「2040年より前に、石油の需要が半減になる」かもしれないという。
こう語ったのは、石油元売り最大手、ENEOSホールディングスの大田勝幸社長。朝日新聞のインタビューでそう答えたようだ。
歓迎と思いつつ、少々驚いたりもする。いよいよそんな時代になってきたのかと。
この先、再生可能エネルギーによる電気、二酸化炭素フリー水素などの新規事業を急ぐ考えも示したという。
大田氏は「ガソリン(の需要)は足元で前年に比べ5~6%減、ジェット燃料は7割減。コロナ前のように戻るか見通しは正直わからない」と話した。
「事業ポートフォリオが脆弱(ぜいじゃく)だった。石油一本足だと原油市況のリスクが大きく、ポートフォリオの充実化を図りたい。将来、座礁資産になるリスクもないわけではないので、(石油資源開発の)上流事業でリスクはとれない」とも述べた。
コロナ後の経営のあり方については「厚みがある事業を複数を持つことが、企業が生き残っていくには必然。従業員の問題も同じで、多様性のある人の集まりじゃないと、何か大きな変化があったときに弱くなる。とがった人やいろんな人が一緒に集まって事業ができる方が強みが絶対にある」との考えを示した。 (出所:朝日新聞)
米リビアンが25億ドル資金調達
米アマゾンにEVトラックを供給予定のリビアンが、25億ドル(約2670億円)を新たに調達したことを明らかにしたという。
Forbesによれば、今回のラウンドを主導したのは既存株主であるティー・ロウ・プライスで、ソロス・ファンド・マネジメントやフィデリティの他、既存株主であるアマゾンやブラックロックも参加したという。
リビアンが大型調達を行った背景には、製品に対する需要が当初計画を上回っていることがあると推測する。
「リビアンは公表していないが、潜在顧客が十分見込めると考えて生産拠点の増設を検討しているのかもしれない」 (出所:Forbes)
この資金調達で、初期オペレーションが円滑になるとの指摘があるようだ。
今回のラウンドを主導したティー・ロウ・プライスでポートフォリオ・マネジャーは、
「リビアンは、カーボンニュートラルな環境づくりに貢献する、革新的な車両の生産準備を進めている。」とForbesにコメントしたという。
ホームページを見る限りリビアンは明確にSDGsのことを謳ってはいないようだが、SDGsの達成に貢献しそうだ。
こうした企業が、現実、多額の資金を調達している。
企業のSDGs意識= 帝国データバンクの調査結果
先日帝国データバンクが発表した企業のSDGsの意識調査では、「SDGs の達成への貢献による企業価値の向上」という調査では、「企業好感度」と「社会的評価」が上位にあがったという。
帝国データバンクによれば、「株価」に関しては、SDGs の達成で向上すると考えている企業 は 12.7%だったという。企業の 4 割が 「分からない」としているそうだ。
少々驚く調査結果だ。
(資料出所:帝国データバンク公式サイト)
「ESG投資とSDGsのつながり」 = GPIF
機関投資家であるGPIF 年金積立金管理運用独立行政法人は、「ESG投資とSDGsのつながり」で、SDGsに賛同する企業が17の項目のうち自社にふさわしいものを事業活動として取り込むことで、企業価値が持続的に向上すれば、GPIFにとっては長期的な投資リターンの拡大につながると指摘、ESG投資と、投資先企業のSDGsへの取り組みは、表裏の関係にあるという。
(資料出所:年金積立金管理運用独立行政法人公式サイト「ESG投資」)
ここ最近、「デジタル化」「DX デジタルトランスフォーメーション」に注目が集まる。政府の後押しがあってのことだ。「デジタル化」を進めれば、政府が進めるSDGsプランに貢献することになるが、各社横並びになって、他社との差別化が難しく、それだけではメリットをあまり感じないのかもしれない。
自社独自のSDGsへの取り組みがあってこそ、それが持続的に企業価値を高めてくれることになるのかもしれない。
しかし、何故か国内では、アマゾンにも認められるリビアンのようなモノを作る会社が生まれてこない。リビアンもまたデジタル化、DXデジタルトランスフォーメーションと無縁な会社ということではあるまい。そこに何かヒントがあるように思う。
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