世界に先がけコロナから抜け出したニュージーランド経済が好調のようだ。
ニュージーランドでの市中感染者は80日前を最後に確認されていないとロイターが伝える。
ロバートソン財務相は会見で「(NZ)経済は予想以上に良好で、世界のどの国よりも開放的である」と述べた上で、緊急事態に備えて債務はできるだけ抑える意向を示した。5月に検討中としていた、個人への現金支給(ヘリコプターマネー)はもはや考えていない、とした。 (出所:ロイター)
国内で、感染が再拡大している。そんな時期に、経済対策を実施し、人の移動が増えれば、感染拡大を助長しないかと危惧するばかりだ。
22日に始まった「Go To トラベル」の出鼻を挫くように、大阪で新たに121人の感染者が確認され過去最多を更新したという。愛知県、埼玉県、福岡県でも過去最多を更新し、全国計で795人の感染者が確認された。1日当たりの最多感染者数を更新したという。
23日の東京での感染者が360人台にのぼりそうだと日本経済新聞が伝える。都内で1日に確認された新規感染者としては過去最多となるという。
「Go To トラベル」に続き、「Go To イート」が8月下旬から始まる予定だという。
飲食店の苦しい状況を考慮してのことであろうが、この状況下で経済優先でいいのだろうかと疑問符が付く。
ワタミが始めた新事業「かみむら牧場」のような感染予防策が各店舗で展開されるようになればいいのではないだろうか。
店内では新型コロナ対策を見据えた取り組みを導入。
できるだけ“非接触”の状態をつくるため、回転ずしチェーン店のようにタッチパネル端末で注文すると、特急レーンで注文品が運ばれるシステムを採用したほか、店内の空気を3分半で入れ替える空調設備も導入した。 (出所:産経新聞)
時事通信によれば、ワタミが、これから力を入れるのが「テークアウト、デリバリー、ファミリー」の三つだという。
和牛焼き肉食べ放題の「かみむら牧場」は、家族連れを狙った店ということのようだ。5年後に国内外で300店を展開するのが目標だという。
公衆衛生に資する事業が増えない限り、感染リスクがいつまでも続き、経済の再生が厳しいと思えてならない。
ポストコロナは、コロナ以前と同じ世界に戻らないと言われる。いつまでも、ガイドラインに沿った対応だけでよいのだろうか。
「米欧の航空トップがペンス米副大統領、EUのヨハンソン欧州委員に大西洋間を横断する航空便を対象に新型コロナウイルス検査を協調して実施するように要請した」と日本経済新聞が伝える。
米欧航空トップの要請では、どのように検査を実施するかなどの詳細は含まれていない。
ただ「米欧両政府のガイドラインには多くの共通点があり、安全に大西洋を横断できるようになる基盤を作ることができる」と指摘している。 (出所:日本経済新聞)
このコロナでアパレルも苦境に陥っている。
その苦しい中で、オンワードはZOZOと提携するという。ZOZOが持つ約100万件の体形データを活用、男女向けのジャケットやパンツなどを10日程度で製造して届けるサービスを8月下旬に始めると日本経済新聞が伝えている。
新サービスはZOZOの衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」で展開する。
利用客が自分の身長と体重を選択するだけで、体形に合ったオーダーメードのジャケットやパンツを注文できる。
商品はオンワードHDが中国のグループ工場で製造し、10日~2週間で自宅などに届ける。
商品は男女向けにジャケットやパンツ、ワンピースなど計28種類をそろえ、価格は1万3千~3万円台に設定する。
ZOZOは全身採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」などで、約100万件の体形データを蓄積しており、このデータを活用する。
オンワードHDは製造ラインの自動化などにより、注文から最短1週間で商品を届けるオーダーメード事業に力を入れている。2社が強みとする分野を組み合わせる。 (出所:日本経済新聞)
USJの再建に尽力した森岡毅氏は「100とゼロの間に最適解」があると日経Xトレンドのインタビューで答える。
「コロナが絡むと、なぜか100かゼロの議論になりがちです」。
人々の消費を抑えている根本は、恐怖や不安にあります。そうであるなら、安全・安心を高める策を実施し、恐怖を打ち消している飲食店や小売店のプレファレンスは上がります。
その意味では、丸亀製麺は店内の消毒や換気体制について「お客様とともに」という姿勢でいち早く打ち出し、安全・安心の取り組みに関するCMを作りました。また同社は、打ちたての麺を店内で提供することを重視してきたブランドなので、元来はマクドナルドやケンタッキーフライドチキンのようにテイクアウトには強くありません。
しかし外出自粛に対応し、専用の麺や容器を用意して持ち帰りに踏み切った。需要に応えて、果敢な決断をされたと思います。 (出所:日経Xトレンド)
コロナは街中でクラスターを作り感染を拡大させる。
街と人に「公衆衛生」という概念が定着しない限り、コロナの抑制は厳しいそうだ。
今、人は安心・安全なところに集まっているのではないだろうか。
「参考文書」