Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

落ち込んだ米経済と回復したアップル その差は何か

 

  米国の4-6月のGDP速報値▲32.9%を聞いて驚く。過去最悪の下落率だという。

 CNNは、「過去5年間の経済成長がわずか2~3カ月で失われた計算になる。米GDPは1~3月期も年率換算で5%低下していた」と伝える。

 

米国経済は11年ぶりとなるリセッション(景気後退)に突入し、史上最長とされる景気拡大にも終止符が打たれた。

公衆衛生と経済の危機に同時に見舞われている現状は前例がないものだ。(出所:CNN)

 

www.cnn.co.jp

 

 ロイターは、ロヨラ・メリーマウント大学の金融・経済学教授のコメントを紹介する。

「見通しはあまり良くない。米国人はソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を守っておらず、感染率は受け入れ難いほど高い。つまり、経済成長が加速することはない」と指摘したという。

 

ノートルダム大学メンドーサ・カレッジ・オブ・ビジネスの財政学教授、ジェーソン・リード氏は、「(景気対策が次々と失効する)財政の崖が迫っており、コロナ感染の抑制はもちろんのこと、議会が新たな景気対策で速やかに合意することが不可欠だ」と述べた。 (出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

 

 

  そんな中にあっても、アップルの業績は好調のようだ。2020年4~6月期の決算発表があり、増収・増益だという。

 ブルームバーグによれば、新型コロナのパンデミック対策としての外出自粛で多くの消費者が友人や家族、同僚などとの連絡でインターネットを利用する中、アップル製品の需要が急増したという。

 また、4月に発売された廉価版の新型iPhone SE(アイフォーン「SE」)は、不景気で財布のひもが固くなる時期にはちょうど良いタイミングでの投入となったともいう。

 

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は発表文で、「不確かな時代にこのような業績を達成したのは、当社製品が顧客の生活に果たしている重要な役割の証拠だ」と指摘した。

ロックダウン(都市封鎖)ルールや遠隔学習の増加でアイパッドやマックの販売は押し上げられた可能性が高い一方、アップルストアの休業がアイフォーン販売の重しとなっていると、クックCEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。 (出所:ブルームバーグ

 

 これに合わせて、新型アイフォーンの発売を通常より「数週間遅く」する計画も明らかにしたという。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 29日、反トラスト法に関する調査の一環で公聴会が開かれ、アップルを始めるとする「GAFA」の首脳がそろって議会証言したという。

 

 この反トラスト調査の行方が気になる。どんな結論が出されるのだろうか。

 

r.nikkei.com

  

 

 

 Forbesが、アップルとテスラの株価動向を比較し、「アップルは、ESG投資家からテスラ以上に好まれている銘柄の1つだ」という内容の記事を投稿した。

  その理由は、アップルが積極的に取り組む「サーキュラー・エコノミー」などの気候変動対策にあるという。

 

 アップルの2015年7月の株価はなんと124ドル。5年間で約3倍になった計算だ。時価総額で考えると60兆円から180兆円へと驚異的な成長を記録している。 (出所:Forbes)

  

forbesjapan.com

 

 7月21日、アップルはプレスリリースで、「2030年までにカーボンニュートラル達成を約束」と公表した。

 

温室効果ガスの排出でカーボンニュートラルを達成しているAppleが、 総合的なカーボンフットプリントをIPCC目標に20年前倒しでネットゼロを達成すると計画

 

 このプレスリリースはティムクックCEOは次のようにコメントした。

「企業はこれまで以上に持続可能な未来、すなわち、私たちが共有している地球という星に対して、私たちが抱いている共通の思いから生まれる未来を築くための貢献をする重大な局面にいます。

Appleの環境に対する取り組みを支えているイノベーションは、地球環境にとって良いだけでなく、当社製品のエネルギー効率をさらに高め、クリーンエネルギーの新たな資源を世界中で稼働させることにも役立っています。

気候変動に対するアクションは、新時代のイノベーションの可能性、雇用創出、持続的な経済成長の礎になり得るのです。

カーボンニュートラルに対する当社の取り組みが波及効果をもたらし、さらに大きな変化を生み出すことを期待しています」 (出所:アップルプレスリリース)

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 アップルが生み出すイノベーションが、少しばかり変化し始めているのかもしれない。

単にサービスやプロダクトだけでなく、企業活動そのものでイノベーションを起こそうとしているのかもしれない。

 

 クックCEOが言うように、気候変動に対するアクションが、コロナによる深刻な経済的な影響がある中でも、持続的な経済成長の礎になるようにみえる。

 

 業績発表後、アップルの株価は大きく値上がりし、時価総額が1兆8400億ドル(約195兆円)になったという。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを抜き去り、8カ月ぶりに時価総額で世界首位に返り咲いた。

 

www.jiji.com

 

 

 「関連文書」

dsupplying.hatenadiary.com

 

f:id:dsupplying:20200723051159p:plain