Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

嫌いな中国、嫌いになれない中国

 最近の関心事といえば、やはり中国でしょうか。覇権争いで対立が激しくなっていく中にあって、処理水問題で関係が悪化しているように感じます。様々な意見と報道があるようです。

 時々で変わる情勢をくみ取って、現実的に動いていくことが求められているのでしょう。しかし、現実にはそうできないようです。

 

 

 冷静さが求められているのでしょうが、あまりにも偏った意見が出てくるのもこんな時だからなのでしょう。「日本の魚を食べて中国に勝とう」、これもその一例ではないでしょうか。

 今月6、7日付の全国紙朝刊のいくつかに「保守派の論客」とされる桜井よしこさんが理事長を務める公益財団法人の意見広告が掲載されたといいます。

応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも:東京新聞 TOKYO Web

「不条理に屈しない」、「安全で美味。沢山食べて、栄養をつけて、明るい笑顔で中国に打ち勝つ。早速今日からでも始めましょう」と訴えているそうです。

 政府決定に中国が反発し、それによって日本の水産業界が被害を受けることになった、ただそれだけのことなのでしょう。条理も不条理でもなく、科学的とか非科学的とかでもなく、単に対立があるからそうなっただけなのでしょう。そんな時に、勝つの負けるはないような気がします。

中国の理解を得られなかった外交の失政を「被害を受けるかわいそうな日本」にすり替え、中国に勝つという言葉で排外主義とナショナリズムをあおっている。(出所:東京新聞

 結果的に反発を食らって、にっちもさっちもいかずに、自国民が影響を受け、そのために税金を投入して対策しなければならなくなっているのなら、無様過ぎるように感じます。

 

 

切っても切れそうにない中国経済

 地理的にもつながりが深い中国の経済が鈍化しているようです。その影響は世界経済に影響し、とりわけ周辺地域 東アジアへの影響が大きいとの見方が広がり始めているようです。

米財務長官 “東アジアは中国経済減速の影響受ける可能性” | NHK | アメリカ

 こうした中、経済同友会の代表幹事を務めるサントリーホールディングスの社長の新浪剛史氏が、「政治的に緊張が高まる中でも中国という巨大市場に対して常に関心を示し、ビジネス界の対話により互いの関係性を維持していくことが必要」と、ブルームバーグのインタビューで語ったといいます。

 世界的に人気が高まる日本製ウィスキーを中国で拡販したい思惑があるようです。

勢い増す中国製EVとそれを支える日本企業

 EVを中心に中国の自動車輸出が急伸しているといいます。今年上半期には自動車輸出台数で日本を抜いて世界一となったといい、中国メーカーが電気自動車(EV)で世界覇権を握る勢いといいます。

EVで世界の覇権目指す中国 猛スピードで突っ走る思惑 日系メーカーのとるべき道は:東京新聞 TOKYO Web

 この状況を商機ととらえる日本企業もあるそうです。半導体商社リョーサンは、四川省成都でEV設計開発大手のIAT 阿爾特汽車技術と合弁会社を設立することで合意し、中華圏の事業を拡大させるようだといいます。IATは、日本から半導体を安定的に調達し、自社のEV開発を拡大させていくそうです。

 

 

中国時代の終焉なのか

「中国の時代は終わりつつある――」と日本経済新聞が主張しています。そうは言えないこともないのかもしれません。トレンド、世界的な流れからいえば、そうなっていきそうな気もします。

「中国の時代は終焉」 習近平不在を突く米情報戦の吉凶 - 日本経済新聞

米大統領のバイデンが、中国国家主席習近平(シー・ジンピン)の不在を突いて、勢いあるインドから吹く強烈な「南風」を利用し始めた。(出所:日本経済新聞

 さてこの先どうなっていくのでしょうか。これで単純に幕引きになることはなさそうです。在中国 日本企業は難しい選択を求められ続けることになりそうです。

 

「参考文書」

処理水問題”中国がこうなることはわかっていた”対応策ゼロの岸田外交「日本に罰を与える鬼の政権」習近平に土下座外交の情けなさ - みんかぶ(マガジン)

サントリー新浪社長、中国事業拡大を計画-ビジネス界は対話継続を - Bloomberg

中国経済減速に「警告」サイン、台湾は影響受けている-駐米代表 - Bloomberg

木内登英の経済の潮流――「中国経済の『日本化』と米国経済の『中国化』」 | NRIジャーナル | 野村総合研究所(NRI)