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【リスクマネーの行く先】ビジョンファンドはどんな世界を作ろうとしたのか

 

 昨日の激しい雨が通り過ぎ、麗らかな春の陽差しが射し込む。風が強いようだ。南からの風だろうか、春一番かもしれない。寒さが嫌いな身にとっては暖冬はありがたいが、温暖化の影響かと心配になる。激甚化する災害を目の当たりにするようになって「気候変動」が関心事のひとつになった。

 

 SDGsとサスティナビリティがメガトレンドになった。どこかのエコノミストがテレビのインタビューに答えている。胸のSDGsのバッジが目にとまる。意識づけなのか意図はよくわからないが、なんか胡散臭いと感じたりもする。

 

 

ソフトバンクグループの2019年4~12月期の連結決算で、営業損益が129億円の赤字と報じられたからであろうか、ソフトバンクのビジョンファンドのことが気になっている。

 

mainichi.jp

 

昨年のはじめまでは、何か、テクノロジーが世界を変えていくような雰囲気があった。ただ、現実の世界では、ウーバーやリフトなどユニコーン企業が期待したほどのスケーラビリティをみせられず、それよりもネガティブなニュースが多くなった。We Work騒動が起きた。そんな現実を映すかのようにビジョンファンドの営業成績も悪化したということだろうか。

 

「もうじき倒産しそうなソフトバンクと見ている人も多いかもしれないが、潮目が変わった決算だ」

と孫さんの言葉を毎日新聞が報じる。

 

「潮目が変わった」と孫さんが語る意味とは逆向きに潮目が変わったような気になる。

 

「このファンドは、他のものとは桁違いの規模で運用されていて、数十億規模の投資が数分で下されていた」そうです。資金集めは混迷を極め、外部コンサルタントによれば、その様子は「カオス」「個人至上主義」と表現される始末

とGizmodoが伝える。

 

www.gizmodo.jp

 

ビジョンファンドは、どんな世界を目指していたのだろうか。何かビジョンはあったのだろうか。

 

ウーバーのライドシェアが普及することで、かえって自動車の台数が増え、環境を悪化させると揶揄され、急ぎEV化の検討が始まったり、自動運転は何か自動車メーカの方がはやく実現させて、社会課題の解決につながっていくのではと思えてくる。

 

 

 

トヨタが、「Woven City構想」を発表し、ソニーはEVをCESで発表した。日本を代表する大企業が「サスティナビリティ」に舵を切ったように見える。

 

 WWD Japanは、ファーストリテイリングの新田幸弘グループ執行役員にインタビューし、ユニクロの「サスティナビリティ」の取り組みを紹介する。

 

3D-CADを使ったデジタルデザインによるサンプルの削減や、AIによる需要予測の精度向上による過剰生産の抑制など、ものの作り方改革については?」

と問われた新田執行役は、

「今後さらにAIなどで需要予測し、お客さまが本当に求める商品が店舗やECサイトにいつでもある状況にする」と応じ、スタートアップ企業への投資についての質問にも答える。

 

新田:今はないが考えていきたい。H&Mなどはすでにされている。うちにも持ち込み案件はものすごく多い。素材関係や、気候変動に対応した技術や機械化投資、新設工場への投資など、いろいろある。そこで競争優位性が出てくる可能性があるので、戦略的パートナーの東レを中心としながら、個別案件も検討していきたい。世界中の新しい技術を持っている企業や起業家を支援しながら、自分たちの商品やサービスに取り組んでいく方向性はありだと思う。(出所:WWD Japan)

 

アパレル、食品や農業など古い歴史をもつ産業は、「サスティナブルな世界」を目指す時に、まだ多くの問題を抱えているようだ。 

ビジョンファンドは、こうした社会課題には興味がなかったのだろうか。

 

 

 

前澤友作氏が、noteで「前澤友作が【総額100億円】10億円を10人の起業家に投資する #前澤ファンド を設立」と発表した。

 

10億円規模の投資を実施し、一定以上(目安20%程度)の株式を保有させていただきながら、前澤自らが経営にも参画し、前澤の持つ知見・人脈・影響力・資金などを最大限活用し、あなたのビジネスの垂直立ち上げと成長加速をフルサポートします。もちろん必要なタイミングでの上場も狙っていきます。(出所:前澤さんのnote)

 

note.com

 

「世の中からお金をなくす」ことで世界は平和になるという前澤氏の個人ファンドであれば、何か世界が良い方向に動くことを期待してみたいと感じたりする。

 

note.com

 

「サスティナビリティ」を追求することで、産業構造や経済価値までが変化し始めているような気がしている。

よりサスティナブルな商品がラグジュアリーになり、短期大量消費が影を潜め、適量生産する世界に近づいていく。商品がどこで、どうように作られ、そのカーボンフットプリントも可視化される。

 昔鉱山だったところにはもしかしてCO2が貯留されていったりもしているかもしれない。

世界の投資の流れも変わりつつある。リスクマネーも変わる必要があるように思えてならない。

 

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「関連文書」

www.businessinsider.jp