「過去を遠く遡るほど、未来も遠くまで見通せる」といったのは、イギリスのウィンストン・チャーチル首相だった。
コロナ政策の是非を問うのはまだ少しばかり早いのかもしれない。コロナの早期収束に向け、Stay Home週間が始まった。
それに先立ち、4月22日に「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)・官民データ活用推進戦略会議合同会議」が開催されたようだ。
首相官邸公式ページにによれば、総理は、当日の意見交換を踏まえ、次のように述べたという。
「皆様、今日は大変お忙しい中、御参加を頂きまして、誠にありがとうございました。
現在、世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっておりますが、ITやビッグデータなど、あらゆるテクノロジーを駆使して、これに対峙していかなければなりません.....」 (出所:首相官邸公式ページ)
この政策会議には、有識者10名が参加し、今回の会議では4名の有識者から資料の提出があったようだ。首相官邸公式ページで、「第77回高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・第8回官民データ活用推進戦略会議 合同会議 議事次第」ということで、各有識者から提出された内容が公開されている(議事録はまだ開示されていない)
この中で、楽天の三木谷氏が提出した「日本復活計画」という資料が話題になっているようだ。BuzzFeedは、三木谷氏がプレゼン資料で引用したニューヨークタイムズ紙をもとに反論を行っている。
「全国民のセルフPCR検査」を政府に勧める楽天の狙いは? 厚労省は「非現実的」、医療者は「不安商法の延長」(BuzzFeed)
改めて、三木谷氏が示した「日本復活計画」を確認してみると、冒頭には、
「日本の経済を一早くフルパワーに再開させ、来年オリンピックを開催するためにも、国民全体のコロナ陽性・陰性分析完了が必要不可欠」
と記されている。政策会議だからであろうか、今ではなく、来年のことを見据えて、経済をフルパワーで再開させるための提言のようだ。
みなが不安を抱えている中で、この内容を見るとゾッとする。
ものすごく簡潔に言えば、「PCR検査を全国民に実施して、フルパワーで経済を再開させよう」ということを言っているようだ。まだ、ワクチンも治療薬が開発されていない中で、人々を危険に晒すことにはならないのだろうかと危惧をおぼえてしまう。
BuzzFeedが指摘するPCR検査キットの信頼性などを考えれば、もっともなことなのかもしれない。
首相官邸公式ページによれば、総理は次の言葉で締めくくった。
「新型コロナウイルスによって、私たちのこれまでの生活は一変しました。国民の皆様には、大変な御不便をおかけしておりますが、ウイルスとの戦いに全力を尽くしながらも、その負担を少しでも軽減できるよう、この機に、一気にデジタル化を加速しなければなりません....
この機会に、しっかりと未来を先取りするような、言わばデジタル・ニューディールを一気呵成に進めていく。ピンチをチャンスに変えていくという発想が必要です。あらゆる分野でITを積極的に活用しながら、しなやかで危機に強い社会を構築するため、言わばデジタル強靱化戦略を、竹本大臣を中心に、全閣僚が協力して、速やかに取りまとめられるよう、作業を加速していただきたいと思います。よろしくお願いします。」 (出所:首相官邸公式ページ)
政策会議の場だからかもしれないが、不安に寄り添い、ものごとを検討するのではなく、不便解消、効率化追求ということばが何か寒々しく聞こえる。
「人命」なのか「経済」なのか、経済を優先したように見えた政府施策も、拡大を続ける感染に後追いながら「補償」を手厚くし、「人命」を優先させようとの姿勢も窺えるようになったと思いたかったが。
第2次世界大戦を終焉に導いたチャーチル首相は、こんな言葉も残している。
「我々は、歴史上、最も考えることをしない時代に生きている。日々、新聞の目先のことだけで過ぎていく。私は歴史を掘り下げ、少しばかり現代にたぐり寄せ、当面の難題を解決する手がかりにしようと心がけてきた」
今解決すべきは「経済」なのであろうか。
「金も命も両方大事で天秤にはかけれない。命は金で買えないから。答えのない永遠の難問でバランスが大事」といった感じで、のらりくらり玉虫色の思考停止に陥りがちだとForbesは指摘する。
営業を続けるニトリに疑問を投げかける声が多いようだ。
本業でもないのにシャープはマスク生産を始めた。政府納入を優先させ協力し、一般消費者向け販売を始めようとしている。その製造工程を開示したこともあってか、人気が高いようだ。販売予定日に多数のアクセスで、システムダウンで販売休止になってしまったが、27日から販売を再開するようだ。
だんまり決め込んでてすみません。マスクの続報です。 https://t.co/XV450iC9Sg
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2020年4月23日
こちらの事情といただいたご意見を考慮し、シャープのマスク販売方法を変えます。すったもんだすみません。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2020年4月23日
😷先着でなく抽選に
😷応募時の会員登録不要に
😷名前/メアド/電話番号で応募
😷当選者のみメール通知
😷購入はクレカのみ
😷応募は4/27 0:00-23:59
すっかりマスクの会社みたくなってしまいましたが(しかもいまはかんたんに買えないのですが)シャープは家電やガジェットも作っております。マスク以外にもいろいろキャンペーン中ですので、それをお知らせしますね。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2020年4月22日
企業の存在意義とは何であろうか。今、企業ごとに異なる選択を行う。
コロナとの闘いが長引きそうだし、しばらくはコロナと共存していかなければならないかもしれない。今あるテレワークやオンライン○○がニューノーマル・新常態となっていくのかもしれない。コロナの収束時期によっては、産業の淘汰が起きることがあるかもしれない。
経済を優先するのか、それとも、従業員や顧客の安全を優先するのか。
今、自治体の多くが、stayhomeを呼び掛けている。
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