表した。

ネットゼロへの道のりを支援: Microsoft Cloud と脱炭素化 - News Center Japan

・水を使わない冷却方法を目指した液浸冷却の研究を継続

・地域の生態系を支えるデータセンターの設計・・・データセンター周辺に低地の森林地帯を設けると共に、水飽和率が高く、水のろ過に適した植生を持つ森林性の湿地帯を設けて、雨水や流出水を自然に処理していきます。

 

 

・データセンターの設計・建設におけるカーボンフットプリントの削減…データセンター建設における低炭素化を図るため、内包二酸化炭素に着目し、高い内包二酸化炭素を含むコンクリートや鉄鋼を低炭素のものを選択することを進めているという。

 気候変動の問題は、1 企業や 1 業界だけで解決できるものではないとマイクロソフトはいう。

 脱炭素もどこまで掘り下げるかによって、その取り組みをも変わるのだろう。ただ自社だけでの対応には限界があるのだろう。複数社が協力、調和し、この問題に挑めば、解決までの時間は短縮できるのだろう。