Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

再び拡大し始めるコロナ 新たな顧客をつかむ企業もある

 

 コロナといい、大雨といい、「過去最多」の記録更新が続く。あまりうれしくないニュースだ。

 東京の1日のコロナの感染数が連日「過去最多」を更新している。いわゆる「夜の街」対策が影響しているようだが、市中への感染拡大のリスクも高まっているのではなかろうか。

 「夜の街」対策で効果があることを願うばかりだ。

  こんな状況下でも、政府は行動制限を緩和し、さらに「Go Toキャンペーン」を前倒し、経済対策を急ごうとする。それだけ、経済への影響も深刻ということであろう。 

「Go To トラベル」は新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ旅行需要を喚起するため、国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の半額を補助する仕組み。

ただ新型コロナの新規感染者が増えている状況で旅行を後押しすることには異論の声も出そうだ。

補助額は最大1人あたり1泊2万円で利用回数の制限はない。補助の7割は旅行代金の割引、3割は旅行先で使える地域共通クーポンで配る。 (出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

 

 

 コロナの影響が長引いていると感じる。もう少し低い水準で推移するかと思った新規感染者数も、落ち着く前に増加に転じてしまった。やはり、人々の行動次第ということなのだろうか。もう一段、行動制限が緩和されれのかと思えば、悲観的な見方があってもおかしくないのだろう。

 

jp.reuters.com

 

 一方で、このコロナで急速に業績を回復させる会社もあれば、次に向け、布石を打つ企業も出てくる。

 

ウーバー 黒字化宣言

 ウーバーが、「2021年に黒字化宣言」とForbesが伝える。

「来年の黒字化を確信しており、事業ポートフォリオ多角化によってその思いをさらに強固にした」

 ウーバーイーツの売上が、パンデミックで2倍以上に伸び、ライドシェア部門の落ち込みが相殺されつつあるとウーバーのCEOが語ったという。

配車需要の低下もほぼ底を打った模様だという。

第2四半期の配車件数は、前年同期比で75%のマイナスとなったが、現状では60%マイナスまで回復しつつあるという。 (出所:Forbes)

 

forbesjapan.com

 

台湾Foxonn 事業の多角化加速

 アップルのiPhoneなどを生産する台湾のフォックスコンが、「事業の多様化」に注力しているとForbesが報じる。

 昨年約1800億ドル(約19.3兆円)売上げた大半が、電子機器の製造受託だったという。台北本拠の調査企業の予測によると、今年の電子機器やスマートフォンの出荷台数は、2019年から7.8%の減少になるそうだ。

 こうした予測もあってか、フォックスコンは6月初旬に台湾にリサーチセンターを開設し、約200人のロボットやヘルスケア、EV関連のエンジニアを採用する計画だという。

 

フォックスコンは新たなR&Dセンターでテクノロジーの優位性を高め、労働集約的な業態から脱却しようとしている」

フォックスコンは医療デバイス市場にも進出を果たし、今年に入ってからメドトロニックと提携を結び、病院向けに人工呼吸器を納入している。 (出所:Forbes)

 

forbesjapan.com

 

変化を機会に

 フォックスコンの創設者は、シャープのCEOを務めるテリー・ゴウ氏。そのテリーCEOが、7月9日、シャープ社員宛てに「CEOメッセージ」を配信したという。

 その内容をc/net Japanが伝える。

 

新ビジネスの創出こそが業績の早期回復に必要

事業環境は改善しつつあるが、今回のコロナショックを契機に、巣ごもり需要やテレワーク需要の拡大、教育や医療分野におけるIT化ニーズの高まりなど、顧客の需要に大きな変化が生じている。

こうした変化を機敏に捉え、自らの事業を変革し、新たなビジネスを創出していくことが業績の早期回復には不可欠である (出所:c/net Japan)

 

 テリーCEOは、一例として、政府主導の「GIGAスクール構想」を挙げ、「ダイナブックと、シャープの通信事業本部が中心となり、単なるPCの販売拡大だけでなく、デバイスや周辺機器の拡大、教育向けソフトウェアの提供、IT化を支援する新たなサービスやソリューションビジネスの創出など、幅広い事業を持つ強みを活かした取り組みを、One SHARPで展開していくことで、新たなビジネスチャンスを最大限に獲得していきたい」と述べたそうだ。

 

 巣ごもり消費も意識しているのだろうか、「メンバーシップビジネスの強化」もあげているという。

「With/Afterコロナの世界では、オンラインでの顧客接点拡大が極めて重要であり、台湾では今後、COCORO LIFEを通じて、コスメ関連製品や生活用品のオンライン販売を開始し、さらなる会員拡大につなげていく」とし、「日本においても、マスクの販売によって認知度が高まったCOCORO STOREを通じて、ビューティ関連製品の販売を行う予定である。さらに、将来的にはヘルスケア分野の製品の取り扱いも拡大するなど、ECビジネスのさらなる強化に取り組んでいく」と話したそうだ。

 

 テリーCEOは、この他、マスク以外のヘルスケア商品の展開にも意欲を見せているという。本家フォックスコンとの連携は何かあるのだろうか。

 

japan.cnet.com

 

 マスク生産で培った顧客との信頼を活かそうとする「COCORO STORE」での販売強化は、今までの電機会社の販売方法を変えることに繋がっていくのだろうか。

 マスク販売では、シャープのSNSチームの小粋な対応に注目が集まったりもしたようだ。

 そうした資産を活用して、ビジネスにできるのであれば、多角化がスムースに進んでいくのかもしれない。

 

 

 

パルシステムは頑なに創業の精神を守る

 そうした動きとは別に、創業の精神を頑なに守る企業もある。

 パルシステムを運営する生協。

 このコロナで、1日で処理できる注文数を遥かに超える大量の注文があり、処理できず、注文制限や欠品が生じるようになったという。

そして、組合員からは、「新規の加入受付は止めてほしい」という厳しい声が寄せられたという。

 

新規加入を拒否せず、危機下で人気集めた助け合いの精神

「この間の一斉休業要請や外出自粛要請により日常生活が困難になった方々が多数おられます。人々の助け合いによりつくられた生協として、新たに加入を希望する方を拒むことはできません」――。

 労働者や庶民による商品の共同購入が、生協の発端だ。

(出所:ダイアモンドオンライン)

 

diamond.jp

 

 こうした助け合いの精神が、危機下で生協が頼りにされた理由だったのかもしれないとダイアモンドオンラインは伝える。

 

 このコロナ渦で淘汰される企業がある一方で、チャンスに変える企業もある。新陳代謝が起き始めているのかもしれない。

 

 

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