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動き出す世界の工場 中国 物流は回復するのか

 

 世界がコロナ一色になっている気がする。そんな中で、2カ月以上続いていた中国武漢の封鎖が一部解除されたとBBCが伝える。 

27日夜になり、武漢市に入る道路の封鎖が解除されたと、ロイター通信が報じた。一方、中国国営メディアは、28日に武漢市の地下鉄の封鎖が解かれるとともに、市内の17駅で列車の到着が許可されると伝えた。

当局によると、市外への移動制限は4月8日に解除される。同じ日には、航空機の国内便の運行再開も見込まれている。 (出所:BBC NEWS JAPAN)

 

www.bbc.com

 

 JETRO日本貿易振興機構)によれば、武漢での従業員の職場復帰は、3月25日午前0時から、一定条件を満たせば認められるという。必要な条件は、「・湖北健康コードで緑コードを取得した人 ・PCR検査で感染していないことを確認済み ・通勤バスなど集団輸送による出勤(ポイントからポイントへのワンストップ式移動)の移動手段が確保されている」ことという。(参考:JETRO湖北省段階的な封鎖解除を発表、公共交通機関も再開の兆し」)

 

 広東省での物流の回復状況を、JETROビジネス短信が伝える。

広東省内の物流は回復しつつある。広州市郵便管理局の周建軍局長は、2月24日時点で市内約3,000カ所の配達所を再開し、1日当たりの平均集荷量は1,150万件、配達量は約400万件で、2019年の70%の水準にまで回復したと述べた。深セン市の港湾海運会社の再開率は88.3%に達した(「中国交通新聞網」3月2日)。また、中山港税関によると、中山港の国際コンテナ取扱量も通常時の7割まで回復した(「南方網」2月24日)。

広東省工業情報化庁によると、2月26日までに生産・操業を再開した同省の一定規模以上の工業企業(注)は5万社近くとなり、再開率は93.9%に達した。

(出所:JETRO広東省で物流回復の動き、移動制限の緩和や手続き簡素化」)

 

世界の工場が動き出したのだろうか。

日経ビジネスは『「鎖国」に踏み切った中国 日本企業に広がる混乱』との記事で、政治ショー的に今の中国を伝える。

 

business.nikkei.com

 

在中国日本大使館が、中国政府からの通知「外国人の入境を暫定的に停止」を和訳、掲載している。 

新型コロナウイルス肺炎の状況が全世界的に急速に蔓延していることにかんがみ,中国側は,2020年3月28日0時から,現在有効な訪中査証及び居留許可を有する外国人の入境を暫定的に停止することを決定した。外国人が訪中して必要な経済貿易,科学技術等の活動に従事する場合,及び,緊急の人道主義の必要がある場合には,中国の在外公館に査証を申請することができる。 (出所:在中国日本大使館公式サイト)

 

www.cn.emb-japan.go.jp

 

 

 ロイターは中国湖北省の今を伝える。「通常の生活に戻りたい湖北市民の不満」という動画で、今の湖北省をみることもできる。

 

www.reuters.com

 

日本経済新聞は、「日通、新型コロナで傷ついた中国物流の維持に躍起」という記事を配信した。

 

江蘇省浙江省の貨物は主に上海に集め、西安を経由して欧州に運ぶ。上海からドイツのデュイスブルクまでの必要日数は26日と、40日ほどかかる海運より大幅に短縮できる。影響が少なかった西安駅は2月12日にいち早く中欧班列の運行を再開している。必要な人員が少なく、感染リスクも小さい鉄道は中国当局にとっても活用しやすい輸送手段だ。

四川省成都重慶から東南アジアや欧州向けには、広西チワン族自治区の欽州港まで鉄道で運び、海運に切り替える。重慶からシンガポールまで10日ほどで運べるという。成都重慶から浙江省寧波まで鉄道で運び、日本まで海運を活用するルートもある。

減少が相対的に小幅な日本発の航空便を利用する運送商品も開発した。上海港から東京港まで海運で運び、成田空港発で欧米に運ぶ。自動車関連など物流が多く、かつ緊急性が高い産業でのニーズを見込む。需要に応じて海外発、中国向けも検討する。

(出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

細々なのかもしれないが、物流が維持され、また、別な方法で必要な物質を送ろうとする現実が伝わる。JETROもビジネス短信「各国との航空便数を大幅に縮小、各航空会社につき、各国1路線、週1往復までに限定」という記事で、旅客機の規制状況を伝えるが、一方で貨物については「各航空会社が旅客機を利用して貨物のみを輸送する便については、限定対象となる客運航空便の総数に算入しない」と物流への影響を避ける内容を伝える。

 

世界の経済が減速するなかで、世界の工場が再び動きだしたことに少しばかりの安堵感を得る。世界全体の経済が完全にストップしているわけではない。緊急性の高い物資の物流が止まることはなそうである。

 

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