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コロナ渦 苦境に会っても黒字を生み出すトヨタとリストラを急ぐアパレルの差とは

 

 コロナ渦が長引く。これだけ長引けば様々な産業に影響が出てもおかしくない。

 TSR東京商工リサーチによれば、「新型コロナ」関連の経営破破綻(負債1,000万円以上)が、全国で400件に達したという。

 業種別では、飲食業が60件で最多、次いで、アパレル関連(製造、販売)が49件、宿泊業が40件と、この3業種が突出しているという。

 全国的な感染者数の高止まりが続き、今後、営業時間の短縮や移動の自粛要請が本格化すれば、消費マインドへのさらなる悪影響も懸念されるという。

 

 政府や取引金融機関などの各種支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、影響が長引けば長引くほど、限界に達した企業の脱落型の倒産が増勢をたどる可能性が高まっている。 (出所:東京商工リサーチ

 

 連日、コロナの新規感染者数が1000人超となっている。8月6日、新規感染者が発生しなかったのは7県のみ。愛知や沖縄では独自の緊急事態宣言を出し、時短営業や移動の自粛を求めている。

 一方、国は重症者が少ないことなどを理由に、ただちに緊急事態宣言を出す状況ではないという。「感染拡大の防止と社会経済活動の両立」を図る考えを改めて示し、「Go Toトラベル」で観光需要を喚起、『ウィズ・コロナ』の時代の安全で安心な新しい旅のスタイルを普及・定着させていきたい」と述べたという。

 国と地方での感覚の差なのであろうか。言っていることがまるで違う。

 国のメッセージの出し方に大いに疑問を感じる。感染者が増えようが、相も変わらず、言うことは変わらない。感染者数は増え続ける一方で、経済の沈下はますます進む。

 この結果だけからいえば、何もしていないのと同じだし、悪化させているだけだ。

 

 

 

売上40%のトヨタはそれでも黒字を確保 = 4 - 6月期

 トヨタの4-6月期の業績発表の内容に驚く。売上が40%も減少したというのに、営業利益を確保、純利益1588億円を達成している。

 原価改善で100億円、経費低減で750億円、売上の落ち込み分を改善させたという。その「カイゼン」の徹底ぶりに脱帽する。TPS トヨタ生産方式がまた何か進化したのだろうか。

 通期21年3月期の業績予想は、売上高は前回発表時と変わらず前年比約20%減の24兆円、営業利益5千億円は前回発表のまま据え置き、未定だった純利益を7300億円とした。第4四半期では販売台数が前年を上回ると予測しているようだ。

 

global.toyota

 

アパレル大手ワールドは売上40%減 急がれる構造改革

 アパレル大手のワールドが業績を発表した。

 足元4~6月期の連結決算では、売上が前年比45.0%減の330億円、純損益は赤字で▲24億円だったという。通期でも最終赤字(▲60億円)の見通しという。

 新型コロナで事業環境が一変、構造改革を急ぐという。その内容は、ブランドの統廃合や低収益店の撤退、希望退職などになるようだ。

 

今回の改革では「ハッシュアッシュ」「サンカンシオン」「アクアガール」「オゾック」など5ブランドを廃止。その他のブランドも統廃合や効率化の取り組みの対象となる。

ブランド廃止に伴い214店舗を閉店するほか、低収益の130店舗などを含めた計358店を閉店する。 (出所:ITmedia ビジネスオンライン)

 

www.itmedia.co.jp

 

 

 

破綻レナウンは再建にむけ準備を進めるが...

 5月に経営破綻したレナウンが、民事再生法の適用を申請し、再生手続きを進めているという。TSRによれば、連結子会社11社のうち、すでに2社が倒産、5社が事業を閉鎖したほか、7月末に560店舗を閉鎖したという。スポンサー選定に向け、不採算事業を縮小し、事業価値を高める動きとみられると伝える。

 

レナウンの担当者は、「(2019年末は2,000店舗あったが)7月末時点の店舗数は約1,300店舗になった。8月も不採算店舗などを閉鎖し、収益性をあげていく」とコメントした。
 現在、複数のスポンサー候補と事業譲渡を交渉中で、ブランドや事業を分割してスポンサーに譲渡する方法も視野に入れているとみられ、レナウンの再建はヤマ場を迎えている。 (出所:東京商工リサーチ

 

www.tsr-net.co.jp

 

強みを活かすトヨタグループ 培ってきた技術で活路を開く 

 業界の違いはあれど、コロナで同じような比率で売上を落とした企業で、一方は黒字を確保し、他方、赤字に転落する企業もある。その差はどこから生まれてくるのだろうか。

 黒字を確保する企業は、生産現場に強みを持ち、常に効率化と革新を追求する。赤字に転落するような企業は、業績悪化してから構造改革を始める。企業活動に効率性を求めなければ、どんなに構造改革をしたところで同じことの繰り返しなったりはしないだろうか。

 

 こんな時だからこそ、同じ業界のことばかり調査するばかりでなく、他の業界についても分析してみてもよさそうだ。同じ「モノ」を作り販売する会社で学ぶべきものがあるのかもしれない。

 

 トヨタグループの部品メーカが、新型コロナで先行きの不透明感が増す中、事業の多角化を急いでいるという。

 SankeiBizによれば、豊田合成は、ウイルスの殺菌能力が高い「深紫外線発光ダイオード(LED)」の開発を進め、使用済み防護服やカーシェア車両の殺菌に使うなど幅広い業種での応用を検討しているという。

 アイシン精機は、ライドシェア(相乗り)サービスを始め、ジェイテクトは、介護用歩行器を発売する予定だとう。

 各社は本業で培った高い技術力を生かして新たな「飯の種」を模索するとSankeiBizが伝える。強みを活かして、異業種への挑戦ということなのだろうか。

 

www.sankeibiz.jp

 

 トヨタのグループ各社も危機感が強いということなのかもしれない。

 

 

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