新型コロナへの警戒を緩めることはできないが、コロナ生活にも少しづつ馴染んできたのかもしない。
コロナパンデミックによるディストピア感は遠のきはじめ、コロナで巻き起こったネガティブ感も解消に向かい始めてはいないだろうか。
米中対立はビフォーコロナから変わらない。秋の大統領選を控え、コロナを口実にエスカレートしているようだ。
米国内、ミネアポリスでは、人種差別を発端とした抗議活動がエスカレートしたという。その背景に、コロナによる社会不安などがあるのかもしれない。
中国も香港問題を抱え、「香港国家安全法」をめぐり欧米との対立が激化する。全人代では、コロナで傷ついた経済を建て直すため「6つの任務を重点的に取り組み経済回復を目指す」という。
JETROは、「単純な比較はできないものの、2020年に取り組むべき重点活動任務の筆頭には、「マクロ政策の実施に力を入れ......」が来ており、「マクロコントロールの充実、経済を合理的な範囲内に保つ」が筆頭にきた2019年同様、大規模な減税、企業負担軽減、雇用の安定・拡大が重視されていることがうかがえる」と解説する。
コロナの影響があってのことかもしれないが、以前と変わらない経済中心の政策とも見える。
「大企業向き」の時代は終わった。世界の流れは確実にシフトしている。
Forbesは、「緊急事態宣言解除の今、コロナが「収束」したあとの経済についても少し考えていく必要があるだろう」という米国シリコンビーチに住む日本人投資家の言葉を紹介する。
「これまでの大企業至上主義、人間ファースト、利益中心主義の生き方から、個人で地球と共生する生き方、そして誰かの役に立つための生き方へシフトする時期に来ているのではないだろうか」
こうしたこともビフォーコロナから言われていたことだ。
「この大きな流れに気づくことのできない日本の大企業は、これから非常に厳しい時代になるのではないか」
これまで大企業は、政府の政策や法律、規制のもとに庇護されてきました。でも、もうすでに時代が大企業向きではないのです。 (出所:Forbes)
ビフォーコロナでの課題が、より鮮明になったということだろうか。
ESG債もそのひとつだ。ビフォーコロナから注目が集っていた。特に、気候変動に関わる「Emvironment:環境」への注目度が高かった。ウィズコロナでは、それに加え「Society:社会」への関心が高まってきていると言われる。
日経ビジネスは、「投資家に聞く新型コロナ後のESG」とう記事で、「S」への関心の高まりを解説する。
「当面、収益見通しとの兼ね合いでESGの割合を落とすことがあったとしても、その後はさらに強化される」とBNPパリバ証券チーフESGストラテジストの中空麻奈氏の言葉を紹介する。
中空氏は、
「気候変動、働き方改革、生存権、健康の意義などがさらに重要な要素になってくる」
とみる。 (出所:日経ビジネス)
「コロナ後、危機の中にあっても社会に貢献する企業かどうかで評価が分かれる可能性がある」と 日経ビジネスは指摘する。
新型コロナでマスクや医療防護具、人工呼吸器が不足するようになった。こうした物品は国内では生産されずにいた。不足するこうした物品を、電機や自動車メーカなどが次々と支援を表明して国内工場で生産を始めた。
見せかけのCSR活動のようなものでなく、真に社会貢献するならば、損になることなどなく、それは評価され、それがビジネスにも良い影響を及ぼしていくことは自然な流れであろう。
その代表格が「シャープ」かもしれない。
家電メーカーのシャープ、107年の歴史で最大のヒット商品がマスクになってしまいそうな感じ、複雑な気持ち。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2020年5月3日
コロナは避けえなかった災厄だったと考えた方がいいのかもしれない。それによる経済的打撃は、世界恐慌並みなのかもしれないが、行き過ぎた経済はどこかで一度リセットされなければならない。
コロナの影響によるネガティブはやがて収斂していくだろう。浮き彫りになった課題や矛盾をひとつひとつ解決していくことで、コロナで生まれるディストピアな世界から少しづつ抜け出していく。
お察しします。たいへんだと思いますが、どうかベターを尽くしてください。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2020年5月28日
何か、微笑ましい。こうあるべきであるような気がする。こんなことが続いて欲しいと思う。
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